サンタナ、幻の初来日ライブ音源発掘。『ロータスの伝説』完全版で登場

サンタナの初来日公演を収めた74年発表の3枚組ライブアルバム『ロータスの伝説』が、世界初の“完全版”として4月19日（水）にリリースされる。

◆『ロータスの伝説』画像

『ロータスの伝説』は1973年7月3日、4日に行なわれた大阪公演の模様を収録したライブアルバム。企画から録音、写真、デザインなどレコード制作に必要なすべてを日本のスタッフが手掛け、若きサンタナ・バンドが日本のオーディエンスを前に繰り広げた凄烈な演奏はもちろん、横尾忠則が手掛け、のちにギネス世界記録にも認定される“22面体ジャケット”というアートワークも注目を集めた作品だ。

今回の完全版リリースは、2016年末、同作の録音で実際に使用されたアナログ・マルチテープが日本のソニーミュージックの倉庫から発見されたことを機に実現に至ったもの。1974年以降、一度も使用されることがないまま40年以上の時を越えて蔵出しされたというアナログ・マルチテープには、コンサート2日分の大半の演奏記録が良好なコンディションで残されていることが判明。アナログLPの収録分数の関係で当時やむなくカットされた音源も残っており、オリジナル盤未収録の「ジャパン」「バンベレ」「ウム・ウム・ウム」「聖なる光」「ザ・クリエイター・ハズ・ア・マスター・プラン」「セイヴァー」「コンガ・ソロ」の7曲が加わることで、大阪で演奏された全曲目が揃うことになった。


発掘音源のミックスは、オリジナルの『ロータスの伝説』やベック・ボガート＆アピス『ライヴ・イン・ジャパン』など多くの作品を手掛けてきたエンジニア・鈴木智雄が担当。既発音源と極力違和感のないサウンドにすべく、慎重に機材やケーブルを選定したうえでミックスマスターに落とし込まれていったという。

44年ぶりに未公開音源を聴いたカルロス・サンタナは、次のようなコメントを寄せている。

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「『ロータスの伝説』は日本生まれの名盤だ。大阪公演のテープは本当に素晴らしい内容だった。それらのテープはこのバンドの最高の状態をとらえており、私たちは心から誇りに思えたのだ。サンタナのコンサートを余すことなく経験できるものにするため、LP3枚組に日本制作のブックレットや画像を用い、すべてを才能ある日本人アーティストたちに手掛けてもらった。そして、改めてこれらの曲とこのアルバムを紐解くのは、次の日本ツアーが間近に迫っている私にとって大いに喜びを感じる作業だった。日本のソニーの友人たちとボーナス・トラックを掘り下げるのは最高の気分だった。日本や世界中のブラザーやシスターと、さらなるお楽しみが加わったこの『ロータスの伝説』を分かち合うことができるのは大変光栄なことだ」──カルロス・サンタナ

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なお今回は、日本オリジナルLP盤で採用されたクアドラフォニック・ヴァージョン（4chサラウンド・ミックス）も世界で初めて復活し、超高解像度のDSD 11.2MHzマスタリングによるSACD 4.0、SACD 2ch、CDを擁した高音質ハイブリッド盤にてリリースされる。さらに、伝説の22面体ジャケットがオリジナルに忠実な7インチサイズで復刻されるほか、当時のツアーパンフレットや大阪公演チケットのレプリカ、豪華別冊ブックレットなども封入される。

また、この最新DSDマスターを用いたハイレゾ配信も4月19日（水）より開始。サンタナは4都市を回るジャパンツアーを4月22日（土）からスタートさせる。