【インタビュー】Purple Stone、2ndシングルで「タブーを全て取り払った」

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Purple Stoneが7月1日、2ndシングル「アオイヤミ」をリリースする。前シングル「甘酸っぱいマンゴー」から半年ぶりとなる同作は、keiyaのエッジの効いた歌声が響かせる極上のメロディーが聴きどころのひとつ。激しさと切なさが共存するハードチューンにはメンバー間の絆と意志を感じさせる仕上がりだ。

◆『アオイヤミ』SPOT 動画

結成わずか半年にして<イナズマロックフェス2013>に抜擢されるなど、バンド始動当初より関西ヴィジュアルシーンで高い注目を集めた彼らだが、2014年、ボーカルkeiyaの喉の疾患によって一時活動休止を余儀なくされる。そして、「甘酸っぱいマンゴー」で完全復活の狼煙を上げた彼らの2ndシングルは、Keiya曰く「タブーを破った曲」だという。その全貌を語り尽くすロングインタビューをお届けしたい。

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■この半年間は不安でいっぱいだったんです
■でも、そんな状態で走っているのは自分だけじゃない──Keiya

▲Keiya(Vo)

──ニュー・シングル「アオイヤミ」制作に入る前は、どんなことを考えていましたか?

Keiya:前作のタイトルが「甘酸っぱいマンゴー」という、かなりパンチの効いたものだったじゃないですか(笑)。その次にくる作品はどういうものが良いだろうと、めっちゃ曲を作っていたけど、半年間悩みに悩みました。作ってはボツ作ってはボツを繰り返していたんです。そういう中で、いろいろ考え過ぎやなと思った時があって。自分の中にある曲作りに関するタブー……たとえば、これはやらないほうが良いだろうといったことを全部取り払って、“よーいドン!”で曲を作ってみたんです。それで出来たのが「アオイヤミ」(笑)。原形ができた時に自分の中で手応えを感じたし、メンバーもスタッフも良い曲だと言ってくれて。要するに、自分が本当にやりたいことをストレートに形にすることの大切さを改めて感じました。

風麻:この曲は僕らの中でシングルとしては完全にタブーだった曲です。だから、デモを聴いた時に、“Keiyaやりやがった!”と(笑)。ニューシングルのタイトル曲を作るにあたって、“お客さんがフリとかをつけて乗れる曲を作ろう”というテーマがあったんですけど、この曲だと無理じゃん…っていう(一同笑)。でも、そういうことを超えたカッコ良さや説得力があって、良いんじゃないかなと思いました。

──衝動を活かしたものが周りを巻き込む力を持っていることは多いですよね。バンドにはどういう形で持っていったのでしょう?

Keiya:今回はかなりデモを作り込んで、みんなに聴いてもらいました。なんやったら締切を超えた限界くらいまで自分を追い込んで、ほぼ完成形に近いところまで作り込んで。これをもっと良くしてくださいってアレンジをGAKに投げました。完全なムチャ振り(笑)。GAKに電話して「ゴメン。ホンマに時間がないんやけど、2~3日でやってもらえへんかな」と言ったら、「今日1日でやります」と即答してくれて、“頼れるぅー!”と思いました(笑)。

GAK:あはは。僕はシンセサイザーの打ち込みをしたんですけど、デモを一聴して、ここにこういう音を入れようか、どういうフレーズを入れようかといったことがすんなりと出てきて。シンセアレンジに関しては、一晩でフルコーラスできました。最近のエレクトロとヘヴィィネスをミックスさせたバンドを意識しつつ、オリジナリティーも入れつつというアプローチになっています。

風麻:GAKが入れたシンセを抜いたら、マジで無骨な曲だよな(笑)。

▲「アオイヤミ」全国流通盤

──結果、スタイリッシュなハードチューンに仕上がっています。“青い闇を突き抜けていく 一筋の光になりたい”という歌詞も注目です。

Keiya:僕らは夢を持って音楽をやっているわけですけど、この半年間は不安でいっぱいだったんです。どれだけ曲を作っても“これだ!”というものができなくて、自分は才能がないんじゃないかと。出口が見えない状態で、真っ暗闇の中を走っているような感覚だった。でも、メンバーとかバンド仲間と話をしたら、みんな「いや、俺もな…」とか言ってくれて、そんな状態で走っているのは自分だけじゃないことに気づいたんです。その時に、自分は夜明け前の空がちょっと青みがかったところにいるんじゃないかなって。そう感じたもん勝ちやなと思ったんです。それを作品にしたいという想いがあったし、同じように不安に感じている人に、“一緒に走っていこうぜ!”みたいな言葉をかけてあげられたらなと思って。

──悩んでいる人の気持ちを引き上げる歌詞になっています。

Keiya:ただ、最初は歌詞の内容が自分のことばかりだったんです。ちょうどその頃に風麻と意見がぶつかったことで自分の感情が爆発してしまって、“ワァーッ”とまくしたてたことがあったんです。“なんで俺、あんなにわけの分からんこと言ったのかな”と悔やんで。その時のことが2番Aメロに描かれています。風麻は気遣ってくれているのに、自分が周りが見えていないからそういうことになってしまう。本当に不毛なことやったと思いながら、その気持ちを新たに書いたことで完成したという。

風麻:Keiyaと僕はわりと意見がぶつかることが多くて。でも、それは真剣にバンドに取り組んでいる証拠だから。それに、Keiyaは結構熱く反論してくるけど、僕はすごくフラットに「いや、そうですけど」みたいな感じなんです(笑)。そうやって僕がツラツラっと応えて、Keiyaが“うーん…”となって帰ることが多い(笑)。2人とも熱くなって言い争うわけじゃないから、後に尾を引かない。

Keiya:いやいやいや。こう言ってますけど、風麻も熱いですよ(笑)。

風麻:特に最初の頃はそうやったね(笑)。出会った当時、一緒に歌詞を書いたりしている時はほんまに一触即発やった。でも、これやと話ができへんわと思って、なるべく感情的にならないように変えたんです。

◆インタビュー(2)へ
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