【インタビュー】Ken Yokoyama、アルバム完成「パンクロックが大人になったときに何を歌うべきか」

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■今回はなんで昔のロックンロールを視野に入れたか
■自分の血肉の部分を見せたかったんだと思うんです

──なるほど。ここまで歌詞について重点的に話しましたけど、今作は健さんのメロディメイカーの才能を強く実感できるアルバムにもなっていると思うんです。

横山:本当ですか? それはすごくうれしいです。今回はなんで昔のロックンロールを視野に入れたかっていうのを、ちょっと前は説明できなかったんですね。でも最近ちょっとわかってきて。僕、バンドを始めた頃に好きで聴いてた音楽……パンク、ハードコア、メタル、スラッシュメタル、ブルーハーツ大好き、みたいなのはありましたけど、それとは別に、18歳のときにライブハウスで生きていこうと決めて、この先いろんな人と出会ったときに、じゃあローリング・ストーンズの「Brown Sugar」をスタジオでジャムってみようとか、レッド・ツェッペリンの「Good Times Bad Times」をやってみようとか言われたときに、弾けないんじゃ話にならないと思ったんですね。で、全部勉強のつもりで聴いたんです。だから、そういうクラシックロックを聴いたことが、僕の血肉になっているんですよ。そこからオールディーズやドゥーワップ、ロカビリーにも入っていくんですけど、そういった自分の血肉の部分を見せたかったんだと思うんです。メロディックパンクのマナーでアルバム1枚作ることは本当にいつだってできる。ただ、特に震災以降の精神性が重視されてる中で、精神性は持ちつつもしっかりと音楽をしたいっていう気持ちがあったんです。それには自分の経験したクラシックロックの、自分の中での残り具合や存在のし具合というのを見せたかったのかな。うーん、やっぱり言葉にするのは難しいなあ(笑)。うまく説明できないんだけど、そんな気が最近してるんですよね。

──言いたいことは理解できます。実際そういう影響って今までも少しずつ出ていたと思いますし、カバーという別の形でも表現していましたよね。今作にも「Pressure Drop」というレゲエの名曲が収録されていますが、この選曲には驚かされました。この曲はクラッシュやスペシャルズもカバーしていますが、なぜこの曲を選んだんですか?

横山:パンクバンドが大事にしている曲だからかな。日本でもNUKEY PIKESがカバーしてましたけど、パンクマインドを持っている人たちにすごく大事にされてきた曲なんですよね。もともとはレゲエの曲だけど、すごくパンクマインドと合うというか。

──この曲のレゲエやスカのテイストが、『Sentimental Trash』というアルバムにまた合いますよね。しかもそれをMinamiさんが弾いてるというのも、また面白いというか。

横山:そうなんです(笑)。そこは彼なりにいろいろ思うところはあったんじゃないかな。だってKEMURIが今も元気に活動している中で、自分は違うことをやってるよっていう意識がたぶんあったと思うんですよ、KEMURIに対して。そこで僕がスカやろうと言って、“えっ?”というのはあったと思う(笑)。でも彼はカバーすることを快諾してくれたし、逆にやる以上この曲のディレクションは任せてよってくらい、Minamiちゃんが舵を取ってくれました。

──そうなんですね。「Dream of You」で緩やかに始まって、「Pressure Drop」で緩やかに終わるっていう構成は今までにはなかったものかもしれませんが、でも芯にあるものは何も変わってないわけで。いい意味で変化球とストレートを巧みに使い分けた面白い作品ですね。

横山:録ってからだいぶ経ちますけど、今回は自分でもまだ飽きずに聴いてますから(笑)。

──『Best Wishes』が完成した際には曲作りに苦労したとおっしゃっていましたが、あれから3年経ってまさかこういう作品につながっていくとは、当時は思ってもみませんでした。

横山:僕も思ってもみなかったです(笑)。不思議なもんですね。

──ありきたりな言葉ですけど、本当に音楽って面白いですね。

横山:いやあ、本当に面白いですよ。

──そして9月からの全国ツアーでは、このアルバムの曲を生で鳴らしていくわけですね。

横山:はい。ツアーで鳴らしていく中で曲はもっと熟して、アルバムに収められたときの表情とは違う形で育っていくと思うんです。それはお客さんによっても育てられるだろうし。結構ね、Ken Bandの曲ってあるんですよ、ライブで俄然育つ曲が。そういうのがもっと出てくるのかなと思うとワクワクしますし、曲のバリエーションがこれだけ幅広いので、ライブのやり方もちょっと変わるのかな。テンション一辺倒じゃないところがあってもいいのかなとか、このアルバムが次に自分をどこに連れて行ってくれるのかが楽しみです。

取材・文◎西廣智一 撮影◎佐藤哲郎




■6thアルバム『Sentimental Trash』

2015年9月2日発売
PZCA-73 ¥2,190(税抜)
01. Dream Of You
02. Boys Don't Cry
03. I Don't Care
04. Maybe Maybe
05. Da Da Da
06. Roll The Dice
07. One Last Time
08. Mama,Let Me Come Home
09. Yellow Trash Blues
10. I Won't Turn Off My Radio
11. A Beautiful Song
12. Pressure Drop

■全国ツアー<Ken Yokoyama 『Sentimental Trash Tour』>

09/25(金) 渋谷 CLUB QUATTRO
10/06(火) 長野 CLUB JUNK BOX
10/07(水) 金沢 EIGHT HALL
10/09(金) 新潟 LOTS
10/10(土) 高崎 CLUB FLEEZ
10/16(金) 郡山 HIPSHOT
10/18(日) 弘前 Mag-Net
10/19(月) 秋田 Club SWINDLE
10/21(水) 盛岡 Club Change WAVE
10/22(木) 仙台 Rensa
10/24(土) 山形 MUSIC SHOWA Session
12/19(土) 横浜 Bay Hall
01/20(水) 岡山 CRAZYMAMA KINGDOM
01/21(木) 松江 AZTiC canova
01/23(土) 熊本 DRUM B.9 V1
01/24(日) 鹿児島 Caparvo Hall
01/26(火) 長崎 DRUM Be-7
01/27(水) 博多 DRUM LOGOS
01/29(金) 松山 WstudioRED
01/30(土) 広島 CLUB QUATTRO
02/10(水) 清水 ark
02/11(木) 浜松 窓枠
02/13(土) 大阪 Namba Hatch
02/14(日) 名古屋 Diamond Hall
To Be Continued…

■Ken Yokoyama<DEAD AT BUDOKAN RETURNS>

2016年3月10日(木)日本武道館
OPEN17:30 / START18:30
Guest : SLANG
アリーナ:¥5,800(スタンディング・ブロック指定・税込み)
スタンド席:¥4,800(座席指定・税込み)
制限枚数:アリーナ2枚まで。スタンド4枚まで(申し込み1件に付き)
(問)03-3444-6751(SMASH)
※小学生以上はアリーナ、スタンド席にかかわらずチケットが必要になります。
※餓鬼割:小学生以上~18歳未満は当日16:00より会場窓口にて2,000円キャシュバック。
※要身分証明書(保険証・学生証・免許証等)。
※未就学児は保護者同伴に付きチケット不要。
※スタンド席において未就学児でもお席が必要な場合はスタンド指定席のチケットをご購入下さい。餓鬼割り対応致します。
■<アルバム封入先行受付(抽選制)>
受付URL : kenyokoyama.com/dabr
受付期間:9月2日(水)12:00 – 9月15日(火)23:59
※申し込みにはNEW ALBUMに封入されているシリアルコード番号が必要です。
■<STANIC MOBILE会員受付(抽選制)>
受付URL : sp.stncm.jp
受付期間:9月18日(金)12:00 – 9月24日(木)23:59
※申し込みには事前会員登録が必要です。
■<チケットぴあ独占先行予約(抽選制)>
受付URL : http://w.pia.jp/t/ky-budokan/
受付期間:9月26日(土)11:00 – 9月29日(火)11:00
●先行受付チケット料金
アリーナ通常チケット:¥5,800(スタンディング・ブロック指定・税込み)
スタンド席通常チケット:¥4,800(座席指定・税込み)
●一般発売:10/10(土)
アリーナ:¥5,800(スタンディング・ブロック指定・税込み)
スタンド席:¥4,800(座席指定・税込み)
[販売プレイガイド]
チケットぴあ(P:273-445)初日特電:0570-02-9930
ローソンチケット(L:アリーナ立見71717/スタンド指定71720)初日特電:0570-084-636(Lコード必要)
e+ (pre 9/30 12:00-10/4 18:00)
楽天チケット: http://r-t.jp/kenyokoyama
岩盤03-3477-5701(店頭販売のみ)
(問)03-3444-6751(SMASH)
(問)03-5720-9999(HOT STUFF PROMOTION)

◆『Sentimental Trash』特設サイト
◆Ken Yokoyama オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト
◆<DEAD AT BUDOKAN RETURNS>特設サイト

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