【ライブレポート】アーバンギャルド、“公式エンブレム”を掲げて<鬱フェス>初日開幕
そして、ある意味、このフェスには欠かせないアーティスト 神聖かまってちゃんの登場となる。の子(Vo&G)による2ちゃんねるバンド板での宣伝書き込み活動を経て、自宅でのトークや路上ゲリラライブなどの生中継、自作ビデオクリップの公開といったインターネットでの動画配信で注目を集めた、時代の申し子である。「人間というものをほじくり返してやろうかなと思いますよ、鬱フェスだか何だか知んね―けど、こっちはガチでそんな感じだったから」と出演前に語っていた の子の“鬱が爆発”し、いつにもまして破壊的なパフォーマンスとなった。
次に登場するのは、2014年の筋肉少女帯から今回はソロステージでの出演となった“生ける鬱レジェンド”大槻ケンヂ(筋肉少女帯/特撮)である。大槻ケンヂは、アーバンギャルドと共に今回のフェスを象徴するような精神的支柱のアーティストと呼べるのではないだろうか。幾多の世の中の躁と鬱を経験して得て来た人生の悟りとユーモア、そして貫録を漂わせて弾き 語るさまは僕らの指針と言えるだろう。
そして真打として登場したのが、本イベントのホストバンド アーバンギャルド。“トラウマテクノポップバンド”を標榜し、“病的にポップ。痛いほどガーリー。”をキャッチコピーに掲げる彼らが“鬱”をキーワードに夏フェスとの語呂合わせでこのようなエンタメ祭りを開催したセンスに、まずは脱帽する。
アーバンギャルドの歌詞は、世相を反映したネガティブな事象、時代の闇(病み)を切り取り絶望的な状況を伝えながら、曲はあくまでポップで、その対比が素晴らしい。その複雑な表現を的確なスキルによって極上のエンタメに昇華させており、この日のステージでもホストバンドとしての役割を十分全うしていた。
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