【インタビュー】MR.BIG エリック・マーティン「君たちと同じくらい音楽の力を信じているよ。9月に日本で会おう!」
■僕は日本のファンたちと同じくらい努力家で平和を愛してる
■そして音楽の力を信じているよ! 9月に会おう!
──『DEFYING GRAVITY』には、1、3、4、9、10曲目など、ロックの原点に戻ったような曲が多いですね。とても楽しく表現しているように感じます。こういう音楽性は意識してのことですか?
エリック:いや、プランと呼べるものは何もなかったんだ。頭を使って意識したと言うより、どちらかというと、パズルみたいな感じ。みんなでいじっているうちに、奇跡的にすべてのピースが揃った。
──エリックのヴォーカルは、昔と変わらない新鮮さと迫力を感じます。特別なエキササイズがあるのでしょうか?
エリック:嬉しいなあ、そう言ってもらえて。ありがとう。今は、特にツアー中は、昔みたいに酒は飲まない。そういう音楽ライフって身体を蝕むからね。昔は、ショー前にウォーミングアップをしたり、エキササイズをしたり、ヘルシーな物を食べたり、規律を守っていた時期があった。でもその後、かなり乱れた時期もあって……今は、昔に戻っているよ。それもあって、これまでで一番ハッピーでパワフルなのかもしれない。
──「Nothin' Bad」のヴォーカルは素晴らしい。聴く側としてもとてもエキサイトします。「Green-Tinted Sixties Mind」や「To Be With You」をしのぐ名曲になりそうな気がします。この曲に込めた思いを教えてください。
エリック:これはポールの曲だけど、'60年代っぽいグルーヴが凄くいいよね。僕もその時代が大好きだから、これは歌っていて楽しかったなあ。ヴァースは可愛いビートルズって感じだけど、サビの部分はGodspellというアメリカのロック・ミュージカルを彷彿させる。とてもクールで、かなりクセがあって…。
──「Mean To Me」のビリーとポールの演奏は心が震えます。エリックはどう思いますか?
エリック:ほんと、カッコいいよねえ。二人は、エレクトリックな決闘の戦士たちだ。特にあのパートは、2時間くらい掛けて完璧を目指していたよ。
──「1992」。この年はバンド初期の絶頂期ですね。この曲に込めた思いを教えてください。
エリック:いかにもポール・ギルバートって感じでしょ? キャッチーで、どこかちょっとおばかで。でもさ、きっと僕が「To Be With You」というシンプルな曲を持ってきた時も、同じようなこと言われたんだろうね(笑)。「1992」は、まあ、一種のうちわウケだね。ここに出てくるレコード会社とはアメリカのレーベルのことで、彼らは、「To Be With You」がナンバー1になったあと、アルバムを出すごとに僕らの契約を切ろうとした。いかにアメリカでのサバイバルが大変だったかって話だよ。でも実際は、アメリカのファンも、その他たくさんの国のファンもがあの曲を愛し、結果『LEAN INTO IT』というアルバムを買ってくれた。僕は純粋に嬉しかったし感動したんだ。ファン層は世界中におよんでいた。なのに、レコード会社とは苦難の連続だった。それがミュージック・ビジネスというもの。でもね、僕は今でも夢を生きているよ!
──「Be Kind」はバンドの新しい代表曲になる気がします。ポップでスパイスが効いている。この曲について教えてください。最後のフリージャムっぽいところもとても面白い。このアイデアは?
エリック:これもポールの曲だけど、一種のプロテストソングだね。連日ニュースでは争い事や人間同士の憎しみが伝えられる。いや、ニュースの中だけじゃない。そのあたりの街角にも憎しみがはびこる。そんな状況に嫌気がさしたポールが、変化を求めて書いたんだ。曲調はドゥワップ、R&B、ロック。ポールって一風変わったソングライターだけど、この曲はとても愛しく思う。みんな仲良くしよう、優しくなろうって言っているのだからね。それってそんなに難しいこと? 最後のジャム・セッションは、レコーディングの息抜きにみんなでジャムっている時にビリーが思いついた。アルバムの締めとしてはめっちゃカッコいいよね。Jam on!
──パットの体調はいかがでしょうか?
エリック:元気にがんばってるよ! パットは、今も昔も、僕らの精神的支え、ガイド、カウンセラーだ。今回は、アルバム全体ですべてのパーカッションを請け負っていて、もちろんバックグラウンド・ヴォーカルも。あと、ツアー・ドラマーであるマット・スターのコーチとしても活躍した。実は、僕はパットを念頭に置いて2曲ほど書いていたんだ。でも、残念ながらフルに演奏するだけの自信はなかった。とは言え「Everybody Needs A Little Trouble」では叩いているよ。
──日本のファンは来日公演を待ち焦がれています。意気込みを聞かせてください。
エリック:定番曲はもちろん、新曲もいくつかやるし、MR.BIGと言えば、な、楽器交換ソングもやるからね! 覚えているよね? 以前チープ・トリックの「Ain't That A Shame」とか、ディープ・パープルの「Woman From Tokyo」とか、デヴィッド・ボウイの「Suffragette City」、ローリング・ストーンズの「Brown Sugar」などで、僕がドラムを叩いたり、ビリーがサックスを吹いたり、ポールがミック・ジャガーになりきって登場したの。今回もきっちり楽しめるよういろいろ考えているから、9月までもう少し待っててね!
──では最後に、日本の熱狂的なファンにメッセージをください。
エリック:コンニチハ! 今このインタヴューを読んでいる僕の大切な友達! 僕は君と同じくらい努力家で、君と同じくらい平和を愛し、君と同じくらい音楽の力を信じているよ! 最後まで読んでくれてありがとう。9月に会おう!
取材・文●編集部・森本智
ライブ・イベント情報
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一般発売:後日発表
問い合わせ:道新プレイガイド 011-241-3871
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9/22(金) 本多の森ホール
一般発売:後日発表
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9/25(月) ZEPP NAGOYA
一般発売:後日発表
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9/26(火) 日本武道館
一般発売:6/24(土)
問い合わせ:ウドー音楽事務所 03-3402-5999 udo.jp
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9/29(金) 仙台サンプラザホール
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10/2(月) フェスティバルホール
一般発売:6/24(土)
問い合わせ:大阪ウドー音楽事務所 06-6341-4506 udo.jp/osaka
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10/3(火) 福岡市民会館
一般発売:6/24(土)
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10/5(木) BLUE LIVE 広島
一般発売:7/15(土)
問い合わせ:YUMEBANCHI 夢番地(広島)082-249-3571
リリース情報
DXエディション
CD+DVD IEZP-119 ¥4,000+税
通常盤
CD IECP-10344 ¥2,500+税
1. Open Your Eyes / オープン・ユア・アイズ
2. Defying Gravity / ディファイング・グラヴィティ
3. Everybody Needs A Little Trouble / エヴリバディ・ニーズ・ア・リトル・トラブル
4. Damn I'm In Love Again / ダム・アイム・イン・ラヴ・アゲイン
5. Mean To Me / ミーン・トゥ・ミー
6. Nothin' Bad ('Bout Feelin' Good) / ナッシン・バッド
7. Forever And Back / フォーエヴァー・アンド・バック
8. She's All Coming Back To Me Now / シーズ・オール・カミング・バック・トゥ・ミー・ナウ
9. 1992 / 1992~MR. BIG物語
10. Nothing At All / ナッシング・アット・オール
11. Be Kind / ビー・カインド
12. Defying Gravity(radio edit) / ディファイング・グラヴィティ(ラジオ・エディット)
DVD 収録内容(IEZP-119 のみ)
ディファイング・グラヴィティPV+メイキング映像
エヴリバディ・ニーズ・ア・リトル・トラブル PV+メイキング映像
メンバーによる全曲楽曲解説 他
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