【2017年グラミー特集】自身のルーツと未来を見据えるルーカス・グラハム
ルーカス・グラハムは、デンマーク・コペンハーゲンにあるクリスチャニアで2011年に結成されたソウルポップバンドだ。ボーカルはルーカス・グラハム、メンバーは幼なじみで構成されている。アイリッシュ・フォークのルーツを持ち、レトロなポップスやソウルの影響を感じさせるモダンなヒップホップ・サウンドでファンク・ポップとR&Bを融合したサウンドを確立、デンマーク国内で人気となった。
◆ルーカス・グラハム画像
ルーカス・グラハムの育ったクリスチャニアはコペンハーゲンの中心地に位置するアーティスト自治区で、彼らの音楽性にはクリスチャニアの影響が色濃く反映されている。母親が夜の掃除の仕事に出かけ、父親がアンティークのストーブを修理する中、グラハムは小さな家の中で、ザ・ビートルズ、ザ・ローリング・ストーンズ、ジェームズ・ブラウン、グレゴリー・アイザックス、プロディジーなどを聴いて育った。
「クリスチャニアは僕らにとって家なんだ。貧しくはなかったけれど、十分なお金があるとも言えなかった。そんな環境で育つと、必要以上のものを表現するようになる。僕らは音楽でそれを表現している。たとえば、好きな女の子についての歌を作るよりは、息子が刑務所に入ったなんてことを歌にするんだ。その方が、おとぎ話を作るよりも、自分自身に対して正直になれる」──ルーカス・グラハム
2015年10月にリリースされたシングル「7 Years」は、成長して大人になることについて描かれている。
グラハムが子供の頃、ズボンを間違えて履いて学校に行くと、お金持ちの子どもたちに笑われたそうだ。そんな彼に対し、父親はこう語ったそうだ。「金持ちの子どもたちの言うことを聞く必要はない。お前には食べる物も寝るところもある。彼らに対して怒る必要もない。笑顔で道を歩いていればいいんだ」
「父親は素晴らしい人だった」グラハムは振り返って述べる。「僕は自分の育ったルーツを忘れることないし、これからどこに向かっていくのかもわかっている。多くのアーティストは名声やお金を求めるが、僕は普通の人の人生に起こるような物語を語りたい。成長して素晴らしい父親になることは、一番大切なことなんだ。僕の夢は、自分の息子の友達たちが『君の父親は素晴らしい人だから会いに行くよ』と言ってくれることだからね」
「7 Years」は、米ビルボード・ホット100で第3位を記録、さらにイギリス・チャートでも1位を獲得し、2017年グラミー賞の『年間最優秀レコード』と『年間最優秀楽曲』にノミネートされている。
第59回グラミー賞 ノミネート 3部門
・最優秀レコード
・最優秀楽曲
・最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス
写真:Getty images
WOWOW番組
放送日:2月13日(月)午前9:00[WOWOWプライム]
●「生中継!第59回グラミー賞授賞式」
放送日:2017年2月13日(月)午前9:45[WOWOWプライム]※二カ国語版(同時通訳)
●「第59回グラミー賞授賞式」
放送日:2017年2月13日(月)夜10:00 [WOWOWライブ]※字幕版
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