【連載】Vol.140「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」
【ジャパニーズ・ポップ・ミュージック・シーンの革命児 漣健児】
本格的な読書の秋の到来、ということで今号は新刊書、オールド・ヴァージョン取り混ぜて何冊か取り上げてみよう。先ずは新刊から………。
◆新しい音楽 漣健児とカヴァー・ポップス
提供: シンコーミュージック・エンタテイメント
1960年代初頭からポップ・ミュージックに親しんでいた僕にとって漣健児はおなじみの存在だ。そう洋楽楽曲の日本語の歌詞を彼が担当していた。でも僕は彼を訳詞家というよりソングライターだと今でも思っている。4歳からヴァイオリンを習い始め、10歳頃かテレビの“ビーバーちゃん“”うちのママは世界一”“ローハイド“”ララミー牧場”“ライフルマン”etcといったアメリカ文化に触れそして憧れ、東京在住だったので当時ラジオでNHK第二とTBSの間の“810 on your dial ”FEN を小学生高学年頃から内容も分らないままもすごく心地良いサウンドに夢中になり親しむようになる。そんなアメリカのヒット・チューンを日本の若いポップ・シンガー/グループが日本語歌詞で歌うシーンがTV音楽番組に登場するようになってきた。僕が最初に購入したレコードはシングル「上を向いて歩こう/坂本九」だった。九ちゃんにはファンレターも書いた(もちろん返事は来なかった)笑。彼がダニー飯田とパラダイス・キングのメンバーとしてまず活動したが。シングル「ステキなタイミング」は小学校でよく歌ったもんだった。これが漣のファースト作品だったということは後年知った。以来彼は数多くの作品を手掛けた。
『新しい音楽 漣健児とカヴァー・ポップス』(シンコーミュージック・エンタテイメント)はそんな彼の足跡を纏め上げた音楽ファンの必読書。とにかく彼の詞はローティーンだった僕らのハートをとらえた。パラキンや九ちゃんはじめ大好きだった弘田三枝子、業界の先輩としてお世話になった飯田久彦…………多くのアーティストが漣詞を歌っていた。本書巻末には“漣健児 作品リスト”が掲載されているがその数は数百に及ぶ。そういえば1960年代に海外アーティストによる日本語ヴァージョンのオサラがリリースされていた。コニー・フランシスからナット・キング・コールまで漣健児は大活躍した。ポールとポーラ、リトル・ペギー・マーチもとっても素敵だった。
本書には“漣健児ロング・インタビュー”。”漣健児×大瀧詠一”対談。弘田三枝子と草野浩二のインタビュー。“私の好きな漣健児“には山下達郎、大瀧詠一、糸井重里、近田春夫が登場する。そして音楽業界の重鎮の皆さんによる漣健児へのメッセージにも熱いものを感じる。
まさにジャパニーズ・ポップ・ミュージックに革命を起こした偉大なる人物が漣健児だと実感した。
◆革新の天才ドラマー リンゴ・スター研究
提供: シンコーミュージック・エンタテイメント
ビートルズのリンゴ・スターについてもっともっと注目されるべきだということを多くのビートルマニアから聞く。僕の大好きな「I Wanna Be Your Man 」をシャウトしている姿がとっても印象的で彼の音楽に対する気持ちはいつも気になっていた。そんなリンゴの音楽の世界を様々な角度から鋭く研究したのが『革新の天才ドラマー リンゴ・スター研究』(シンコーミュージック・エンタテイメント)だ。特にビートルズ全曲ドラム徹底研究はファンの度肝を抜く。また屋敷豪太ら敏腕ドラマーらが語るリンゴの魅力も興味深い。ビートルマニアは勿論、ロック・ドラムを楽しんでいるアマチュアからプロを目指している若者らにとって素晴らしい教科書にもなる。
そういえばリンゴのアルバム『Time Takes Time』(1992)が日本で発売時にBMGビクターからプロモーション・ディスクだけど「Don’t Be Cruel : Ringo Starr/Elvis Presley」(PDTD-1051)が登場していた。
from Mike’s Collection
◆タッチ・ミー Please /松本伊代
ftom Mike’s Library
僕は1970年代初頭フジテレビ関東ローカルだったけど毎週日曜夕方放送“リブヤング!”に出演していた。司会が愛川欽也さん、柴俊夫さん、ビーバー、今野雄二さん、そして僕がレギュラーだった。新着ビデオクリップや話題の音楽映画などを中心に僕は音楽コーナーを担当していた。またゲストとしてアリス・クーパー、スリー・ドッグ・ナイト、ディープ・パープル、ショッキング・ブルーetcが生出演してくれたりもした(初期の頃は山口いづみさんがマイコーナーをアシスト)。
前列左からビーバー 欣也さん 柴ちゃん 後列左から筆者 今野さん
スリー・ドッグ・ナイトへのインタビュー
当時柴ちゃんとビーバーが所属していたのがボンド企画で代表の高杉敬治さんにはその時大変お世話になり現在までもお付き合いは続いている。高杉さんは松崎しげる、岡田奈々、大場久美子、杏里、本田美奈子……多くのアーティストを育て上げたが、その一人が松本伊代だった。デビュー前から伊代にはよく会い何度もインタビューした。彼女の最初の二枚のシングル「センチメンタル・ジャーニー」(1981・10)「ラブ・ミー・テンダー」(1982・2)の作詞は湯川れい子先生である。僕はI.Y.C.クラブ・イベント@浜松、警視庁主催の交通安全週間イベント(ゲストが一日築地署長の伊代)@日比谷野外音楽堂の司会も務めた。そしてロサンゼルスでの撮影取材にも同行。
そしてフォト・エッセイ『タッチ・ミーPlease』(1984)だ。この書籍は実をいうと彼女に数時間インタビューし僕が纏め上げたもの。タイトルもソフィストケイトされていて良いでしょう………。“あとがきにかえて”では本人直筆で400字詰め原稿用紙四枚に記して貰った。
インタビューして一冊完成させるこのような仕事をゴーストライターと評されたりするけど、最近ではこうしたことをあまり隠そうとはしない。海外でも表紙に“著者:MJ with ○○”とはっきりクレジットするケースも多いようだ。因みに『タッチ・ミー Please 』奥付には僕の名は全く記されていない。
『タッチ・ミーPlease』発売直後“オールナイトフジ”でとんねるずが伊代に「この本はどんな内容ですか」と質問するとテンネンクン伊代は「まだ読んでないのでよく分かりません」と答えた。このエピソードは後々まで語り継がれた。余談……ビッグ・ブレイクする前のとんねるずとはイベントで沢山仕事した。
伊代のFC会報他、以下のものもお手伝いさせて貰った。
『アイドル百科1 松本伊代』
『I.Y.O. PHOTOGRAPHY 《TWO》FIRST CONCERT』
湯川れい子先生の“生誕80年・作詞家50年・音楽評論家55年”パーティー会場で久々に再会……
◆硝子の殺人者 東京ベイエリア分署 著・今野敏
from Mike‘s Library
安積警部補のTVハンチョウの原作『硝子の殺人者』は1991年登場。久しぶりに文庫で読んだ。というのも本書を僕はRSコーナーに並べていたからだ。前半でいかにも今野が元東芝EMI勤務らしく、放送局へのプロモスタイルが登場しそこでビートルズやローリング・ストーンズについて述べられているのだ。それにリズム・アンド・ブルースまで!彼の作品には「隠密捜査」などサスペンス感溢れた快作が多いが、ハンチョウが1960年代中盤にB4やRSを楽しんでいたという、いつもとはちょっと違う音楽フィーリングが漂っていて一瞬ニヤッとしてしまう。早く今野敏インタビューしたい………。
【ライヴinfo】
◆ Diamond Shake アルバム・リリース・ライヴ〈LOVE IS R&R〉
for Mike’s Collection
1980年代ビッグ・エクスプロージョンしたRED WARRIORS。木暮shake武彦とダイアモンド⭐︎ユカイが再びタッグを組みニュー・レコーディング・アルバムを完成した。『LOVE IS R&R 』。一足先に聴かせて貰ったけど、ロックンロールで育った二人があの時代を彷彿させるダイナミックでエネルギッシュなサウンドを見事にクリエイトしている。そんな新作をフィーチャーしてのライヴ、楽しみだ!
*2022年10月10日 LIQUIDROOM(恵比寿リキッドルーム)
開場16:00 開演17:00
https://sites.google.com/view/diamondshake/schedule
◆松本伊代 40th Anniversary Live “トレジャー・ヴォイス”
デビュー40周年となった松本伊代がBillboard初登場。記念作『トレジャー・ヴォイス』には「センチメンタル・ジャーニー」「ラブ・ミー・テンダー」の“40th Anniversary 2021 Version”が収録されていたけど、ライヴではどんなタッチで聴かせてくれるのか……。そしてライヴならではの新作にも期待した。
*2022年10月10日 Billboard Live OSAKA
ファースト・ステージ 開場15:00 開演16:00
セカンド・ステージ 開場18:00 開演19:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13585&shop=2
*2022年10月21日 Billboard Live YOKOHAMA
ファースト・ステージ 開場17:00 開演18:00
セカンド・ステージ 開場20:00 開演21:00
http://www.billboard-live.com/pg/shop/show/index.php?mode=detail1&event=13586&shop=4
☆☆☆☆
◆湯川れい子 洋楽裏話 千夜十夜 with Mike Koshitani “第五夜“ エルヴィス・プレスリー!
音楽ファン永遠のアイドル&スーパースター、20世紀最高の偉大なるアーティスト、エルヴィス・プレスリー!この夏、映画『エルヴィス』大ヒット。そして2022年はザ・キング没後45年……、特別な年でもあります。
第五夜では前回に続きザ・キングの魅力、素晴らしさを徹底して語り尽くします。我が国エルヴィス伝承者最高峰、湯川れい子が徹底熱弁。乞うご期待です。
ゲストはエルヴィスのライナーなどでお馴染み音楽評論家、萩原健太さん。マニアックでディープなエルヴィス解剖学を期待しましょう。ナビゲーターはMike Koshitani。生まれて初めて体験した海外コンサートは1972年11月ハワイでのエルヴィス ・オン・ステージ。れい子先生監修の『ワークス・エルヴィス』著者……。この3人によるエルヴィス ・トーク・セッション、どんな展開になるか!?アルコールのいける人はお好きなお酒を手に。飲めない人はソフトドリンクで。お食事もありますヨ。そうそう「今のうちに聞いておかないと、損するよ!!」とれい子さんが言っていま~す。もちろん今回もプレゼント・タイムが待ってます!
◆ゲスト :萩原健太
◆ナビゲーター:湯川れい子 Mike Koshitani
◆日時:2022年10月9日 日曜日
OPEN 12:30 / START 13:00
◆入場料:予約¥3000(+お飲み物¥600 アルコールもご用意してあります)
▲お食事もございます
◆予約サイト
https://www.loft-prj.co.jp/schedule/loft9/223702
◆お問い合わせ:LOFT9 Shibuya
TEL:03-5784-1239(12:00~22:00)
◆「Mike's Boogie Station=音楽にいつも感謝!=」まとめページ
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