【インタビュー】VALSHE、5周年の集大成盤に「ひとことで言うならば戦いの日々」
VALSHEがデビュー5周年のアニバーサリーDAYである9月23日、ベストアルバム『DISPLAY-Now&Best-』をリリースする。コンセプチュアルな作品を次々と発表してきたVALSHEだが、ベストアルバムでも、そのこだわりは変わることがない。アニメ『名探偵コナン』テーマソングとなった「Butterfly core」や「君への嘘」など、数々のタイアップ曲やアルバムのリード曲を収録した集大成のラインナップは、VALSHE自身と作曲家でありサウンドプロデューサーのminatoの手による選曲だ。
◆『DISPLAY-Now&Best-』クロスフェード
『DISPLAY-Now & Best-』のオープニングを飾る新曲「DISPLAY」が最新のVALSHEであり、「過去の作品を順番通りにキレイに飾るのではなく、今の自分が展示しているイメージで構築していった」ものだと言う。期待しても裏切られるのが怖くて人を信じられなかった初期、初めて自身の姿を明らかにしたことによって生まれた心境の変化、さまざな壁を乗り超えて、戦ってきたからこそ、今の凛としたVALSHEがある。これまでに発表されたミュージックビデオのすべての主人公が登場する渾身のミュージックビデオ「DISPLAY」にも最新のVALSHEからのメッセージが隠されている。
◆ ◆ ◆
■最新のVALSHEが過去のVALSHEを展示しているイメージ
■ひとことでは言えないものが織り混ざっている
▲『DISPLAY-Now&Best-』初回限定盤 |
VALSHE:そうですね。これまでのVALSHEはコンセプトを固めて舞台を鑑賞していただくようなスタイルで公演を行なってきたので、今までとは真逆なことをやっているんです。照明ひとつとっても決め込んでいないので、自分自身の動きも一切の制約がなく、自由。初めてのライヴハウスで純粋に音やみんなとの一体感を楽しんでいます。曲も新たなバンドアレンジで演奏しているんですが、場所が変わると歌い方も表情もパフォーマンスも変化していくし、みんなの熱さが嬉しいですね。
──返ってくる反応もいつもとは違うのでは?
VALSHE:終わったあとに、「筋肉痛だ~!」とか「暴れた!」っていう感想がこんなに返ってきたのは初めてかもしれないですね(笑)。中にはライブハウスで見るのが初めてだという方もいらっしゃるし、何度も経験していて、みなさんをひっぱっていってくださる方もいる。フロアには、ゆったり見れるエリアも作ったんですね。ライブハウスと言えども老若男女いろいろな世代の方が遊びに来てくださって、本当にやって良かったなと思いました。
──ベストアルバムがリリースされる9月23日はVALSHEさんがデビューを飾った記念すべき日であり、本作は5年の軌跡となっています。収録された曲たちを聴いているとこれまでいろいろなことと戦って、ここまで来たんだろうなとも思いましたが、ご自身はどんな日々だったと感じていますか?
VALSHE:“もう5年経ったんだ”という気持ちもあるし、“まだ5年しか経ってないんだ”っていう相反する気持ちもあります。ただ、ふと振り返ってみると、“もうちゃんと歴史があるんだ”と思いましたね。楽しかったこと、大変だったこと、両方あって、1つ1つ乗り越えてきた自分がいるからこそなんだろうなって、まさに感じている最中です。でも、5年間をひとことで言うならば、おっしゃる通り、戦いの日々だったかもしれないですね。すごく前向きな戦いを常にしてきたとは思います。
──なぜ、そう感じたかというと攻めの姿勢、がむしゃらで一途な生き方が曲に出ていると思ったからなんです。
VALSHE:そうですね。自分自身に負けたくないという気持ちが強くて、それは今でも変わらないですね。
──『DISPLAY-Now&Best-』には書き下ろしの新曲「DISPLAY」も収録されていますが、選曲は話し合って決めたんですか?
VALSHE:ええ。選曲に関してはサウンドプロデューサーのminatoと話し合って決めました。自分がミニアルバム(『storyteller』)でデビューをしているので、まず表題曲は入れたいというのがあって。でも、これまで1作ごとにコンセプトを設けて世界観を創ってきた作品を、ただリリースした順番に並べて収録するのはつまらないよねっていう話をしたんです。だったら、ベストしかできないコンセプトを掲げよう、ベストでありつつも、これは最新のVALSHEなんだっていうところをちゃんと見せようという想いが土台にあって収録曲を決めていきました。
──だからサブタイトルが“Now& Best”?
VALSHE:コンセプトを立てようと決めたときに、自分の中に“展示=DISPLAY”という言葉が浮かんできたんです。最新のVALSHEが過去のVALSHEを展示しているイメージ。でも、それは額に入れてキレイに飾られているスタイルではないなと。先ほどもお話したように、これまでの日々は楽しいこともあれば、苦しいこともあって、ひとことでは言えないものが織り混ざっている。だったら、最新のVALSHEが過去のVALSHEを牢獄の中にディスプレイしているコンセプトで創ってみたらどうだろうという話になったんです。
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