【インタビュー】INABA / SALAS、「唯一のルールは“クールじゃなきゃいけない”」
■KOSHIは向上心があり努力家──スティーヴィー・サラス
■プロデューサーとしての能力に驚いた──稲葉浩志
──今更ですが、ミュージシャンとしてお互いをどのように見ていますか?
サラス:KOSHIはほんとに素晴らしいヴォーカリスト。素晴らしいヴォーカリストっていうのは喋ってる時からもう声が違う。レコーディングでもそのままで声が立つんです。テレンス・トレント・ダービーもロッド・スチュワートもシールもそういう声。これは天賦の才で努力で身につけられるものではないけどね。その上でKOSHIは向上心があり努力家でね、もっともっといいものを、今までやったことないことをやりたいという姿勢が凄くエキサイトなんだ。なんでも演ってみるという冒険心が、自分にとってのインスピレーションにつながるんだよ。
──稲葉さんはいかがですか?
稲葉:やっぱり彼のギター・スタイル……あのリズム感やフレージングが自分のまわりにはない世界だったし、彼のアレンジも好みだった。でも実際に仕事をしてみると驚くこともいっぱいあって、彼の頭の中にある音楽体験のアーカイブがものすごく膨大なのに驚いた。世代もジャンルも超えて、ものすごい頭の中に入ってるんですよ。あとね、想像してた以上にグルーヴのチェックが細かい。ドラムとベースなんか、研究者が顕微鏡で見てるみたいな感じ(笑)。「いつまでやってんの?そこ」みたいな(笑)。
──そういうストイックさがあるんですね。
稲葉:うん。あとは寝ない(笑)。あとね、ミュージシャンのチョイスは彼が行うんですけど、そこの段取りからミュージシャンへのケアまで全てが抜かりない。その能力にいちばん驚いたかな。ギタリストという印象から、プロデューサーとしての一面を見せてもらった感じ。
サラス:曲を聴くと「これはあの人がぴったりだ!」というのが出てくるから、それがカナダ人だったら「この人とプレイするためにカナダに行こう」ってなる。KOSHIはすごくいい人だから「いいよ」って言ってくれるんだけど、内心は「今からカナダ? こいつ何言ってんだ?」って思っていたと思う(笑)。でも実際スタジオでその人のプレイを聴くと、KOSHIの目がかっと開いて「なるほど」みたいになってね、俺も「だろ?」ってなる。でも多分、レコード会社の人からは「ちょっとクレイジーだ」と思われてたかな。
稲葉:ふふ(苦笑)。
サラス:『CHUBBY GROOVE』は、ギターオリエンテッドなサウンドを期待しているギターファンには物足りないかもと思ったけど、でもこのアルバムには必要なかったな。
稲葉:僕もね、「僕みたいなスティーヴィー・サラスのギター・ファンは、もっとギターを聴きたがるんじゃないの?」って話をしたんですけど、「俺のギター・ソロのファンより、このグルーヴのファンがいるから大丈夫」って(笑)。
サラス:そもそもKOSHIは、普段は天才ギタリストのTakとB'zを演っているんだから、ギタースタイルが似ている俺と同じようなことを演るよりも、ちょっと違うことを演っても面白いんじゃないかな。
──1月から2月にかけて、INABA / SALASの全国ツアーが開催されますが、どんなライブになりそうですか?
サラス:ソールドアウトになります。そういうツアーです(笑)。
──ははは(笑)、稲葉さん、どうですか?
稲葉:いやー、ちょっともう……謎ですね。ある意味、新人バンドみたいなもんですからね。しかもミュージシャンも通常では一緒にやる可能性のない人たちばかりだから……どうなっちゃうんだろ?
サラス:小さい会場もあるので、もうエネルギーが爆発するね。
──絶品のグルーヴが楽しめそうですね。
サラス:スタンディングなので、熱くてオールドスクールなライヴになると思うよ。ほんとにクレイジーなことになっちゃいそう。昔、俺のステージにKOSHIが出てくれた時、観客が凄くクレイジーになったんだよ。観客の上に観客が乗っかって、KOSHIをなんとか触ろうみたいな、あんな感じ見たことないっていう。KOSHIのファンはクレイジーだからね。
稲葉:そんなことはない(笑)。
サラス:証拠の映像が残っているから(笑)。自分のファンは一緒にのる感じだけど、KOSHIのファンはKOSHIをつかまえてやろうみたいな、そういう感じだったんだよ。ミック・ジャガーでもファンはあんなにならないよ。
──ははは(笑)、楽しみにしています。アメリカでもライヴをやればいいのに。
サラス:そう、この前ドイツ人のギタリストが「SAYONARA RIVER」をカバーしてYouTubeにアップしていたんだ。歌詞もわからないのに音だけを聴いてカッコいいと思ってくれたんだと思う。もっともっとツアーをやりたいよ。
稲葉:「ヨーロッパに行こう」とか言うんだよ(笑)。
サラス:いいじゃん。スロバニアとかイギリスとかドイツ……実はもう引きがあるんだ。じゃあ、1日ぐらい韓国でフェスに出ようよ。
稲葉:この人、移動の感覚というか距離感がほんとに違うんですよ。六本木から渋谷に行くくらいの感覚でLAからニューヨークに行っちゃうから。
サラス:そんなもんですよ。
──この調子だと、『INABA/SALAS 2』も期待しちゃいますよ。
サラス:実は新曲やアイディアもあるからね(笑)。
稲葉:あははは(笑)。
──ライブ、本当に楽しみですね(笑)。ありがとうございました。
取材・文◎BARKS編集長 烏丸哲也
■INABA / SALAS アルバム『CHUBBY GROOVE』
【初回限定盤 CD+DVD】BMCV-8050 3,700円(税抜)/3,996円(税込)
<特典DVD>MUSIC VIDEO 3曲収録
・SAYONARA RIVER
・OVERDRIVE
・AISHI-AISARE
【通常盤 CD】BMCV-8051 2,800円(税抜)/3,024円(税込)
01. SAYONARA RIVER
02. OVERDRIVE
03. WABISABI
04. AISHI-AISARE
05. シラセ
06. ERROR MESSAGE
07. NISHI-HIGASHI
08. 苦悩の果てのそれも答えのひとつ
09. MARIE
10. BLINK
11. MY HEART YOUR HEART
12. TROPHY
■コラボツアー<INABA / SALAS “CHUBBY GROOVE TOUR 2017”>
2017年1月26日(木)Zepp Namba
2017年1月27日(金)Zepp Namba
2017年1月30日(月)Zepp Sapporo
2017年2月01日(水)チームスマイル・仙台PIT(追加公演)
2017年2月03日(金)DRUM LOGOS
2017年2月04日(土)熊本 B.9 V1(追加公演)
2017年2月06日(月)Zepp Tokyo
2017年2月07日(火)Zepp Tokyo
2017年2月08日(水)Zepp Tokyo
2017年2月13日(月)なんばHatch(追加公演)
2017年2月14日(火)BLUE LIVE HIROSHIMA(追加公演)
2017年2月15日(水)岡山CRAZYMAMA KINGDOM(追加公演)
2017年2月17日(金)高松festhalle(追加公演)
2017年2月20日(月)名古屋 ダイアモンドホール(追加公演)
◆INABA / SALAS ツアー特設ページ
◆稲葉浩志 オフィシャルサイト
◆B'z オフィシャルサイト
◆B'z オフィシャルYouTubeチャンネル
◆インタビュー(2)へ戻る
◆インタビュー(1)へ戻る
この記事の関連情報
B'z、朝ドラ『おむすび』主題歌「イルミネーション」のMV公開+キャンペーン始動
稲葉浩志、米国本家NPRの“tiny desk concerts”にパフォーマンスを公開
B'z、新曲「鞭」がABEMAドラマ『インフォーマ -闇を生きる獣たち-』主題歌に決定「みなさんはどうでしょうか?」
稲葉浩志、番組『Special Interview Program』より本人コメント到着「音楽って生なんだな」
松本孝弘と稲葉浩志、単独インタビューや最新ツアー映像など4ヵ月連続特番を10月より放送/配信
稲葉浩志、『tiny desk concerts JAPAN』第1弾アーティストとして降臨「新しい息吹を吹き込む」
B'z、朝ドラ『おむすび』主題歌「イルミネーション」を10/7配信開始+オープニング映像公開
エピフォン、B'z松本孝弘の最新シグネチャー1955 Les Paul Standardが10/16に販売開始
B'z、NHK連続テレビ小説『おむすび』主題歌に新曲「イルミネーション」書き下ろし