【速レポ】＜SATANIC CARNIVAL＞Crossfaith、「誰が一番、悪魔か教えてやる」

SEが流れると同時に8スタックのマーシャル・アンプが派手に光る。その光を受けてシルエット状に浮かび上がったメンバーが、一人ずつ登場。そのたびに湧き上がる大歓声。すでにサウンド・チェックのときから大勢のファンを興奮させていたその主はCrossfaith。日本国内ばかりでなく海外でもその名を知られるバンドだ。

◆Crossfaith画像

最後に現われたKoieはバンドのフラッグを振り回しながら叫んだ。

「ぶっ壊れる準備できてるか、オマエら！」──Koie

その言葉を合図に放たれた音は殺戮サウンド。海外で経験を積むたびに吸収もしているだけあって、エネルギーもアグレッションもタダモノじゃない。そしてまたダイナミックな動きを伴った激しいライヴ・パフォームは、完全に平常心を逸脱している。なんと今日の彼らは、＜SATANIC CARNIVAL＞ということで悪魔モードのようだ。





「サタニック、俺達がなにしに来たか分かるか。オマエら全員、ぶっ壊しに来ました。誰が一番、悪魔か教えてやる！　地獄を見せてくれよ、幕張!!」

そう叫びながら次々に叩きつけるのは、覚醒のメロディとサウンド。それに煽られオーディエンスは血の気が荒くなっていくばかり。モッシュもサークルピットも、そしてクラウドサーフも起こっている。客席センターに通路を設けてなければ、ウォール・オブ・デスも起こりそうなぐらい。曲が「Wildfire」になったときだった。ステージに迷彩ジャケット姿で暴れ出てきた男が一人。なんと、この後にライヴを控えているRIZEのJESSEが飛び入り。ラップ・ヴォーカルを矢継ぎ早に曲に入れながら、会場の熱気をグイグイ上昇させるばかり。Koieは迫力のストロング・ヴォーカルを轟かせる。さらにはCrossfaithのフラッグも振り回すJESSEと、タオルを回して煽るKoieやTeru。まさに狂乱のステージ。


そしてライヴ後半、Koieは真摯に語りかけた。

「俺達がバンドを始めたころは、パンクロック・バンドやヘヴィなバンドだけをこんなにたくさん一堂に集結させるのは、夢のまた夢やったような気がします。こうやって日本でプレイするたびに、日本のファンに対する愛と日本のバンドに対する愛がどんどん増していきます」

そのCrossfaithも今年で結成から10年目。10周年記念ワンマン・ツアーも、つい数日前に決定。それを伝えると祝福の大歓声がフロアから巻き起こった。それをしっかりと受け止めるCrossfaith。

「ここにいるオマエらは、ロック・バンドが好きで、うるさい音楽が好きで、最高の人間が集まっている。オマエ達の助けが必要です、行けますか！」

Koieのカウントダウンの声と共に、オーディエンスが一気にジャンプ。こうしてラスト・ナンバー「Leviathan」へ突入。Hiroが腕を回すように動かすと、オーディエンスの動きは高速サークル・ピットへ豹変。興奮と快楽しかないCrossfaithの地獄が、ここに形になっていた。


取材・文◎長谷川幸信
撮影◎Jon...