【音踊人 46】原点回帰してきました「高橋優」(キキ)

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自分の居場所を探しながら、心が時の流れに追いつかない日々。大好きな音楽も耳に出来ない現実。Liveへ行っても心の底から楽しめず、苦しくなってしまう。そんな今、自分の心にそっと寄り添ったのが“高橋優”だった。

私の原点回帰が始まる。

心粉砕をした翌日、高橋優のホールツアーに行き、生まれて初めて終始ずーっと泣いていた。まさか「太陽と花」で泣くなんて…。孤独の中、居場所を探す自分の心に刺さった。



この丸6年、高橋優が作り唄う歌たちが大好きで聴いてきた。だけど自分は、色んな音楽が好きで、色々と聴いている。それはこの11年もの間、FESで出会った音たちに魅力を感じ、ジャンルを問わず聴いてきたから…。特に生音を求めてLiveに行っては音で吸収し、CDを買い漁り聴きまくる。その繰り返しの結果、心を定めず、あの歌この歌と聴くことになり、正直、心に寄り添う歌は埋もれていた。それなのに、こんな自分に、久々のホールツアーでは全てが優しくて、心に寄り添う優songは、砕けた心を集めてくれた。

そして久々の遠征で、横浜アリーナへ行った。自分の心の置き場は違ったけれど、ホールであろうがアリーナであろうが、何ひとつ感じ方に違いはなかった。全てが優しくて、その優しさに涙が出るよりも、自然と笑顔になった。高橋優を初めて、FESで観た時の自分がそこには居た。初の全国ツアーに行けなかったけど、自分が毎年行くFESに“まさか”高橋優が来るなんて…。私だけが興奮、高橋優って誰?って聞き返された時代。真夏日の夕方、時より吹く風が心地良く、全部が嬉しくて嬉しくて、笑顔で高橋優を観ていたあの日を思い出した。今思うと、あの日が私の色んな原点だったと実感する。



心地いい時間が流れる横浜アリーナ。「花のように」が流れた瞬間、号泣した。全力で励まされてる気がした。一番心に寄り添ってくれる「BEAUTIFUL」…ため息が出た。優しく寄り添われたから、この日もやっぱり号泣した。こんなにあったかい時間を過ごせるなんて…。本当に来て良かった…全てに感謝できた。そこから初めて生で聴く「ロードムービー」は、私の孤独にまたそっと寄り添い直した。<繋がっているよ>一人じゃないと言ってくれた。大丈夫、もう1人きりじゃない…心が熱くなった。そして最後に響いた「リーマンズロック」。

“大した事ないさ 何もかも順風満帆だ
これくらいがどうしたと大きく生きていけ
さあ胸を張れ 生きていけ”

本当だ…私の人生、全て順風満帆じゃん! 願った通りの人生! 大丈夫! これ順風満帆! 背中を思いっきり押された。もがき苦しむ現実が感謝に変わった瞬間、全部が原点に戻った気がした。あの日あの時に聴いた歌たちは、心を過去に戻す。だけどそこから新しい未来をも感じる。



今、音楽を気持ち良く聴けない現実に、戸惑い、時には胸の痛みも感じている。「音は楽しい!」と音楽を心の底から楽しめるその日まで、焦らず、“今”と向き合いながら一歩づつ進もうと思う。そして、こんな時に聴ける高橋優の歌たちは、私のお守りだ。

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