【インタビュー】千歌繚乱出演バンド・シェルミィ、「世間に手の平かえさせてやる」

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8月29日(火)に渋谷REXにて開催されるBARKS主催ヴィジュアル系ライブイベント<千歌繚乱vol.13>では、出演するバンドへインタビューを行った。

第一回目のインタビューに登場するのは、自らを“負け犬見世物小屋バンド”と名乗り、「ぼくらの残酷激情」をコンセプトに活動しているシェルミィだ。本項では、7月26日(水)にリリースした1stフルアルバムの話を中心に、彼らについて紹介していこうと思う。

◆アーティスト写真・ミュージックビデオ

※本記事は<千歌繚乱vol.13>で来場者限定で配布される冊子「千歌繚乱 ARTIST BOOK」掲載のインタビューの一部を事前に公開するもの。「千歌繚乱 ARTIST BOOK」ではメンバーへの一問一答アンケートなど、より深い内容が掲載されている。

   ◆   ◆   ◆

■シェルミィは大人や社会が嫌いなバンド
■大人たちに“手のひらかえさせて”やりたい

――BARKS初登場なので、まずはメンバーさんのことを教えてもらいと思います。それぞれ今、右隣に座っているメンバーについてそれぞれ紹介してください。(席の並びは薫、豹、友我、凌央、爻)。

豹(Vo):隣…わぁ、俺、完全はずれくじ引いた!

爻(Dr):うわ、薫に紹介される豹くんつらいわー。

薫(G):なんでやねん、ちゃんと紹介したるで。豹くんは、日常の中でみんなが言いたいけど言えないと思っていることを歌にしてくれる素敵なボーカリストです。


▲豹(Vo)

――はずれくじ、と言われていた割にきちんと紹介できているような…。

爻(Dr):普段なら薫は意味不明な受け答えするんですよ。食レポで言うと、ステーキが出てきたのに付け合せの野菜をレポしちゃうような。

豹:じゃあ次は俺が紹介する番やな。上手ギターの友我くんは…顔がいいです。

一同:豹くんのほうが紹介下手やん(笑)!

友我(G):凌央くんは…存在感のあるベーシスト。ステージ上の彼を見てもらったら、そのすごさがわかります。

凌央(B):メンバーからの評価って、普段聞かへんから照れるもんやなぁ。ドラムの爻はドレッドヘアが特徴で、童貞でバイセクシャルです。

爻:俺のことは褒めてくれんのかい(笑)。えー、最後になりますが下手ギターの薫は最初に言ったように天然というかちょっと変わった子なんですが、ライブで独特の動きをする個性的なギタリストです。

――仲が良さそうなのが伝わってきました。バンドの紹介もお願いします。

豹:一言で言うと、大人や社会、世間といったものが大嫌いなバンドです。僕自身がいわゆる“メンヘラ”なんで、ちょっと心を病んでいる人たちに届くような音楽をやっています。

凌央:サウンド的には、メンバーみんなヴィジュアル系が好きなので、根底にV-ROCKがあります。

――自分たちにしかない魅力は?

豹:飾らないところですかね。歌詞にしても思っていないことは言いたくないし。楽曲も流行とかに捉われず、自分たちが今かっこいいと思うものを作ると言うか。

――7月26日(水)にリリースした1stフルアルバム『ぼくらの残酷激情』も、全体を通して毒を吐いている歌詞が多いな、という印象でした。

豹:思ったことを正直に書いていますからね。

――このアルバムはどんな作品になっていますか?

友我:シェルミィの、集大成と言える作品です。僕らのすべてが詰まっています。

豹:このアルバムにはシェルミィとして上を目指す、決意表明という意味も込められています。ちなみにCDのジャケットも、ブックレットも俺がデザインしてるんで、そういったところも含めて一つの作品として見て欲しいです。


――表題曲の「平成メンヘラセオリー」、これはタイトルの通り“メンヘラ”感満載ですね。歌詞にも「死にたい」という言葉やリストカットなどが思い浮かぶフレーズがあったり…。

凌央:実はこの曲はシェルミィとして活動を開始した当初からある、僕らの代表曲なんです。

豹:今回アルバムに入れるにあたって再録したんですが、原曲は今より後ろ向きの歌詞だったんです。でもこのアルバムを引っ提げてもっと上を目指したいと言う意識があったんで、歌詞を少し変えました。新しい歌詞は、後ろ向きながらも夢を見ている…そんなバランスを心がけました。

――中盤にある「“シェルミィ”ってバンド知ってる? 世間に手の平かえさせてやるよ」という台詞部分に強い意志が現れている気がします。

豹:その部分はもともと「世間に手のひらかえさせてやるよ」のところが「ドマイナーバンドに興味はない」という歌詞で、自らを“ドマイナーバンド=知名度のないバンド”と言う自虐ネタだったんです。でもバンドが始動して一年たち、このアルバムを持って今より上を目指そうと思ったときに、“知名度のないバンド”だった俺たちが大人たちに“手のひらかえさせて”やりたいって思って。やっぱりこの部分も決意表明なんですよ。


▲友我(Gt)

――なるほど。サウンド面でのこだわりは?

爻:豹くんが書いた思いを伝えたくて、ちゃんと歌詞を伝えるためにドラムはあまり派手なことはしていないんですよね。ドラムプレイというよりは、どちらかというと聴かせたいところは静かに、のせるところは激しく、という強弱にこだわりました。

凌央:ベースも難しいことはやっていなくて。シェルミィの他の楽曲と比べたら、高校生バンドが演奏していると思うくらいめっちゃシンプルです。でもそれは始動当初に技術がなかったというわけじゃなくて、あえてのシンプル。決意表明の曲なので、初期衝動を表現しています。

友我:そう、初期衝動だよね。ギターも勢いっていうか感情のままに弾けるフレーズなんで、かき鳴らしているだけって感じ。

薫:僕もどこのフレーズがどう、とかじゃなくて、全体を通してひとつの物語になるようなイメージでギターを弾いています。

――お客さんはライブでどうやって楽しんでるんですか?

凌央:シェルミィポーズってのがあるんですが、そのポーズをAメロでみんなでやります。

豹:曲が始まる前に「この命、シェルミィのものだと誓え!」と決め台詞を叫ぶのもみどころ。今のアーティスト写真もひとつの国家を作ってるイメージなんですが、この台詞でシェルミィという国家に対してファンの忠誠心を誓わせている感じです。

◆インタビュー(2)へ

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