【インタビュー】Purple Stone、1stアルバム完成「現時点での最高。同時にまだいける感覚も生まれた」
■ギターインストと謳ってはいるけど
■ギターはあくまでも楽曲の一部──GAK
──GAKさんの特に印象が強い曲は?
GAK:ギターインストの「Imperial Dragon」を入れることができたということですね。この曲を作るきっかけになったのは、今年の3月にソロでギターインスト・ライブに出る機会があって。そのイベントに出演するにはオリジナル曲が必要だったので、「Imperial Dragon」を作ったんです。その時に予想以上に良いものができたなという手応えがあったので、自分の活動の基軸になっているPurple Stoneの作品の中にも入れたいなと思って。いちメンバーとして、こういう音楽もやっていますということを知って欲しいなと。そうしたら、メンバーも入れることを快諾してくれて、すごく嬉しかったです。
keiya&風麻:いや、これは入れたくなるよ(笑)。
──分かります。「Imperial Dragon」はギターのテクニックを見せびらかすようなインストではなくて、情景を描くタイプの曲ですよね。この曲の異国情緒を纏った世界観には、強く惹き込まれました。
GAK:僕はワールドミュージックやエスニック系の音楽も好きで、そういうテイストを盛り込みました。それに、おっしゃっていただいた通り、テクニックではなくてメロディー押しな曲です。良いメロディーを、どれだけギターで伝えられるかということを重視しましたね。僕自身が得意としているところが、この曲を作ったことで改めて見えてきたというのがあって。ギターインストと謳ってはいるけど、全体のアレンジも自分でしたから、ギターはあくまでも楽曲の一部なんです。だからギタリストにしか響かない曲ではないし、インストに馴染みがない人にも楽しんでもらえると思います。
風麻:メロディーが強いから、歌ものみたいな感覚で聴けるじゃないですか。だから、ぜひアルバムに入れたかったですね。個人的には、曲名の“Instrumental”という表記は外しても良いんちゃうかなと思っています。僕の中には、歌ものとして捉えて欲しいという気持ちがあります。
keiya:曲を作って最後にミックスする時に、いつも僕がエンジニアにいろんなことを言うんですよ。でも、「Imperial Dragon」はGAKに任せようという話になっていて。上がってきたミックスを聴いて、GAKはこういう音にしたいと思っているんだなということがよく分かった。彼が自分だけでは形にできない部分とかも、エンジニアの力でちゃんと拡張されていたから。それを聴いて、すごく刺激を受けたんですよね。こういうことができるなら、今後はこんなこともできるなと思って。それも含めて、「Imperial Dragon」をアルバムに入れたのは正解だったと思います。
GAK:想像以上に2人がこの曲を評価してくれているんで、すごく嬉しいです。
▲GAK (G&Programming) |
keiya:バラードの「sakura.」です。だいぶ前に一度無料配布した曲ですけど、これもGAKが新たにアレンジして、その時と大幅に変わりました。今回改めて録るにあたって、無料で配布したものに負けちゃダメだというのもあったんですよ。それに、ここ最近ちょっと歌の面で壁にぶちあたっていたから、3年くらい前にお世話になったボーカルトレーナーの先生からアドバイスをいただいて、この曲の歌録りの時もディレクションをお願いしました。僕はずっと自分仕切りで歌を録ってきたから、それは初めてのことだったんですね。
──ボーカルトレーナーの方にはどのような話を?
keiya:「ここはもっと悲しい感じを出したいのに出せないんです」とか、「もっと響くように歌いたいけど響かないんです」みたいなことを正直に。そうしたら全部の悩みに対して、「そういう時はこうするといいよ」というアドバイスをしてくれた。それに、細かいところは別として、歌のテイク選びも基本的に先生にしてもらいました。僕が聴いていいと思う部分と、人が聴いていいと思う部分の違いを知りたかったから。それがすごく楽しかったし、この曲を録ったことで一つ殻が破れたというのがあって。そういう意味で「sakura.」は本当に印象の強い1曲です。
GAK:「sakura.」は5年くらい前に原形を僕が作ったんです。無料配布したバージョンはパワーコードが主体で、そこに上もののギターと、ちょっとシンセが鳴っているというアレンジだった。つまり、ちょっとギターロックに近いようなバラードだったんです。今回の完成したバージョンの設計図はずっと僕の頭の中にあったけど、当時はそれを形にできなかったんですよ。それが5年越しで伝えたいことを表現できたんじゃないかなと思っています。
風麻:無料配布した「sakura.」は、僕もベースでちょっと悲しいラインにいったりしていて、もっとウェットだったんです。それに歌詞は亡くなった僕の友人に向けているから、前のトラックを聴くと、すごく悲しい気持ちになったんです。新しいアレンジではGAKが軽い方向にしてくれて、ピアノが入ったり、コードが若干変わったり、物悲しいフレーズが全部なくなって軽くなりました。それをkeiyaがサラッと歌ってくれることで、美しい世界観に変わった。重苦しい記憶ではなくなって個人的に救われた気持ちになったというか、メンバー2人に感謝しています。
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