【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・シェルミィ、「世間に手の平かえさせてやる」

■目標はひとりでも多くの人に悲しまれて死ぬこと

――アルバム収録曲で、「平成メンヘラセオリー」以外のおすすめは？

爻：「大嫌いな貴方の為に」ですね。歌詞が自分に重なるところが多くて泣けるんです。特に「僕は仲間の先頭に立ち歌っています」という歌詞が好き。

豹：歌うことに対する挫折や、悔しさ、過去について歌った曲で、テーマは皮肉と愛と涙と正義。ここぞという大事なライブでしか披露しません。

凌央：アンコールとか本編ラストとか、ライブのいい場面でやりたいよね。

▲薫（Gt）

友我：僕は「心理的瑕疵少女」。僕が作った曲なんですが、Dメロまである中でテンポが何回も変わったり、シェルミィの楽曲の幅が広がったなという思い入れがあります。

凌央：最初に僕たちは大人が嫌いなバンドだと言いましたが、「悪い大人」という曲には僕らがイメージする大人たちがいっぱい出てきて、それに対する僕らの悩みなんかが赤裸々に描かれています。多分、共感してもらえるんじゃないかな？　Cメロのラップが一番お気に入り。

豹：「遭難」というバラードも聴いて欲しいです。自分の感情をあえて曖昧な歌詞に載せて現してみたら、いろんな解釈ができてすごく泣ける曲になりました。

薫：「平成メンヘラセオリー」と並んで表題曲扱いの「哀しい日はいつも雨」も外せない。これもシェルミィが始動した当初からあった曲で、思い入れがありますね。

――「平成メンヘラセオリー」と「哀しい日はいつも雨」の2曲はミュージックビデオも公開されていますね。

凌央：このタイミングでアルバムを出すことは一年前から決めていたんですが、この2曲はファンからも音源化の要望が強くて。僕らひねくれ者なのでそう言われると音源化したくなくなっちゃうんですよね（笑）。でもこのアルバムを出してきちんと作品にできたことで満足しています。

▲凌央（Ba）

――そしてこのアルバムを掲げて、＜千歌繚乱vol.13＞の翌日8月30日（水）にワンマンライブ＜新宿グランギニョル＞の開催が決定しています。

豹：もともと大阪を拠点に活動していたこともあって、これまでのワンマンライブは絶対に大阪のライブハウスを組み込んでいたんですが今回は初めて東京だけのワンマンライブなんです。ある意味、挑戦ですね。

薫：とはいえ、東京、大阪とか場所は特に意識していなくて。こつこつ一年間積み上げてきたものを発揮して“シェルミィはこんなバンドや、どうや”ってのを見せつける日にしたいです。

凌央：それに加え、今回のアルバムの締めくくりというか集大成を見せつけるライブなんで、みんなの記憶に残るライブをしたいですね。

――ワンマンライブでは「ナッティの憂鬱」という未発表音源が配布されるとか。

豹：これも始動してすぐくらいにできた曲で、ライブで盛り上がる定番曲なんですが、やっぱりひねくれて音源化してなかったんです（笑）。でもいいタイミングだし、ここで作品としてリリースしようかなと。

――ちなみに“ナッティ”とは？

豹：僕が好きな外国アニメのキャラクターです。結構シュールなアニメで、ナッティはすぐ死んじゃうけど次の回には生き返ってる。それくらい単純な命っていいなって思って、ナッティに憧れて作った曲です。

▲爻（Dr）

――単純な命に憧れる…メンヘラを自負している豹さんらしいかもしれませんね。ほかのみなさんは憧れってありますか？

友我：高層マンションの最上階。そこに住めるようになるくらい、バンドでのし上がりたいです！

薫：ドームとかアリーナとかでライブやれるようになりたいよな。

爻：あとはやっぱり武道館かな。武道館の上の“たまねぎ”に立ちたい！　

豹：憧れって言うか目標やん。目標って言われたら、俺はひとりでも多くの人に悲しまれて死ぬこと、やな。

友我：それ、人生のピークで死ななあかんやん！

凌央：ほんまや！　死ぬ前には言ってな。スーツとか実家に取りにいかなあかんし、どこに墓作るかとかもあるし。

爻：そろそろピークやな…って思ったら心構えしとくわ！できれば「そろそろかも」っていうて小出しに情報教えてな。

豹：「そろそろかも」が止まらんかったらええな（笑）。

――まだまだ死ねませんね！　そろそろインタビューの時間が終わりに近づいてきましたが、最後にアピールしたいことは？

友我：爻が童貞だってことをもう一度。

凌央：あと僕、コアラに似てるってよく言われるんです。

――言われてみたら確かに似てますけど、最後に何の告白ですか（笑）。豹さん、何か言い残したことはないですか？

豹：なんていうか…死にたいんですよね。

取材・文◎Yoko Hattori（BARKS)