【ライヴレポート】Rayflower、摩天楼オペラを迎えた大阪公演「皆でグチャグチャに」

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Rayflowerが6月、約4年ぶりとなる主催イベント<Night which GLOURIOUS>を東京および大阪にて開催した。同イベントはRayflowerが「刺激的なバンドと共演したい」をコンセプトにスタートしたもの。東京は6月6日に恵比寿リキッドルームにてvistlipと、大阪は6月8日にBIG CATにて摩天楼オペラと共演、超満員のオーディエンスを魅了した。

◆Rayflower 画像

東京公演から中一日で迎えた6月8日の大阪BIG CATにも超満員のオーディエンスがところ狭しと詰めかけた。荘厳なSEと共に白を基調とした華麗な衣装で現れたのは摩天楼オペラだ。「PANDORA」で幕を開けたステージに、客席では早くも拳とヘドバンが炸裂する。攻めるように畳み掛けられる重厚で、頭上から降り注ぐような心地よいシンフォニックメタル。



苑の高いビブラートと激しいシャウトが響き渡ると、彩雨はショルダーキーに持ち替え、舞台の際まで飛び出して客席を煽る。Anziのギターはまるで意思を持っているかのように美しい鳴き声をあげ、燿と悠のテクニカルなリズム隊の重くて速い音で身体の奥が振動する。

「BIGCATがこんなに埋まってるの初めてみた(笑)。来てくれた人に感謝だし、もちろんRayflowerさんに感謝します! 今日は本当に大好きなバンドとのイベントなんで、俺たち10人で盛り上げていきたい!」



苑のRayflower愛あふれるMCから続くナンバーは「BURNING SOUL」。悠の高速ドラムが響き渡り、Anziが後ろ手に弾くギターソロも冴え渡る「RUSH!」へ。多彩な楽曲が次々と飛び出す全力のステージだ。

「大阪熱いね! 今日、大先輩に誘われて本当に嬉しくて。またこういうタイミングで誘ってもらえたことにも感謝してて。リハから見せてもらったんだけど、なんていうか年輪? 心? がすっげえつまってて、リハから感動して。やっぱり続けることって大事だって。その年輪、俺も欲しくなっちゃってさ。まだまだやらなきゃだめだなって…残り2曲、この5人で魂の演奏をします。聴いてください」



奇しくも本日は、ギターのAnziの脱退が発表されてから国内では初の、そして大阪では現体制ラストの公演となる。幾重ものキャリアを積み重ね、出逢いと別れを繰り返し成熟してきたからこそ成立するRayflowerという大先輩を前に、決意表明ともとれる言葉を発した苑の思いを受け取るように静まり返った会場で演奏されたのは「Orb」。感情を絞り出して歌う苑を包み込むような演奏に心を揺さぶられる。

ラストは彼らの代表曲「喝采と激情のグロリア」。音を止めた会場に響き渡るオーディエンスの大合唱を浸るように聴くメンバー。そして思いを引き受けるように苑のアカペラが会場を包み込む。華奢な身体から発するオーラは優しく、そして頼もしい。映画のエンディングのような情熱的で荘厳な余韻を残し舞台を去った彼らに、会場は惜しみない喝采を送った。



転換後、ハンドクラップに迎えられて登場したRayflower。途端に舞台が狭く感じるほどの存在感と凄みに圧倒される。Rayflowerというバンドは、ジョーカーが5枚揃ったポーカーみたいなもの。まず個々の存在が規格外だ。そして、“こんな豪華なメンバーなんだから演奏はさぞ凄いだろう”という想像を観た瞬間に超える。

スタートは「Welcome to The Gracious World」。演奏が始まった途端、見るべき場所が多すぎて目が足りなくなる。物凄いプレイの応酬だが、それを全く感じさせないメンバーの大人の余裕と、一緒に歌い踊りたくなる古き良き90年代のポップロックを彷彿とさせるメロディアスな曲構成は、彼らを初めて見たオーディエンスのハートをもわし掴みにする。

「彩戯心」は決め所満載のダンスナンバー。YUKIの華麗な超絶ギタープレイや、IKUOの速さとメロディアスな鳴りが両立するベースフレーズ、Sakuraの渋く、歌うようなドラム音。「サバイヴノススメ」では、田澤孝介の絶好調なロングトーンが響き渡り、ショルダーキーボードに持ちかえた都啓一がキレのあるフレーズをスタイリッシュに弾いたかと思うと、満面の笑みでオーディエンスを煽りにくる。



「ニッポンのみなさんこんばんわ~! Rayflowerですよろしく~!! 一昨日はじまって今日はフィナーレ!!」

テンポよく、笑いのツボを押さえたMCで会場中が田澤のペースに巻き込まれたところで、次のナンバーへ。プレイの凄さは言うまでもなく、更に苑の言葉を借りると「年輪」を重ねた先に彼らが手にしている華、魅せ方を知り尽くしたステージングは、どの瞬間を切り取っても絵になる。

「Words Of The Wise Man ~時の贈り物~」は空に溶けていきそうな壮大なメロディが美しい。オーディエンスが腕をいっぱいに上げて飛び跳ねる「It's a beautiful day」では、舞台を所狭しと駆け回り、おどけた様子でIKUOに絡んでゴキゲンな笑顔を振りまくYUKIが印象的だ。

後半戦は「Make A Judgment」でスタート。オーディエンスはタオルを振り回し、メンバーはオーディエンスを振り回す。キーボードとギターの応酬はまさに、彼らにしかできない唯一無二のドラマチックさだ。「Runaway Brain」ではIKUOの魅せるベースが爆発。Sakuraのシャープなドラムでシメると、お次は爽快なポップチューン「ユースフル・ハイ」へ。本編ラストは「Soul survivor」。田澤とIKUOのダブルボーカルで展開される気持ちいいナンバーで、会場中が大きく手を振りラストに華を添えた。



「今回はこれで終わるけど、また皆でグチャグチャになれたらいいなと思います。ラストいくぞ~!」

アンコールに応え、再びメンバーは舞台へ。代表曲「U-TOPIA」の大合唱。田澤の紡ぐストレートで力強い言葉は、会場を埋め尽くしたオーディエンスに明日を生きるための活力をくれる。

摩天楼オペラのメンバーも舞台に登場してのカーテンコールでは、揃って手をつなぎ、深々とお辞儀をする10人。夢のような時間を締めくくるにふさわしい豪華なフィナーレだった。

Rayflowerはこの後、8月24日のHEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3を皮切りに10月20日赤坂BLITZまで、全国12ヶ所を回るツアー<Rayflower TOUR 2016~Bloom Moment~>を開催する予定だ。

取材・文◎岡本恵里 撮影◎KeiT

■<Rayflower presents Night which GLORIOUS>
6月8日@BIG CAT SETLIST

【摩天楼オペラ】
01.PANDORA
02.SILENT SCREAM
03.BURNING SOUL
04.RUSH!
05.Psychic Paradise
06.君と見る風の行方
07.アブサン
08.Orb
09.喝采と激情のグロリア
【Rayflower】
01.Welcome to The Gracious World
02.彩戯心
03.サバイヴノススメ
04.SILVER BULLET
05.哀しみのリフレイン
06.Words Of The Wise Man ~時の贈り物~
07.It's a beautiful day
08.Make A Judgment
09.Runaway Brain
10.ユースフルハイ
11.Soul survivor
ENCORE
EN1.U-TOPIA

■<Rayflower TOUR 2016 ~Bloom Moment~>

2016/08/24(水)HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
18:30open/19:00start
2016/08/27(土)名古屋E.L.L
17:15open/18:00start
2016/08/28(日)大阪 UMEDA CLUB QUATTRO
16:45open/17:30start
2016/08/30(火)岡山 IMAGE
18:30open/19:00start
2016/09/01(木)福岡 BEAT STATION
18:30open/19:00start
2016/09/06(火)金沢 AZ
18:30open/19:00start
2016/09/07(水)長野 CLUB JUNK BOX
18:30open/19:00start
2016/09/21(水)仙台 darwin
18:30open/19:00start
2016/09/28(水)神戸 チキンジョージ
18:30open/19:00start
2016/09/29(木)京都 MUSE
18:30open/19:00start
2016/10/13(木)札幌 cube garden
18:30open/19:00start
2016/10/20(木)東京 赤坂BLITZ
18:00open/19:00start
▼チケット
前売:5,000円
※入場時ドリンク代別途必要 ※未就学児入場不可
一般発売:2016/6/26(日)AM10:00~

◆<Night which GLOURIOUS>東京公演レポートへ

◆Rayflower オフィシャルサイト
◆Rayflower オフィシャルYouTubeチャンネル
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