【インタビュー】Tak Matsumoto & Daniel Ho、松本孝弘が語る「このユニットじゃないとこういう音にはならない」

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■「50歳までにグラミーを獲る」目標があったから
■これ、不思議だなあと思って

──稲葉さんが歌うB'zとは、作曲方法も変わりますか?

松本:音楽性が違うかな。『enigma』のときとはあまり変わらないけど、やっぱりダニエル・ホーとのユニットだということを意識しましたよね。

──メロディも変わってくる?

松本:うーん、まあ、そうかもしれない。でもあんまり区別していないんですよ。B'zの曲を創るときもギターでメロディを考えることもあるし、逆にインストゥルメンタルの曲を歌って創ることもあるし…。ただ、インストの場合はキーが自由だから、ギターのいいところが出るキーを選びますよね。で、歌もののときは、稲葉君のいいところが出るキーを選ぶ。

──どんなアルバムが出来上がりましたか?

松本:ダニエルさんも創っているときから「絶対良くなるよ、これは」って、すごいノリノリだったからね。僕もそう思ったよ。

──彼も経験豊富なアーティストですが、Tak Matsumotoとの共演のどこに最も興奮したんでしょう…。

松本:どうなんでしょうかね。でも「エレクトリックの人とあんまりやってない、やったことない」って言ってた。逆に僕は彼の弾いているスラックとかウクレレを見てて「すごいな」って思うんだけど、僕が弾いてると「そんなに音が歪んでいるのに、どうして汚い音が出ないんだ?」って言うんだよね。僕にとっては簡単なことで「ダニエルさんのやってることの方がよっぽど難しそうに見えるけど」って(笑)。お互いない物ねだりで、餅は餅屋ってことかな。

──制作意欲が止まらないようですが、この経験がまた次へつながっていくんでしょうね。

松本:インストゥルメンタルに関しては、とにかく続けて行きたい。次がどんなものになるのか僕もわからないけれど、いちミュージシャンとして、Tak Matsumotoとしてのライフワークとして続けて行きたい。武道館をああいう形でやれたのも次に繋がると思うし。

──『enigma』のライブのことですね。映像美も圧巻でした。

松本:ああいう風に何かにリンクしていくものがあるとわかりやすいと思うし。でもあれは大きい会場じゃないとできないからね。

──新たな活動という意味では、TAKUROのソロアルバムのプロデュースをしましたよね?

松本:うん。あれも面白かったですよ。本当にいいものができたので、一緒に仕事させてもらえて良かったなって思いますよ。彼はいいメロディメーカーだからね。

──「松本さんにやれやれって言われた」ってTAKUROが言っていました。

松本:「やればいいじゃん」って言った。ギターインストとかにも興味あったみたいだから「そんな考えているよりも、やった方が良い」って。

──松本さんはそういう性格?

松本:はい。だってやらないと何にも始まらないから。やってしまえば次どうすれば良いのかとか何をやるべきか、課題は出てくるじゃない? ここで止めてても何も始まらない。それに、彼はバンドで大成功しているわけだし、TAKURO自身としてそういうことをやるタイミングじゃないかなあと思ったんですよね。

──彼は「50歳になったらやるって言ったら、“今すぐやれ”って言われた」って言ってました。

松本:そうそう。言った。

──50歳まで待つ必要はない?

松本:そう。「今やれば、50歳のときはもっと面白いものができるよ」って。

──なるほど。

松本:面白い話があるんだけど、僕の昔の『華』というアルバムに「2011」って曲があるんですよね。インストなんだけど、当時にしてはちょっとジャジーなの。これは僕が2011年頃には「きっと、こんなことをやってるんじゃないか」って思って創った曲なんですよね。

──2001年に「2011」を作った。

松本:そう。そしたらラリーさんとジャジーなアルバムを創って、2011年にグラミーを獲った。自分の中では「50歳までにグラミーを獲る」っていう目標があったから、これ、不思議だなあって思って。誰にも言わなかったけど。

──それはすごい話だなぁ。当時のインタビューで話していたでしょうか。

松本:いや、自分で思っていただけだから言ってないと思う。

──では次は「2040」という曲を作ってもらいましょうか。

松本:2040年って…(笑)。

──2月25日からはツアーも始まりますが、どのようなライブになりそうですか?

松本:会場がブルーノートやビルボードなので、あの雰囲気はありますよね。

──ダニエル・ホーのホームのLAでもできるといいですね。

松本:多分、やると思いますよ。

──楽しみにしています。ありがとうございました。

取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也






■アルバム『Electric Island, Acoustic Sea』

2017年2月8日リリース
【通常盤 CD】BMCS-8010 2,800円(税込)
【アナログレコード LP2枚組】BMJS-8010〜8011 4,500円(税込)
01. Soaring on Dreams
02. Fujiyama Highway
03. Magokoro (True Heart)
04. Infinite Escapade
05. Faithfully
06. Sunny Tuesday
07. Wander Blues
08. Adrenaline UP!
09. Omotesando
10. Island of peace
11. Rain
12. Lia

■<Tak Matsumoto & Daniel Ho Live! 2017 -Electric Island, Acoustic Sea->

2017年2月25日(土)BLUE NOTE TOKYO
2017年2月26日(日)BLUE NOTE TOKYO
2017年2月28日(火)NAGOYA Blue Note
2017年3月01日(水)NAGOYA Blue Note
2017年3月02日(木)NAGOYA Blue Note
2017年3月04日(土)Billboard Live OSAKA
2017年3月05日(日)Billboard Live OSAKA
2017年3月06日(月)Billboard Live OSAKA
2017年3月10日(金)BLUE NOTE TOKYO
2017年3月11日(土)BLUE NOTE TOKYO
2017年3月12日(日)BLUE NOTE TOKYO
2017年3月19日(日)Blue Note HAWAII

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