【インタビュー】VALSHE、5周年の集大成盤に「ひとことで言うならば戦いの日々」

■信じていた人がいなくなるなら、最初から信じないほうが傷つかないって
■でも、信じる強さを身をもって体感する内に以前のように怖れなくなった

▲『DISPLAY-Now&Best-』Musing盤

──では、VALSHEというアーティストのターニングポイントになった曲を挙げるとしたら？

VALSHE：自分にとってのターニングポイントは結構たくさんあるんですが、一番わかりやすいポイントは「Butterfly Core」じゃないかと思います。この曲のジャケットで初めて顔出しをしたので。

──アニメ「名探偵コナン」のテーマ曲に起用され、多くの人に聴かれた曲でもありますし、リリース後にはライブ＜OVER THE HORIZON FIRST CONTACT "LIVE THE JOKER 2013"＞も行ないました。

VALSHE：そうですね。多くの人たちと関わりを持って楽曲を制作するようになって、活動そのものにも大きな変化が生まれたし、何よりも自分自身の“人”に対する考え方が変わりましたね。

──どういうふうに変わったんですか？

VALSHE：自分はそれまで、決められたことをキチッとこなすタイプで、minatoからも「ロボットみたいな人間」って言われていたんです。感情をあまり表に出さないし、思っていることはあるんだろうけど、何を考えているのかわからないって。“誰も頼らず、何も信じずにこういう音楽活動をしていけるわけないじゃん”って言われたこともあって。

──“人”との関わりが薄かったと。

VALSHE：思い描いていた通りにものごとが進むことってないじゃないですか。期待した分だけガッカリするのが辛いから、期待しないでいようと思っていたし、信じていた人がいなくなるなら、最初から信じないほうが傷つかないって考えていたんです。でも、活動していく中でだんだんわかってもらおうとする努力、わかろうとする努力をするようになったし、信じる強さを身をもって体感する内に以前のように怖れなくなっていったんですね。信じてみようと思うようになったし、わかってもらおう、わかろうと思うようになった。ひとりで悩むのではなく、もっとまわりに頼ろうって。それが一番の大きな変化であり、根本的な変化かもしれないですね。

──そんなVALSHEさんの変化も楽曲に反映されていて、このベストからはそれが感じることができます。

VALSHE：そうだと思います。

──聴いていて感じるのは根本的に熱い人なんだろうなって。真っ直ぐさゆえにいくつもの壁にぶちあたって、ときにシニカルな表現になったり。男性的な部分も女性的な部分も持ち合わせているボーカリストだけど、とても人間くさい人なんだなと思いました。

VALSHE：顔出しをしてから、いろんな人に「実はすごく人間くさいよね」って言われるようになったんです。最初はロボットみたいだって言っていたminatoにも「VALSHEって本当はラテン系だよね」って言われたり（笑）。多くの人に人間くさいと言われてよかった！って感じたし、だからこそライブハウスツアーができたんだろうなって。いろいろなものがエピソードとして、ちゃんと繋がっているんだなと思います。

──では、最後にツアーのファイナルでもあり、ベストアルバム発売記念ライヴでもある10月3日の舞浜アンフィシアターについて、どんなステージになりそうですか？

VALSHE：舞浜アンフィシアターは昨年立たせてもらった会場で。終わった瞬間に「ここにまた帰ってきたい！」と思ったところなんです。そこでファイナルができることを単純に嬉しく思いつつも、前回と同じステージは絶対に見せないつもりでいます。というのも昇降ステージがあったりとギミックも多く使える会場なので、同じことをやったら似て見えてしまうかもしれない。なので、前回のステージを土台から全部ひっくり返す勢いで、これまで多くのライブで見せてきたVALSHEを全部詰め込んだらどうなる？っていう。そういう意味でも集大成のファイナルになると思います。

──その先のVALSHEさんはどんな活動をしていくんでしょう？

VALSHE：今は5周年に向けて1日1日を大事に全力投球で進んでいきたいと思っているので、まずはファイナルまで集中して走りたいと思っています。舞浜アンフィシアターでは、今の自分の気持ちを伝えられると思います。

──「重大発表」のことですね、ファイナルに未来のヒントが隠されている？

VALSHE：はい。ぜひ見逃さないでほしいですね。

取材・文◎山本弘子





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