【2016年グラミー特集】どれほどすごいのか目撃して欲しい【ダイノジ大谷ノブ彦コラム】

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とにかく言えるのは、観ろ!目撃しろってことなんです。例えばここで予想とかしてその答え合わせなんてのをやるのもいいですよ。いいけど、何年も続けてグラミー賞観てるとね、本当どーでもよくなる。いや、どーでもはよくないんだけどね。そりゃやっぱり受賞ってすごいことよ。こだわってなきゃ、テイラーが毎年獲れなくてあんな悔しそうな顔しないでしょ?

FNS歌謡祭におけるTOKIOみたいにテイラーって客席で一番はしゃぐし、一番拍手を送ってる。なのに、なのに毎回毎回獲れないんだよ。毎回あげないんだよ。それでだんだん顔が強張っていつの間にか終わってるんだよ。やっぱりグラミー賞を受賞するって本当に誇り高いことなんだよね。

でもね、でも、本当そんなことより、世界でナンバーワン、ショービズ、エンターテイメントのナンバーワンの国における音楽の祭典ってのがどれほどすごいのか。それを目撃して欲しいのです。

だって、そこには今のアメリカがあるんですから。

エイミー・ワインハウスが受賞した年から、ヨーロッパのアーティストがアメリカのヴィンテージなカルチャーを復権するというモードになりました。エイミーのアートスクールの後輩アデルだったり、フランスのダフト・パンクがディスコ文化を復権したりね。ダフト・パンクがパフォーマンスした2年前、そのときマックルモア&ライアン・ルイスのパフォーマンス中に行われた合同結婚式。同性同士、肌の色の違う同士、多種多様の結婚式を同時に行い、そこにずっと何年もその壁を壊そうと生きたマドンナが出てきたときのカタルシスは涙なくして観れなかった。これからアメリカは寛容な多様性の国になるんだと思ったところに来た、白人警官の黒人少年に対する一方的な暴力による殺人事件。

そのことに対する黒人アーティストの抗議ともとれるパフォーマンス。昨年のグラミーのあのシビアな風景は何もまだ解決してないアメリカの大きな闇を垣間見たようでとても複雑な気持ちになりました。

そして、今年です。デモ行進でも歌われたケンドリック・ラマーの『To Pimp a Butterfly』に収録された「Alright」。

コンプトンから出てきた新しいヒップホップヒーローが鳴らすこの特大アンセムはどんな形でパフォーマンスされるのか?この曲には個人的にとても励まされましたから。

マイケル・ジャクソンに声が似てる!なんて声も聞こえてくるザ・ウィークエンドも好きだな。今回ノミネートされてる曲はミディアムなテンポの濃厚なR&Bなんだけど、ULTRA JAPANでもDJがみんなかけてたとか。エロい曲だよ。

そして2015年はクラブでもよくかかっていた「See You Again」(ウィズ・カリファ ft.チャーリー・プース)なんでもあの五郎丸さんが試合前に必ず聴いていたナンバーだとか。個人的にはブルーノ・マーズのパフォーマンスも楽しみ。アカデミー賞が例年に比べて白人勢総なめで物議を醸し出してるなか、グラミー賞は黒人アーティストが獲りまくるんじゃないでしょうかね。

もちろんLLクールJのお茶目な司会っぷりも安定の楽しさだ。大統領選でトランプが支持を集める中、多種多様な価値観をまとったグラミー賞が伝えるメッセージ。アメリカがどこに向かおうとしているのか?グラミー賞から伺うのもいいかもしれません。

やっぱりアメリカが透けて見えるからね。テレビの前で踊りながらアメリカが知れるって最高ですよ。



Text:ダイノジ大谷ノブ彦
写真:Getty images

<WOWOWオンエア情報>

「生中継!第58回グラミー賞授賞式」 ※生中継 ※二ヵ国語(同時通訳)
2016年2月16日(火)午前 9:00 WOWOWプライム
同日夜は、字幕版でリピート放送
★「第58回グラミー賞授賞式」※字幕
2016年2月16日(火)よる 10:00 WOWOWライブ

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