【ロングレポート】音楽フェスの力を証明した20回目のフジロック
SMASH日高氏が、今年のフジロックは“寝ない”がキーワードだと富士祭電子瓦版で明言しているのを目にしたが、実際そうでした。金曜日の深夜のレッド・マーキーでは、D.A.N.、MURA MASA、SOPHIEという絶対にいま観ておきたい流れが組まれているわ、復活したオールナイトフジがその時間帯にはすでにはじまっていて、ORBITALのDJ SET、KEN ISHIIらが出演していくというタイムテーブルだわ……。嬉しい悲鳴と言うと聞こえはいいが、対自分会議はなかなか決着せず、そもそも、WANIMAや踊ってばかりの国など午前から観たいものが詰まっている次の1日をどう過ごせばいいのか?という難題も抱えることになったのである。現地で決めよう、きっと閃くものがあるだろうと高をくくっていた自分が前日にいたことを思い出してみても仕方ない。次の日もその次の日も食べることになるオアシスエリアの「うみの」のモツ鍋ちゃんぽんを食べながら、限界が来るまで彷徨おうという結論に結局は達したのだが。ちなみに、懲りずに翌日もKILL THE NOISE〜BAAUER〜TODD TERRYでも眠らないレッド・マーキーを堪能した。
▲RED MARQUEE 風景
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そして3日目、退場ゲートには“SEE YOU IN 2017!! 7/28fri.29sat.30sun”の文字が掲げられた。フジロック期間中や終了直後のSNS上では、たくさんの参加者が「フジロック最高」とめいっぱいに謳歌し、キャリアのある音楽ジャーナリスト陣が「凄いものを観た」と感激し、著名人も音楽ファンとして無邪気に現場を楽しむ光景が展開されていた。今はただ、1年後にフジロックが開催されることに無常の喜びを覚えるとともに、晴れ続きのフジロックの3日間に身を置くと砂埃という大敵が現れることも、(至って当たり前のことで恥ずかしい限りだが)アウトドアの知識として養ったのであった。
とにかく、こうして20回目のスペシャルをたくさん届けたフジロックは、そして毎年ごとに表情を変え留まることを知らずに進み続けて来たフジロックは、またどんな驚きと感動と夢を観せてくれるのだろうか。孤高にして偉大なこれまでの道のりがあらわになったと共に、その充実っぷりから未来への期待を抱かせてくれた2016年のフジロック体験だった。
取材・文=RYOKO SAKAI
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2016年7月22日(金)23日(土)24日(日)
@新潟県 湯沢町 苗場スキー場
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