【インタビュー】Purple Stone、2ndシングルで「タブーを全て取り払った」

2015.7.1 17:00

■広がっていく感じを意識した
■世界を見にいく感覚がベースでも表現できたんじゃないかな──風麻

▲風麻（B）

──捨てる勇気も持っていることが分かります。続いて、会場限定盤収録の「Break the World」。

Keiya：「LIGHT BLUE」よりも前に作った曲ですね。

風麻：原曲を作ったのはGAKと出会う前だったよね。

Keiya：そう。骨格は原曲のままだけど、それをGAKがアレンジして今の良い形に仕上げてくれました。GAKのシンセアレンジがなかったら、“どロック”な曲です（笑）。

GAK：最初にもらった2コーラスくらいのデモは本当にそういう感じでした。でも、すごくカッコ良い曲だったから「どうしてもこの曲をやりたい」って僕が勝手にアレンジしたんです。タイトルに“World”という言葉が入っているじゃないですか。楽曲の方向性的にもテンポ的にも、サウンド的にもワールドワイドな印象を受けて、民族楽器の音だったり、世界各国の楽器の音を詰め込みました。

風麻：実は、僕はそういうアプローチに反対していたんですよ。変なものになってしまうんじゃないかなと。でも、GAKが作ってきたトラックを聴いたらすごく良くて、さすがだなと。

Keiya：GAKには頼りっぱなし（笑）。歌詞は作った当時に書いたものがとてつもなくエゲつない、棘だらけの歌詞だったので、もう少し分かりやすいものにしたほうが良いと風麻に言われて（笑）。2人でディスカッションを重ねながら大掛かりに変えた結果、毒はまぁまぁ残ったから良いかと（笑）。

──「Break the World」というタイトルですが、“世界を壊せ”というアジテーションではなくて、自分らしく生きろというメッセージになっています。

Keiya：決して後ろ向きな歌詞ではなくて、聴いてくれた人の背中を押せると良いなと思っています。サビに関しては、完全に自分の願望です。Aメロとかでブチブチ言ってることも、ペルソナみたいな感じで全部自分に対して言ってることだし。そうすることで、逆に普遍性のある歌詞になった。僕と同じように誰もが悩みを抱えていると思うけど、結局悩みや不安は今の自分が置かれている環境から生まれるものじゃないですか。視野を大きくして世界を見たり、自分のことを客観的に見つめると、いろんなことを考えられるようになるんですよ。だから、今自分がいる世界だけですべてを解決しようとするんじゃなくて、世界を見ることでもっと高めていけるということを自分に言い聞かせつつ、みんなにも共感してもらえたらなと。

GAK：ギターは難しいことやギミック的なことはあまりしていないけど、Aメロのラップの後ろのリフが大変でしたね。2～3音の繰り返しを一定のリズム、一定のニュアンスで弾く必要があって。

──中間の展開パートでアコースティックギターを鳴らしているのが良いフックになっています。

GAK：あれこれ考えてアコギにしたわけではなくて思いついたんです。スパニッシュっぽいテイストというか、アコギも民族楽器の一部として使いたいなと。とりあえず自宅で録って、スタジオで弾き直そうと思っていたら、そのテイクがそのまま活かされました（笑）。みんなに宅録したテイクで問題ないよと言われたんです。

風麻：ベースはドラムとしっかり合わせて、気持ち良いグルーブを出すことに専念した感じです。この曲はめっちゃ難しいんですよ。変に音を伸ばしたりするとグルーヴが消えてしまうから、一瞬たりとも気が抜けなくて。だからライブでやる時は本当に集中して、動かないというか動けない（笑）。ひたすら耐えるのがベースの仕事だろうと思って、いつも弾いています（笑）。あとは、ラストのサビに向かって広がっていく感じを出すことも意識しました。世界を見にいく感覚をベースでも表現できたんじゃないかなと。

Keiya：歌はサビの爆発感が一番大事やなと思っていました。AメロとBメロはネガティブな歌詞だし、言葉も詰まっているじゃないですか。それに合わせて押し殺した状態で、サビ頭で“バーン！”と炸裂する形にするべきだなと。だからその部分は遠くを見ているイメージで歌ったし、コーラスもメッチャ入れました。この曲はラップもしていて、結構ヒップホップのテイストが強くなっている。僕はそういうものも好きなので、今後はもっと採り入れていきたいと思っています。

──今回の「アオイヤミ」はPurple Stoneの硬派な面が押し出された要チェックの一作になりましたね。シングルのリリースに併せて6月26日にOSAKA RUIDOで行なわれる初のワンマンライブも楽しみです。

Keiya：僕が病気から復帰した時に一度ワンマンに近いライブをしたんですけど、その時は時間も短めだったし、チケットも390円ということでライトなワンマンという感じだったんです。今回が正式なPurple Stone初のワンマン。初めて僕らのワンマンを観るファンに、やっぱりPurple Stoneは上にいくなと思ってもらえるようなものにしたい。ただ単に曲をたくさん聴かせるだけではなく、プレミアム感のあるイベントにしたいですね。やりたいことはいっぱいあるので、その中から実現可能なものをチョイスして必ず観応えのあるライブにします。

風麻：対バンの時は大体4曲で長くやっても8曲とかなので、ライブでやったことがない曲のほうが多いんですよ。それを組み込んだ長いライブをした時に、どういう風景になるのかが楽しみ。Keiyaと僕はライブの軸になるストーリーを考えたりするのが好きで、GAKは曲間のSEとかを作るのが好きなんですよ。そういうところを活かして、一つのショーとしてライブを見せられると思う。

GAK：曲間のSEやオープニングSEも新調しようかなと思っていて。初ワンマンということに加えて、そういう楽しみもあってやる気に満ちています。新曲はもちろん、ワンマンならではの演出とかも活かして、観た人にワンマンをたくさんして欲しいと思ってもらえるライブにしたいですね。観ておかないと後で後悔することになるので、ぜひ会場に足を運んでほしいです。

取材・文◎村上孝之