【ライブレポート】the GazettE、ゴシックに彩られたハロウィンナイト「最高でした、来年もやろうぜ」
10月28日(金)、Zepp Tokyoにてthe GazettEがハロウィンライブ<the GazettE HERESY LIMITED THE DARK HALLOWEEN NIGHT [-SPOOKY BOX-]>を開催した。来年15周年を迎えるthe GazettEだが、その歴史の中で「ハロウィン」を銘打ったライブは今回が初めて。その記念すべき一夜の模様をレポートする。
◆the GazettE 画像
この日はファンクラブ限定のライブであったが、会場となるZepp Tokyoは大入り満員。二階席もぎっしり、一回スタンディングフロアはかなりの密集具合だった。通常のthe GazettEのライブでは定番のグッズTシャツやパーカーを身に着けるほか黒い服を着たファンが多いのだが、この日はハロウィンということもありさまざまなコスプレをしているファンの姿が多く見受けられた。そしてthe GazettEがどんなハロウィンを魅せてくれるのか、どのファンもわくわくした気持ちで開演を今か今かと待ちわびていた。
開演時間を少し過ぎ、会場の照明が落ちると扉が開く不気味な音がなり、幕開け。そこにはゴシックな雰囲気のセットが組まれていた。天井からは大きなシャンデリアがぶらさがり、中世の古城のような外壁、妖しい灯りをともす窓。なんとドラムセットにまで多数の蜘蛛の巣が巻き付いていた。まさに、ライブタイトル通りのSPOOKY=不気味な BOX=箱の世界観だ。
「これぞ」と言わんばかりに、ヴィジュアル系ファンの心をくすぐるステージセットに早くもファンは大興奮。このセットだけでも一気にthe GazettEの作り出すハロウィンの世界に引き込まれてしまうのだが、続いて登場したメンバーの姿にもファンは狂喜乱舞。
RUKI(Vo)はストライプのジャケットに同じくストライプ柄のガウチョパンツ。そしてこれまた同柄のシルクハットに、うさぎの耳をつけたハイセンスなスタイルで登場。メイクは目の周りをピンクのシャドーで囲み、ピエロのようなアイライン入り。
麗(Gt)はボリュームを出した白いロングヘアと、目の周りを真っ黒に囲んだメイクでいつもの雰囲気を一変。衣装は透けるドレープ素材が美しい、ロングスリーブのトップスにロングスカートのようなビックパンツで全身を黒に統一。
骨を意識したような、破れた白い腰布をスキニーな足元にまとわりつかせる葵(Gt)は、右の頭に黒い髪飾りをオンした華やかな装い。メイクも派手に、赤い羽根つけまつげを使用していた。
前回のライブ<the GazettE STANDING LIVE TOUR 16 GRAND FINALE DOGMA -ANOTHER FATE->でRUKIとのMCで「ハロウィンになったら(顔の)どこを隠すの」と冗談も飛んでいたREITA(Ba)は仮面を纏って登場。仮面には安全ピン、衣装にはたくさんの鋲、傭兵を思わせるロックなアーマースタイルだ。
そして戒(Dr)はビロードのような素材の、赤と黒を使ったジャケットスタイル。きちんと並ぶ金ボタンやラインの綺麗なパンツでまるで王子のような風貌だ。それぞれ「CREEPY DEAD PUPPETS」という、ライブ前に公開されていたキャラクターイラストと同じスタイルだった。
この装いやステージセットを見ただけで早くもthe GazettEは独自のスタイルを提示してくれることを実感できた。決して大げさなメイクや仮装をするわけではない、だが彼らの世界観に基づいたハイセンスな装いでハロウィンをthe GazettE色に染め上げているのだ。
もちろんthe GazettEのハロウィンは衣装やメイクだけで終わるわけではない。この日のセットリストがハロウィンに相応しい構成なのだ。新旧問わず、盛り上がる曲ばかりが並んでおり、まさにパーティースタイル。
一曲目からオーディエンスのクラップで始まる「INSIDE BEAST」を持ってきたことからもそのことが伺われる。BEAST=野獣、のあとは「MY DEVIL ON THE BED」でDevil=悪魔。手にしたステッキにRUKIが舌を這わせるパフォーマンスには大きな悲鳴が上がっていた。続いての「VENOMOUS SPIDER’S WEB」もSPIDER=蜘蛛。ハロウィンに相応しく、考えつくされたセットリストだ。
「ハッピー・ハロウィン。僕らはハロウィンが初めてだからめっちゃ楽しんじゃってます。今日は僕らの楽しさが伝わればいいなと思っています。楽しんじゃって!」と、RUKI。
その言葉に合わせるように、紅い照明にフロアが包まれた「RED」、大きなコールアンドレスポンスが起こる「GABRIEL ON THE GALLOWS」、久しぶりの披露となる「ガンジスに紅い薔薇」ではより一層オーディエンスの熱が上がる。その熱を表すように同曲ではステージに火がともる美しい演出も。
変則的なリズムを冷静かつ着実に叩く戒、誰よりもステージを左右に激しく動きまわるREITA、艶やかに色気のあるギタープレイを見せる麗、リズムに乗りながらステージ前方まで乗り出す葵、そして何度もフロアに手を伸ばしながら堂々とした歌声を響き渡らせるRUKI、いずれも普段のアルバムのコンセプトを主軸としたライブとはまた一味違う楽しそうな表情を魅せている。
二度目のMCではRUKIが「僕たちハロウィンとは縁遠いバンドだったので、どんな格好するかすごく悩んだ。蓋を開けてみれば僕らだけ浮かれていたらどうしようと思って」と述べると、フロアから「似合ってる」の大きなレスポンス。それに照れたようにぼそっと「こんな感じでやろうかなと」と言うRUKIが少し新鮮。
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