【インタビュー】the GazettE、映像から音を組み立てていったニューシングル「UGLY」
──今回は【怒り】でもあることから、「UGLY」では怒りを煽る歌詞が目立ったというか。葵くんが言ってくれたみたいに、その先の感情が「DEPRAVITY」だったっていう。
RUKI:そうですね。「DEPRAVITY」は情熱ではないというか、冷めた怒りというか。「UGLY」と「DEPRAVITY」は、内容的には繋がっていないんですよ、まったくそこに描いたリアルは別の話なんで。でも、感情という意味ではすごくリンクしてると思いますね。
葵:今回RUKIが歌詞にしたところのリアルを言葉にするとするならば、怒りと無力を感じると、なんとなく無感情になるんだなって思ったというかね。
──怒りと無力って正反対の感情なのに?
葵:そういうのって一気にくるんですよ!
RUKI:そうそうそう。一気にくるね。
戒:たしかに。
葵:そう。もうなんとも出来ないというかね。
RUKI:そう。諦めとはまた違う感情なんだけど。言葉にするのって難しいですよね(笑)。ただ、「UGLY」は相当怒ってますけどね。怒ってるっていうとすごく浅く感じちゃうと思うんですけど。
──まさにRUKIがよく歌詞に用いる言葉でもある【憎悪】だよね。
RUKI:そう。是非、【憎悪】という言葉を辞書で調べて、「UGLY」の怒りがどれほどデカイかを知ってもらいたいですね。
REITA:完全に音も【憎悪】をイメージしてますからね。音からも、是非ともそこを感じてもらえたらと思いますね。
──なるほど。「GODDESS」の原曲は葵くん?
葵:そうですね。この曲は、もともとは『DOGMA』というものに対して、ちょっと寄り道したヴァージョンを作りたかったというところなので、『DOGMA』に入れたところで、そう遠くはなかったと思いますけどね。
──でも、このシングルに「GODDESS」が入ることによって、大きく景色は変わったと思う。イントロのビブラートの利いたギターフレーズがすごく印象的だったけど、どこから作られていったの?
葵:まさにそこからですよ。あそこ以外は余力です(笑)。
RUKI:あははは。半分以上余力だね(笑)。
葵:たしかに(笑)。なんか、『DOGMA』っていう世界観がすごく張り詰めたモノだった気がしたから、ちょっとフワッとしたモノを入れたかったっていうかね。そういう振り幅を持たせた方が奥行きが出るし、カッコイイんじゃないかなって思ったんですよね。
──そうだね。こういう雰囲気を放つ曲があるからこそ、激しさが際立つというかね。
葵:そうね。アルバム1枚で物語を作ろうとすると、ちょっと短いんですよね。その物語のサイドストーリーとか、アナザーストーリー的なモノも入れて、今回のシングルを作っていけたらいいなって思っていたんで、アルバムの後に、こうやって、そこまで世界観が離れないシングルを出せた流れが、今回すごく良かったなって思うんですよね。
REITA:そうだね。今回はアルバムがリリースされてから間を置かずのシングルリリースでもあるから、そこにしっかりと意味を持たせられた気がするというか。今後のツアーをにおいて「GODDESS」は、かなり必要不可欠な1曲になってくるんじゃないかなって思いますね。ちょっと空気が変わるんだけど、『DOGMA』であるというかね。
──そうね。『DOGMA』の中の葵くん作曲のディープな楽曲たちともまた少しテイストも違っているしね。葵くんらしさが、すごくストレートに出ている曲なんじゃないかなって思った。
葵:うん、そうね。自分でもそう思う。
麗:『DOGMA』には足りなかった部分でもあると思うので、俺の感覚では、わりと渋みが深い楽曲だと感じたというか。『DOGMA』にはそういう印象の楽曲がなかったですからね。ライヴ1本の中でも、かなり印象深く届けることが出来る1曲になるんじゃないかなと思いますね。だから、できるだけ丁寧に扱っていきたい曲というか。
──うん。たしかに、憂いの出方がすごく繊細だよね。そこはまさにギター音に感じるところでもあるというか。
麗:お客さん的にも、一気に集中力が高まる1曲になるんじゃないかなと思いますね。でも、そんな雰囲気の中だからこそ、エモーショナルに演奏出来たらいいなと。
──そここそロックバンドの基軸とすべきところというかね。
麗:そう。丁寧なんだけど、そこは荒々しさがなくちゃいけない部分というかね。
──うんうん。ギターはもちろん、低音を支えるリズム隊のどっしりと構えた感じもたまらなくて。個人的にこの曲のフロアタム使いがたまらなく好きで。
戒:頭のところですか?
──そうそうそう。
戒:あははは。ありがとうございます(笑)。原曲のときから、“ほら、こういうフレーズ、あるじゃん?”っていうのを感じたんですよね。それに、曲を通して場面が変わるんですけど、この曲を最初に聴いたときに、イメージをすごく大事にしたいと思ったんです。俺自身も、1曲を通してすごく繊細なイメージがあったというか。その繊細さを、あの頭のタムの応酬のところで、どうやって出していくのか? ってとこが、すごく難しかったんですよね。タムだけだとグーッと重くなり過ぎちゃうんで、刻みのシンバルを入れてなんとかタムに絡ませられないかなって、試行錯誤したんです。
──なるほど、それもあって繊細さが浮きだってるのかも。
戒:そう。そこはね、自分の中で筋を通したかった部分でもありましたね。
──REITAくん、このベースプレイは指弾き?
REITA:いや、この曲だけピックなんですよ。
──え!? そうなの? なんか逆っぽいのに。
REITA:あ、そうそう、プリプロの段階では逆だったんですけどね。「UGLY」「DEPRAVITY」がピックで、「GODDESS」が指だったんだけど、結果としてピックになったんですよ。
葵:そこもなんとなくなニュアンスなんですけどね。指とピックだと音の立ち上がり方が違うから。繊細な曲だからこそ、すごく細かいところが大切になってくるというか。
──たしかにね。ところで、この歌詞は少し詩的な空気感を持っていると感じるけど。
RUKI:サビのデモを付けてるときに、そこの譜割りは歌詞に結構影響があったというか。デモ段階でなんとなくフワッと唄ってみたときに、こういう空気感の歌詞がいいなっていう感覚があったんですよね。この意味というか。曲は広いんだけど、歌詞に落とし込んだところはすごく狭いところでしたね。
──なるほど。この先もツアーが続くけど、今作はどのような流れの中で届けられていくことになりそうだと思う?
麗:俺的には、中盤で唄モノで一旦落ちついた後に入ってきても良しだし、「OMINOUS」の後にやっても面白そうだし、頭の方でやっても良しだし、やりようはいくらでもある感じのライヴ曲たちになっていくと思いますね。
戒:確実にこの曲たちが無かったいままでのライヴよりも、ライヴに奥行きが増していくことになると思いますので、是非。
RUKI:『DOGMA』は、ライヴで表現するのが難しいアルバムだったこともあって、今回のツアーは日に日に変化していますし、まだまだ発展途上なライヴになっているので、この先に続くツアーも是非、楽しみにしていて頂ければと思います。
取材・文●武市尚子
「UGLY」
●初回生産限定盤 CD+DVD
SRCL-8935~8936/¥1,700+tax
【CD】
1.UGLY
2.DEPRAVITY
【DVD】
01.[UGLY]MUSIC VIDEO
02.MAKING OF [UGLY]MV
収録内容
●通常盤CDのみ
SRCL-8937/¥1,200+tax
【CD】
1.UGLY
2.DEPRAVITY
3.GODDESS
ライブ・イベント情報
12.01(tue) よこすか芸術劇場
12.03(thu) オリンパスホール八王子
12.09(wed) 松戸・森のホール21
12.11(fri) 高知市文化プラザ・かるぽーと
12.13(sun) サンポートホール高松
12.15(tue) 広島アステールプラザ 大ホール
12.17(thu) 倉敷市芸文館
12.19(sat) オリックス劇場
12.20(sun) オリックス劇場
12.23(wed) 和歌山市民会館
12.24(thu) 神戸国際会館 こくさいホール
12.27(sun) 仙台サンプラザホール
01.07(thu) 旭川市民文化会館大ホール
01.09(sat) 札幌市教育文化会館
01.11(mon) 山形市民会館 大ホール
01.13(wed) 盛岡市民文化ホール
01.16(sat) 福岡市民会館 大ホール
01.18(mon) 鹿児島市民文化ホール 第2ホール
01.23(sat) 日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(名古屋市民会館)
01.24(sun) なら100年会館 大ホール
総合問い合わせ
Zeppライブ 03-5575-5170(平日13:00~17:00)
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