【ライブレポート】the GazettE、咲き誇る“大日本異端芸者”の夜。「まだまだ未来に夢を見続けています」

「まずは15年、お前達と時間を共有できたことに感謝。長かった。このライヴを発表してから今日までも長かったし。そしてめっちゃ緊張してた。最初はヴィジュアル系を漢字で表現したらどうなるかなと思って大日本異端芸者と掲げていました。今も変わらず大日本異端芸者は胸に刻んでいるし、ヴィジュアル系であることも変わらないし、ヴィジュアル系に誇りを持ってやっていきます。15年で不安になったり壁にぶつかったり楽しいことが何かわからなくなったこともあったけど、ここまでやってこれたのは、俺たちのやってることが間違ってないとついてきてくれたみんながいたからだと思ってます。本当にありがとうね。 そして、俺たちは、まだまだthe GazettEの未来に夢を見続けています。俺たちは何年経っても、まだまだ見たことのない景色を目指して、最高の音楽とライヴを作っていくことを約束するから！　絶対に俺たちはオマエたちを離したりしねぇから！　安心して俺らについて来いよ！」──RUKI

RUKIはダブルアンコールのMCで、飾らない言葉で、ここまで自分たちを支えてくれたファンたちに感謝の言葉を届けた。ダブルアンコールで届けられたのは「未成年」。鮮やかに放たれる麗のギターソロが印象的なメッセージ性の強いこの曲は、集まったオーディエンスの背中を強く押したことだろう。ライヴの始まりと同じく、美しく桜が舞い散った。

すべてを届け終えた5人は、RUKIの提案で一言ずつ15周年への想いを語った。

「お疲れ様でした。本当に、今日までの道のりは本当に長かったんで、葵が号泣するのも無理ないなと思います。いい景色をありがとうございました。相変わらず、ピック飛ばすの下手なんですよね～（と言ってピックを客席に投げる）」──麗

「本当に、このライヴの告知をしたときからすごく楽しみで。いろいろとやってきている中で、『大日本異端芸者』という、the GazettEの時代の紛れもない1ページが積み重なって、今に繋がっているんだなとひしひしと感じました。RUKIが言ったように、今に繋げられることが出来たのは、本当にみんなのおかげだと思ってます。みんなが居なければ、今、僕たちはここに居ないんで。本当に感謝しかないんだけど、切っても切れない関係というか。6人目のメンバーと言う言葉が本当にしっくりくるくらい、これからもみんなと一緒にthe GazettEを大切に守っていきたいと思います！　ありがとうございました！」──戒

「（号泣し、メンバーに支えられていた葵）泣いてね〜し！ いや、でも俺、本当にコイツ等のこと大好きだなと思って。コイツ等が居て、みんなが居て、俺は本当に幸せだなと思いました。本当に15周年ありがとうございました。どうしようもないヤツ等ですが、これからもお願いします！　てか、泣いてね〜し！」──葵

「お疲れ様です。ありがとうございました。本当に、あの……（後ろを向いて涙をこらえ）今日喋れねぇ……。本当にありがとうございました！　お疲れっした！」──REITA

「（REITAの泣く姿を見て）胸がキュンとしますよね。ちょっと、れいちゃん（笑）。コイツね、さっきからなんか怪しいなと思ってたんだよ。ずっと黙ってるし！　（振り返って）れいちゃん、ダメ？　（無言で頷くREITA）ね、かわいい奴らでしょ（笑）？　自画自賛するわけじゃないけどさぁ、他にこんなバンドなかなか居ないぜ、15年やってて（笑）。まぁ、そんなthe GazettEですけど、今日やってる曲は昔やってた曲で、今は今でもっと上を目指してカッコイイ曲もやってますんで、是非、今のthe GazettEも聴いてみて下さいという感じです。初めて見た人、ずっと見てくれてる人いろいろいると思いますが、もう15年ではなく、まだまだ15年だと思っていますんで、黙ってついてきてください！　今日はありがとうございました！　愛してます」──RUKI

REITAの要望により、5人は最後に横一列に並び、手を繋ぎ、オーディエンスと一斉にジャンプし、このライヴを締めくくった。この日届けられた1曲1曲と、最後に届けられた5人5様の想いとその言葉は、それぞれの性格が現れた飾らぬ想いだった。この日の時間の中の出来事すべては、きっと集まったファンたちの胸に真っ直ぐに届いたことだろう。

そしてこの日のライヴ終了後、8月19日に富士急ハイランド・コニファーフォレストでの野外ライヴ＜LIVE IN SUMMER 17「BURST INTO A BLAZE 3」＞の開催が告知されたのだった。

“やっと15年”と、一息ついている暇などなさそうだ。RUKIの言葉通り、どうやら“まだまだ15年”のようである。ここまでの15年以上の成長と飛躍を、この先の彼らの未来に託したい。

取材・文◎武市尚子