【ライブレポート】OLDCODEX、初の日本武道館ワンマンで描いた熱い軌跡。「思いきりここで遊ぼうぜ!」

ポスト


OLDCODEX初の日本武道館ワンマン公演<OLDCODEX“Capture” 2015 in Budokan>が2月11日に行なわれた。

◆<OLDCODEX“Capture” 2015 in Budokan> 画像

これまでツアーなどワンマンに関してはスタンディングの会場でしか行なってこなかった彼らだが、武道館のチケットは即効でソールドアウト。会場までの道のりを歩いていくと、驚くべきことに物販もほぼキレイに売り切れていた。


武道館は3階席のてっぺん、2階席の横までぎっしり。この日を待ちわびていたオーディエンスで埋めつくされていた。そしてステージにはYORKE.が描いてきたOLDCODEX歴代のバックドロップを切り出し、額装した絵の数々が垂れ幕のように飾られている。こんなステージセットは前代未聞である。そして上手と下手に置かれた黒いキャンバス(通常は白いキャンバス)には“OLDCODEX Capture 2015 in Budokan”と白い文字でペイントされている。全てがスペシャルだ。

開演予定の18時を10分ほどまわった頃、客電が落ちると、武道館が揺れるほどの大歓声が沸き起こる。オープニングは2010年にリリースされた1stミニアルバム『OLDCODEX』に収録されている「cresc.(クレッシェンド)」だ。しょっぱなからTa_2が下手で歌い、YORKE.が上手でコーラスをとり、ステージの両脇に分かれるパフォーマンスにも意表を突かれたが、初期のナンバーやシングルのカップリング曲をたて続けにぶちかます前半のセットリストもオーディエンスを驚かせたに違いない。初の武道館ワンマンにして攻めのアティテュード。タイトルどおり、これは過去の楽曲をふくめてOLDCODEXを生け捕りにするような生々しいライヴなのだ。

パワーアップしているTa_2のヴォーカル、ドラム、ベース、ギターのスリーピースとは思えないほどラウドでエモーショナルなサウンド、鳴らされる楽曲を瞬時につかまえて鮮やかにキャンバスを塗り替えていくYORKE.。ヴォーカリストとペインターという規格外のユニットが武道館を満員にすること自体、異例のことだ。しかも、2人はステージに出てきたとたん、この空間をガッツリつかまえてしまっていた。

「こんばんは、OLDCODEXです! 初めての椅子アリのライヴです。ただ、1秒たりともお前らをその椅子に座らせねえからな! 理性のスイッチを切った状態で思ってることや感じていること、イヤなことや嬉しいこと、悲しいこと、何でもいいや。全部、俺たちにぶつけてくれよ! 思いきりここで遊ぼうぜ! OLDCODEX“Capture”へようこそ!」


Ta_2が煽り、イントロが鳴らされるたびに歓喜の声が上がり、ライヴは加速していく一方。破壊力が格段に増したヒットシングル「Dried Up Youthful Fame」ではキャンバスがロボットのように動き、6つに割れるという仕掛けにみんな驚愕(舞台スタッフが映画『スパイダーマン2』に登場するドクター・オクトパスの金属アームをイメージしたとか)。Ta_2がドラム台にのぼってジャンプし、2人が初めてセンターに集結した「♯4」ではコール&レスポンス。灼けつきそうに熱い時間が流れていく。

客席を見渡し「みんな、見えてる?」とYORKE.が問いかけ、Ta_2が「いい日だね。皆、楽しそうだね」と笑って、中盤はOLDCODEXの世界にインナートリップできるセクション。青に染まったステージで演奏された緊張感あふれるドラマティックな「hidemind」から、一転して赤が空間を支配する「How Affection」とアルバムの最後を飾ってきた陰影のあるナンバーが会場をすっぽりと包みこんでいく。内側の熱を放出するようなTa_2の叫びが場内に響きわたり、白い光が客席を照らした切なくもダイナミックな「Elephant over」では祈るように目を閉じてTa_2が歌い、YORKE.はアルバム『CONTRAST SILVER』のツアーのときと同じピラミッドの絵をキャンパスに描いた。この“動”と“静”の振り幅がOLDCODEXの魅力のひとつでもある。もちろん、センシティブな曲にも青い炎が燃えさかっているのだが、2人が魂で音楽を奏でていることがダイレクトに伝わってくる。

「けっこうセットリスト、意外でしょ? せっかく“Capture”だから今までの俺たちをキャプチャーできたらいいなと思ってやってます。そういうわけで“静かセクション”でした」とTa_2がOLDCODEXの強力サポートメンバー、Ryo(Dr)、中村泰造(B)、昨年のツアーから参加している大村真司(G)を誇らしげに紹介。YORKE.は珍しく緊張しているとテレながら「いつも通りにステージに立とうと思ってたけど、会場に着いてみんなの顔やスタッフが大勢いるのを見たらグッとくるものがあって“がんばらなきゃ”って」と初武道館ワンマンのリアルな心境を語り、スタッフの愛情あふれる意見によって武道館に立つことを決意したというTa_2は「すげえ突っ張ってるかもしれないけど俺はライブハウスが好きだし、椅子とか関係なしに縦横無尽に俺たちが主導権をとって暴れさせてーなと思ってるバカヤローです。でも、今、ここに立ってみて、場所なんか関係ないんだなと思いました」と場内を沸かせた。


後半戦はTa_2とYORKE.がヴォーカルをとるオルタナティヴなヘヴィチューン「Massive Act」で始まり、パンク魂炸裂の「Meteor Train」でますます場内の温度を上げていく。すべての曲を覚えていて歌えるのではないかと思うぐらいのオーディエンスの熱と“ここにいる全員を見たことのない景色に連れていく”という気概がビシビシ感じられるOLDCODEXとの相乗効果で武道館にあふれたポジティブなエナジーをなんと表現したらいいのだろう。絶妙のタイミングでキラーチューン「WALK」が放たれ、Ta_2が「今日は1回しかないぞ! 明日はねぇんだぞ!!」と叫んだ「kick out」ではOLDCODEXを陰でサポートし続けてきたディレクターの菅谷氏が突然、紹介され、PA席から歌うというハプニングも飛び出した。そして、本編ラストを飾ったナンバーはLUNA SEAのINORANが作曲、プロデュースしたことでもおなじみのラウドかつメロディックなナンバー「HEAVEN」。終着点は“天国”という心ニクいエンディング。YORKE.の描いていた羽根を持つシンボルの絵に“HEAVEN”という文字が書き加えられた。

本編が終わるなり、アンコールの嵐。OCDコールは時間がたつにつれ大きくなっていった。


「すげえ声だね。バックヤードにいても超聞こえてる。さすが。そうやって楽しむ天才が集まってるのがいちばん、いいライヴだと思うよ。ありがとう」── Ta_2
「美しいものは美しいということを次の世代にも伝えたい。そのためにも光をもっと強くさせたい。これからも、ついてきてくれ!!」── YORKE.

会場に来られなかった人、チケットをゲットできなかった人も含めサポートしてくれるすべての人たちに感謝の言葉を述べたOLDCODEX。グッズが売り切れてしまったことに対して、スタッフになんとかできないのか交渉したというエピソードもいかにも彼ららしかった。

オーディエンスとのかけあいに笑顔がはじけた「スクリプト」、「Harsh Wind」と続き、ラストナンバーは2人で初めて作った曲だと紹介した「Rage on」。“伸ばした僕の手は見た事無い景色へ繋がった”と歌うこの曲がまさにこの日を、そして未来を暗示していたように響いてきた。

すべての曲が終わり、ハグしあう2人に拍手と歓声が降り注ぎ、ガラガラになった声でTa_2は「ありがとうございます!!」と叫んだ。やがて誰もいなくなったステージのスクリーンには、再びスタンディングの会場で行なわれる全国ツアーのスケジュールが。そして4月1日に3rdミニアルバム『pledge』がリリースされるという告知とともに、リードトラック「Eyes in chace」のMVが映し出された。

武道館で過去最高のライヴを更新したOLDCODEX。彼らが切り開く明日がますます楽しみになった。

取材・文◎山本弘子
Photo by NORIKAZU TATSUKAWA, AKI ISHII, TAKAHIRO SAKATA


OLDCODEX 3rdミニアルバム『pledge』

2015年4月1日(水)発売
CD+DVD
品番:LACA-15482 価格:¥2,800 (税抜価格)
TVアニメ 『キュートランスフォーマー 帰ってきたコンボイの謎』OPを含む 6曲収録予定

<OLDCODEX 全国ツアー開催決定>

日程:4月30日(木)
会場:【東京】豊洲PIT
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:H.I.P. 03-3475-9999

日程:5月1日(金)
会場:【東京】豊洲PIT
時間:OPEN 17:30/START 18:30
info:H.I.P. 03-3475-9999

日程:5月8日(金)
会場:【宮城】仙台Rensa
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:G.I.P 022-222-9999

日程:5月15日(金)
会場:【広島】BLUE LIVE 広島
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:夢番地(広島) 082-249-3571

日程:5月17日(日)
会場:【静岡】SOUND SHOWER ark
時間:OPEN 16:30/START 17:30
info:サンデーフォークプロモーション静岡 054-284-9999

日程:5月22日(金)
会場:【富山】富山MAIRO
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100

日程:5月24日(日)
会場:【福井】福井県県民ホール
時間:OPEN 16:30/START 17:30
info:キョードー北陸チケットセンター 025-245-5100

日程:5月30日(土)
会場:【沖縄】ミュージックタウン音市場
時間:OPEN 17:00/START 18:00
info:PMエージェンシー 098-898-1331

日程:6月6日(土)
会場:【札幌】Zepp Sapporo
時間:OPEN 17:00/START 18:00
info:WESS 011-614-9999

日程:6月12日(金)
会場:【大坂】Zepp Namba
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:SOGO大阪 06-6344-3326

日程:6月13日(土)
会場:【大阪】Zepp Namba
時間:OPEN 15:00/START 16:00
info:SOGO大阪 06-6344-3326

日程:6月18日(木)
会場:【名古屋】Zepp Nagoya
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

日程:6月19日(金)
会場:【名古屋】Zepp Nagoya
時間:OPEN 17:30/START 18:30
info:サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

日程:6月26日(金)
会場:【福岡】Zepp Fukuoka
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:BEA 092-712-4221

日程:6月27日(土)
会場:【福岡】Zepp Fukuoka
時間:OPEN 15:00/START 16:00
info:BEA 092-712-4221

日程:7月3日(金)
会場:【神奈川】川崎CLUB CITTA’
時間:OPEN 18:00/START 19:00
info:H.I.P. 03-3475-9999

日程:7月10日(金)
会場:【愛媛】松山市総合コミュニティセンター
時間:OPEN 17:30/START 18:30
info:デューク松山 089-947-3535

日程: 7月11日(土)
会場:【岡山】岡山CRAZYMAMA KINGDOM
時間:OPEN 17:00/START 18:00
info:夢番地(岡山) 086-231-3531

料金:
スタンディング 5,500円(税込 / 整理番号付)
2F指定 5,500円(税込) / Zepp・松山市総合コミュニティーセンターのみ)
※ドリンク代別途必要(福井県県民ホール・松山市総合コミュニティーセンターを除く)
※3歳以上有料

◆OLDCODEX オフィシャルサイト
この記事をポスト

この記事の関連情報