【連載】Vol.012「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
メンフィス・ソウル・ミュージック界を築き上げた伝説のオルガン奏者、ブッカー・T.ジョーンズの日本公演は見逃せない。御大に来日直前インタビュー!
▲Photo by PIPER FERGUSON
急遽日本公演が決まったブッカー・T.ジョーンズ。50年以上前から「Green Onions」を聴いていた一人としてはあのファンキーでグルーヴ感あふれる素晴らしいオルガン・プレイをまたまた味わえるなんて、今からワクワクだ。ラジオのマイDJ番組、MCしたイベントのオープニング・チューンで「Green Onions」には何度も何度もお世話になった。そうだ!1980年代にはアルバムのライナーノーツも書かせていただいた。
▲Photo by Tsuneo Koga
ブッカー・T.ジョーンズBlue Note TOKYO公演、もうすぐだ。どんな演奏を披露してくれるのか…。その前に来日直前のインタビューをお届けする。!Now, here we go!!
Q : 幼い頃から様々な楽器に親しんでいらっしゃった…(註:1944年生まれ)。
A :ショパンなどのクラシック音楽をよく弾いていた母の影響で幼少の頃からピアノを弾き始めた。同時期にドラムとウクレレも買ってもらった。ウクレレは後年ギターを演奏するきっかけにもなったよ。9歳の時に今度は父がクラリネットを買ってくれて、それがリード楽器へ興味を持ち習う切っ掛けとなったんだ。そして11歳の時にブルースやジャズを聴きながら、ゴスペルやクラシック音楽も演奏していたんだ。
Q : 16歳の時、スタックス・レコードの前身サテライト・レコードでカーラ&ルーファス・トーマスの「Cause I Love You」でバリトン・サックスを演奏。
A : バンド指揮者のドライバーをしていた友人のデヴィッド・ポーター(註:1960年代以降多くのソウルの名曲を残しているソングライター。今年6月公開の映画『約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー』にも出演。一昨年夏にメンフィスを訪れた際に電話だったけどセイ・ハロー、とても元気だった)が、トーマス父娘のレコーディングでサックスが必要ということで、突然高校にやってきて授業中にも関わらず僕をサテライトに連れてったんだ。
Q : 1962年、スティーヴ・クロッパーたちとブッカー・T. & ザ・MG’sを結成。「Green Onions」が大ヒット、ビルボード誌R&Bチャートで1位。当時この楽曲は日本盤シングルとしてもリリースされた(日本ビクター/JET-1172)。当時の表記はブーカー・ティーとジ・エムジーズ)
▲Photo by Tsuneo Koga
▲from Mike’s Collection
▲from Mike’s Collection
A : ブッカー T. & ザ・ MG’sを結成するきっかけは偶然の出来事。あるレコーディングのバックバンド要員として僕らは集められたんだけど、結局そのレコーディング自体はキャンセル。でも僕らはスタックスのハウス・バンドとして独立。ブッカー T. & ザ・ MG’s名義のレコーディングもしたんだ。スタックスでのあの日々は日常の中で自分の好きな事が出来るという幸せを感じていた。スタックスで演奏している時間がとても好きだったよ。
▲映画『約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー』より:提供CURIOUSCOPE
Q : 各アーティストの想い出を…。
A : ハイ。
*オーティス・レディング
▲Photo by Mike
オーティスは「音のエナジー」定義そのものだった。僕らはみんな彼のビブラートの効いた歌に夢中だった。オーティスは我々にベストを尽くす事を教えてくれた。
*ウィリー・ミッチェル
▲写真(ウィリー・ミッチェルとアル・グリーン):提供ローレンス・ブー・ミッチェル
ウィリーは僕の最初の恩人。彼のバンドの中でベースとバリトン・サックスを演奏する機会を与えてくれた…生のステージで、しかもリハーサルなしで。また僕の友人、アル・グリーンのギターだったメイボン・ホッジスにも同じような機会を与えてくれたんだよ。ウィリーのサポートなしでは僕たちプロの世界へ入れなかった。
*アイザック・ヘイズ
アイザックは創造の源だった。彼は僕たちメンフィス・ミュージシャンから何かをいつも学んでいた。彼のエキサイトしたパフォーマンスはみんなに伝染していったんだ。
*アル・ジャクソン
アル・ジャクソンはスタックスの中でも捉え所がない人物だった。スタックスに対してとても忠実だったんだけど、よくハイ・スタジオ(註:ロイヤル・スタジオ)へウィリー・ミッチェルやアル・グリーンと演奏しに抜け出していた。でも彼はいつもミュージシャンとして、友人として必要だった。彼は初期の僕の恩師の一人だ。
*ドナルド・ダック・ダン
ダックの安定したリズムはのちにメンフィスをはじめ世界中のベース・プレイヤーの目標となり、そして基礎となったんだね。
*アルバート・キング
アルバートは純粋で、とっても優しい人だった。でも彼のプレイは痺れるね!
Q :映画『約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー』にご出演。
▲映画『約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー』より:提供CURIOUSCOPE
A : 『約束の地、メンフィス~テイク・ミー・トゥ・ザ・リバー』は素晴らしい作品だよ。撮影された場所は僕が育ったメンフィス。懐かしい気持ちいっぱいの中で、古き良き想い出を蘇らせてくれた。
Q : ニュー・レコーディング・アルバムのご予定は!?
A : 最新作は息子もギター&ヴォーカルでゲスト参加するよ!そして自伝『Time Is Tight』の執筆に取り掛かっているよ。
Q : 日本のファンへのメッセージ、そして日本公演への抱負を最後にお願いします!!!
▲Photo by Tsuneo Koga
A : 今回の日本公演はとっても楽しいものになるよ!!!ブルースなど、僕がミュージシャンになる上で影響を受けた音楽を含めたステージになるはず。それにビル・ウィザースの為に僕が作曲した、またはセッションで参加した楽曲も演奏予定。もちろんブッカー・T.&ザ・MG’s の「Green Onions」「Time Is Tight」といったヒット曲を演奏するのも楽しみだよ。息子のテッドがギター、メンフィス出身のダリアン・グレイがドラムス、そして素晴らしいベーシストのメルヴィン・ブラノン。彼らと一緒に演奏するのが本当に楽しいんだ。
▲Photo by Tsuneo Koga
▲Photo by Tsuneo Koga
長い間ずっと応援してくれている日本のファンの皆さんへ感謝。その応援が僕を長年、支えてくれている。また道端やインターネット上など、世界中の至る所で日本の方の寛容なおもてなしに感謝しています。Thank You, So Much. Domo Arigato!
▲Photo by Tsuneo Koga
☆☆☆☆☆
*ブッカー・T.ジョーンズ Blue Note TOKYO公演
2017年4月10日、12日、13日
ファースト・ステージ17時30分開場 18時30分開演
セカンド・ステージ20時20分開場 21時開演
http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/booker-t/
◆「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」まとめページ
この記事の関連情報
【連載】Vol.141「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.140「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.139「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.138「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.137「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.136「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.135「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.134「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【連載】Vol.133「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」