【インタビュー】J、20周年記念ベスト盤を語る「走り続けてきた理由」
ソロデビュー20周年を迎えるLUNA SEAのJが3月22日、ユーザーからのリクエスト投票上位曲を中心に、代表曲はもとより新曲をパッケージした究極のベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> W.U.M.F.』をリリースする。炎のごとく熱く燃え上がるJのライヴに欠かせないアッパーなナンバーを中心に収めた【DISC1】には書き下ろしの新曲「one reason」を収録。スケール感たっぷりのミドルチューン&バラードを中心に収めた【DISC2】には、1stアルバム『PYROMANIA』のリクエスト投票1位に輝いた「ACROSS THE NIGHT」が本作のために完全再録されている。またDVD/Blu-rayには「one reason」のミュージックビデオと過去に発表された全てのミュージックビデオが収録されているほか、初回生産限定盤としてCDとDVD/Blu-ray以外にバンドスコアとフォトブックがA4サイズ豪華ボックスに収められたスペシャルBOXセットもリリースされる。
◆J 画像
インタビューでは一途一徹したスタイルを貫くJに、ベストでありながら“今”を浮き彫りにしたアルバムについて話を訊きつつ、ヒストリーを振り返ってもらった。タイトルにも冠された“WAKE UP! MOTHER FUCKER”を自身のベースに書きなぐった時の想い、「これは本当にオマエが一生、鳴らせる音なのか」と自身に問いかけて制作に向かった1stソロアルバム、LUNA SEA終幕後、そして「何かを包み込む壮大さや器のデカさもロックのパワー」だと語る現在。日和ることなく、ブレることなく、1本の道を歩き続けてきたJの鼓動や息づかいまで伝わってくる2枚組ベストを聴きながら、その無骨でシンプルで深い発言を味わい尽くしてほしい。
◆ ◆ ◆
■全てが俺自身なので本当に愛おしい
■同時に、まだ過程なわけだから次へ
──最初にソロデビュー20周年の心境から教えてください。
J:あっという間の20年でしたね。昔から過去を振り返って「ああだったな」とか思わないタイプの人間なので、こういう取材の機会があって、いろいろ振り返れるのはありがたいなと(笑)。
──いやいや、ただそこに立っているだけの最新アーティスト写真にも戦ってきた男の存在感が感じられますよ。
J:ははは(笑)。ありがとうございます。最近は音楽に強さとかシンプルさをより求めるようになってきた自分がいますね。そういう潔さが自分を燃えあがらせてくれる1つのファクターだったりするので。
──そんな歴史も詰まっているのが今回の2枚組ベストアルバム『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> W.U.M.F.』なんですね。
J:そうですね。自分がこれまでに書いてきた曲が20年の時間を超えて一つのアルバムに入っているわけで、その全てが俺自身なので本当に愛おしい。と同時に自分はまだ渦中にいるというか、過程なわけだから、ベストとは言えこの20年間を次に繋げるような作品にしたいなと思っていました。
──タイトルに冠された“W.U.M.F.”は、Jを象徴する言葉“WAKE UP! MOTHER FUCKER”の略であり、オフィシャルサイトでもおなじみですが、この言葉を今、持ってきた理由は?
J:これは遠い昔、自分がベースに書きなぐった言葉なんですが、どんなタイトルにしようか探していた時にフッと思い浮かんだんですよ。「そういえば、この言葉、まだ使ったことないな」って。俺自身を表すようなタイトルであるべきだと思っていたので。
──ソロ始動前のLUNA SEA時に書いた言葉ですよね。その時はどんな気持ちでした?
J:書いたのはアルバム『MOTHER』の頃。あまりお行儀のいい言葉じゃないんですけど(直訳すると“起きやがれ、クソ野郎”)、当時は自分を鼓舞するような気持ちもあったのかな。それに、みんなや自分自身の中に眠っている“本当の自分”を目覚めさせるような曲を生み出せればいいなと思っていたし、全てにおいて自分が何かのキッカケになるような存在になりたいと思ってベースに書きなぐった気がします。その後、この言葉がひとり歩きして「俺もベースに書いたんです」「学校のカバンに書きました」「ベースじゃないけどギターに書いてます」って言われたり(笑)。
──そういう現象を起こしたワードですよね。
J:だから、まさに俺を表すタイトルにうってつけじゃないかと。
──今、話してくれたことは、20代前半の想いですよね。表現したいことの核心が全然ブレてない。
J:ただ、よく「ブレてないですね」って言われるんですけど、そのへんは全く意識したことがないんですよ。
──そうなんですか? ブレないようにって思ったりしない?
J:うーん、コロコロ変わる人間を信じるか?って言ったら俺はそうではないけど、ブレないようにって、思いつめてやってきたわけでもない。もちろん、平坦な道のりではなかったけど、その都度その都度、がむしゃらにやってきた先にある場所が、ここだったという感じ。今の自分を作り上げるのにすべてが必要な時間だったと思うし。
▲『J 20th Anniversary BEST ALBUM <1997-2017> W.U.M.F.』 【2CD+DVD】【2CD+Blu-ray】 |
J:スタッフといろいろな話をした結果ですね。過去にもベストアルバムをリリースしているので、違った内容にしたいねって話をしたなかで、「リクエストしてもらうのはどうだろう?」というアイディアが出たんです。最初はピンと来なかったけど、いったん持ち帰って考えた時に、俺自身の20年でもあるけれど、見続けてくれたみんなの20年でもあるから、リクエストを募ることによって、一緒に作り上げていくアルバムになるなと思ってこの形をとりました。
──リリースしたオリジナルアルバムごとにリクエストの上位を決めていきましたが、その結果にどんなことを感じましたか?
J:今の曲も昔の曲もみんな、すごく愛してくれてるんだなと感じたし、もっと言うと最近のライヴでよくプレイしている曲たちが多く選ばれているんですよ。ベストアルバムって前に発表した曲を集めたものだけど、それだけだと“過去”になってしまう。今回は20周年の今の自分に近い場所にあるベストアルバムを作りたかったからヴォーカルをReレコーディングしたり、1stアルバム(『PYROMANIA』)に収録されていた「ACROSS THE NIGHT」を全面的にレコーディングし直したり、新曲(「one reason」)を収録しているんです。「みんなも“今”を感じてくれてるんだな」っていうリクエストの結果も嬉しかったですね。
──過去の楽曲を並べたベスト盤とは違いますものね。DISC1にはスピーディーで熱いロックナンバーが収録されていて、DISC2にはミディアムチューン/バラードが収録されています。こうやってパッキリ分けたのも興味深い試みです。
J:これもスタッフと話している時に出たアイディアなんです。最近はCDもシャッフルするとかいろいろな聴き方があるけど、こういう時だからこそ逆にコンセプチュアルにすることがコントラストも付けられて面白いし、聴く人にも楽しい結果を生むんじゃないかなって。
──なるほど。分けてみて改めて感じたことはありますか?
J:当然アルバムのリード曲やシングルは勢いがあったり、はじけるようなテンションの曲が多いけど、俺が鳴らし続けている音はそういう側面だけではなく、メロディアスな曲やミディアムテンポの曲も存在している。ハード/ヘヴィな曲も大好きだけど、スローな曲も俺はロックとして鳴らしているから、こうやって2枚立つのは気持ちがいいというか、自分のなかでバランスが整うんですよね。
◆インタビュー(2)へ
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