【ライブレポート】OLDCODEX、最高の遊び場で「全部、背負って俺たちは前に行く」

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OLDCODEX史上、最長のツアーとなった<OLDCODEX Tour2015 “ONE PLEDGES”>の追加公演が7月18、19日にZepp DiverCityで行われた。

◆<OLDCODEX TOUR 2015“ONE PLEDGES”>追加公演 画像

最終日の19日、隙間がないほどギッシリ埋めつくされた会場は開演前から熱気であふれかえっていた。終演後にオーディエンスがケータイで写真を撮る光景が至るところで見られたYORKE.の手によるステージセットは、ストリート感あふれるOLDCODEXの遊び場のよう。照明の光によってアンダーグラウンドな匂いを醸し出すこのセットは作品の世界観を見事に表現していた。


ハンドクラップで開演を待ちわびる場内を照明が赤く照らし出し、サイレンが響きわたる中、メンバーが登場。オープニングは最新ミニアルバム『pledge』収録曲の「physical」だ。ツアーを経て研ぎ澄まされたエッジーで緊張感たっぷりのサウンドは今のOLDCODEXの最新型。Ta_2の攻撃的なシャウト、YORKE.のラップに突き刺されるような刺激を覚える。続く「Swamp」ではTa_2が声を使い分けた多彩なヴォーカルスタイルで魅了し、YORKE.がステップを踏みながらヘドバンで煽る。ラウドに振り切れた「Ignite」で、「今日がファイナルだぞ! もっと声出るだろ!? もっと吐き出せるだろ!?」とTa_2が叫び、YORKE.がフロアーにペットボトルの水をまき、のっけから攻めのステージに大歓声が上がる。

「やっと20本、最後まで無事に辿り着くことができました。それもオーディエンスのみんなや、さまざまなところで力を貸してくれる人たちのおかげです。オマエたちが日常で感じてるつらいこと、悲しいこと、何でもいい。その胸に持ってること、我慢してること、全部、吐き出してこい! ここはオマエたちと俺たちとで作る遊び場なんだ!」── Ta_2

全力で叫ぶオーディエンス。その想いを解放させるようにハードなギターリフとファンクなビートが絡みあう「Backed out」が鳴らされ、心地いい汗が飛び散る景色が繰り広げられる。マイクを握りしめ、いつだって真っ向から向かい合い、全力の歌を届けるTa_2、ステージに設置された2つのキャンバスを行き来しながら、音の洪水の中、絵筆を走らせ、今や、もう1人のヴォーカリストと言ってもいいぐらいの存在感でTa_2とともに場内のテンションをアゲていくYORKE.。体感している人には言うまでもないが、OLDCODEXのライブの一体感はツアーを追うごとに強力になっている。イントロが鳴らされるたびに歓声が上がり、2度とないこの瞬間を楽しみ尽くし、遊び尽くそうという超ポジティヴなエナジーが渦巻いているのである。


「自分たちが5年間、どういう歩み方をしてきたのかも、たくさん考えたライブだったし、俺もYORKE.も決着がついてない気持ちもあったけど、それをいつもポジティヴな気持ちに変えてくれるのは集まってくれるオマエらだったり、CDを聴いて、声を届けてくれるヤツらで、そういうヤツらによって俺たちは前に進めてるんだ。そういうときにいつも思うのは自分たちの過去は何ひとつ捨てちゃダメなんだって。全部、背負って俺たちは前に行くし、俺たちが歩んできた軌跡は誰にも汚させねーから。そして、それ以上にもっとオマエたちをビックリさせたい、笑顔にできたらいいと思ってるんだ。OLDCODEXが始まったときにコイツ(YORKE.)はメンバーでもないのに、いちばん最初にキャンバスに色をつけてくれたんだよ」── Ta_2

こんな言葉の後に披露されたのはOLDCODEXが4人体制だった5年前にリリースされたアルバム『OLDCODEX』からのナンバー「mono frontier」だった。当時、ペインターとしてMVにゲスト参加していたYORKE.がキャンバスにOLDCODEXの文字を浮き上がらせるように描き、Ta_2がYORKE.のワークを音楽に変換させたかったと話していた「painter」へと移行するという心ニクいセットリスト。ハンドクラップ、コール&レスポンスで盛り上がった「night flight」、歯切れのいいメロコアなナンバー「Landscape」では笑顔がこぼれ、開放感たっぷりの景色が目の前に広がった。

「ライブにルールなんてホントは無用なんだよ。でも人を傷つけちゃいけない。“ありがとう”、“ごめんなさい”って言えればいいんだから」とTa_2が呼びかけ、恒例のメンバー紹介へと突入。「いつもはボディに響くドラムを叩くのにボディタッチに弱いことが判明した」と紹介され、実際にYORKE.たちに触られまくっていたRyo(Dr)、「ちょっと日にちがたつとすぐに髪の色を変えてくる隠れおしゃれさん」と言われテレていた中村泰造(B)。OLDCODEXの野太いビートを支える強力リズムセクションに続いて男気のあるエモーショナルなギターを響かせる大村真司は「楽屋でストレッチをやりすぎたため、ジーンズが破けた」というエピソードを暴露されていた。


3人の侍サポートメンバーに続いて紹介されたYORKE.は、「今夜はまず、俺が楽しんじゃうから。オマエら、ついてこいよ!」とセンターでニルヴァーナの「Breed」を歌いだし、大歓声。その横でTa_2がキャンバスをペイントしていくというポジション逆転のシーンも場内を沸かせた。「Now I am」ではYORKE.が下手の光るキャンバスに描いたダイアモンドのような宝石が、硬くて簡単には壊れないもうひとつの“predge=誓い”、みんなとの絆を象徴しているようにも思えた。

そして、「Lost before」、「seequret」など『pledge』収録の切なくも痛いミドルスローチューンが披露されると場内は、この瞬間を逃さないようにつかまえようとして静まりかえる。ラウドなナンバーと繊細なナンバーのコントラストがより、くっきり描かれるようになった彼らのライブは初めて見た人に爪痕を残す。ただ、発散するだけではなく、忘れられない余韻が残るから、リピーターが増え続けているのだと思う。



静寂を破るように「garden gate」が高らかに鳴らされ、「Rage on」へと移行した後半戦はOLDCODEXとオーディエンスのエナジーがひとつになって、舞い上がっていくようなカタルシスが感じられた。大歓声で迎えられた「kick out」はいつもなら挙手制で選ばれたオーディエンスがステージに上って一緒に歌うのだが、「今日、最後だぞ!」、「今年、最後かもしれないワンマンだぞ!」と煽ったTa_2とYORKE.自らが客席へと突入。もみくちゃになりながら歌い、Zepp DiverCityは興奮の渦に。

「楽しいな。楽しいって作れるんだよ! ここから先はぶっ飛ばしていくからな」とTa_2が叫び、重低音バキバキの「reel」ではTa_2とYORKE.が上手と下手に分かれて歌い、激しくも切ない「Bitter Aspiration」ではYORKE.がステージの上段にのぼり、バックドロップにツアータイトルの「ONE PLEDGES」とOLDCODEX FINALの文字をピリオドを打つようにペイントした。ラストナンバーは「Eyes in chase」。最高の遊び場ここに極まれりのファイナルであった。

OCDコールが響きわたったアンコールでは、サプライズがオーディエンスを待っていた。

「俺たちは小さいハコでもやりてえって今も言っているし、いろいろなところでプレイするのがすげえ楽しい。最近はもっと、スゴイことやってもいいんじゃないか、こういうこともできるんじゃないかって思うことが多くなって、それがすごく嬉しい悲鳴なの。だから、来年の2月10日、11日に武道館でやる!

前回(2015年2月11日)は1日しかなくて、そんなんじゃ足りねーっていう声があったから“だったら、2日、やればいいじゃん”って。俺たち的にも前の“Capture”(<OLDCODEX”Capture”2015 in Budokan>)でまだ武道館と戦いきれてないと思ったところがあると思ったから、あの場所に置いてきた借りを返しに行きます!」

場内に響きわたった大歓声。YORKE.も武道館について「来年の2月はもっと(距離が)近くなる。それこそ、捕まえてやろうと思ってます!」と初武道館のセットとして制作された歴代の作品が一挙に見られるアートワーク展示会を8月26日から開催することを発表した。

2人からの報告に場内のテンションはますます上がり、結局、OLDCODEXは「WALK」、「スクリプト」、「Lantana」、「カタルリズム」、「Sick of it」の5曲を披露。Ta_2は「俺たち、ライブやめたくないパターンに入ってるよね」と笑い、PA、照明、大道具のスタッフチームをみんなに紹介する場面も飛び出した。

生声で「ホントにホントにありがとうございました!」と叫んだTa_2、「また絶対に会えると思う」という言葉を残したYORKE.。まだ、胸に残る熱さはさめやらない。

取材・文◎山本弘子
Photo by 小松陽祐


セットリスト<OLDCODEX Tour 2015“ONE PLEDGES”>
2015年7月19日(日)Zepp DiverCity

1.physical
2.Swamp
3.Ignite
4.Backed out
5.Cold hands
6.mono frontier
7.painter
8.night flight
9.Landscape
10.Now I am
11.Lost before
12.Achromatic Habit
13.bird
14.seequret
15.garden gate
16.Rage on
17.kick out
18.reel
19.Bitter Aspiration
20.Eyes in chase
En1.WALK
En2.スクリプト
En3.Lantana
En4.カタルリズム
En5.sick of it

11th Single「Feed A」

2015年8月5日発売
通常盤: LACM-14371 / ¥1,300(税抜価格)
初回限定盤: LACM-34371 / ¥1,800(税抜価格)
TVアニメ『GOD EATER』オープニング主題歌
CD
1.Feed A
作詞:YORKE. 作曲:Ta_2 編曲:小山 寿
2.Stained me
作詞:YORKE. 作曲・編曲:Gz
3.Where I Stand
作詞:YORKE. 作曲:Ta_2 編曲:eba

DVD(※初回限定盤のみ)
1.”Feed A”(Music Video)
2.Making of “Feed A” Music Video

<YORKE.アートワーク展示会>※タイトル未定

「OLDCODEX Live Blu-ray “Capture” 2015 in Budokan」発売を記念し、
「 “Capture” 2015 in Budokan」のセットとして制作されたYORKE.のアートワーク展示会が開催決定!

開催期間:8月26日(水)~9月1日(火)
会場:六本木ヒルズumu(東京都港区六本木6-9-1)
※詳細は後日発表いたします。

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