【インタビュー中編】デヴィッド・カヴァーデイル「WSの新章の始まりになるかも知れないね」

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──新加入ギタリストのジョエル・ホークストラ(元ナイト・レンジャー)は、どのような貢献をしていますか?

デヴィッド・カヴァーデイル:ジョエルはテクニカルで、同時にメロディアスなギタリストだ。「ジプシー」のメロディ・パートは、彼が弾いたものだ。それにアルバムのアコースティック・ギターは、すべてジョエルが弾いている。彼は「セイル・アウェイ」を見事に生まれ変わらせてくれたよ。彼がよりクリーンなサウンドをバンドにもたらしたことも、特筆すべきだろう。私は元々レスポールの分厚い、ビッグなサウンドが好きだったけど、彼のサウンドを取り入れた、新しいアプローチにも興味を持つようになった。もしかしたら、このアルバムはホワイトスネイクの新章の始まりになるかも知れないね。

──「幸運な兵士」はホワイトスネイクのライヴでもおなじみの曲ですね。

デヴィッド・カヴァーデイル:「幸運な兵士」は大好きな曲なんだ。故郷や君主を持たず、一人さまよう兵士というシチュエーションを、自分の人生になぞらえているのかも知れない。当時、リッチーは歌詞について「13世紀の兵士が戦場から帰還する歌詞にすればよかったのに!」と言っていたけどね。私は当時まだ生まれていなかったから、そういう歌詞を書くのは苦手だよ(苦笑)。ただ「幸運な兵士」はブラックモアズ・ナイトもライヴでやっていたし、気に入ってくれたんじゃないかな。このアルバムでは「セイル・アウェイ」もイングリッシュ・フォーク風のアコースティック・ヴァージョンにしている。このアレンジでブラックモアズ・ナイトがプレイしたら、ぴったりかも知れない。


──「紫の炎」は2004年のツアーでオープニング・ナンバーとして演奏され、『グレイテスト・ヒッツ・ライヴ』にも収録されましたが、『ザ・パープル・アルバム』のテイクとはどのようにメンタリティが異なるでしょうか?

デヴィッド・カヴァーデイル:2004年のツアーで「紫の炎」をプレイしたのは、当時のメンバー達が強く主張したものだった。私自身、それは良いアイディアだと思って、やることにしたんだ。当時ホワイトスネイク公式サイトの掲示板に「あの新曲は最高だ!スタジオ・ヴァージョンはホワイトスネイクのどのアルバムに入っているの?」という書き込みがあって、驚いたのを覚えているよ。若いファンは、あれがディープ・パープルの曲だと知らなかったんだ(笑)。「紫の炎」はアルバムの1曲目で、多くの人が初めて第3期ディープ・パープルに触れたのがこの曲だった。だから私にとっても思い出があるんだ。1973年、モントルーに設置したローリング・ストーンズのモバイル・スタジオで、私はリッチーが「紫の炎」を弾くのを隣で見ていた。そして今回、レブとジョエルが同じ「紫の炎」を弾く隣にもいたんだ。こんな素晴らしい経験を人生で何度も味わえるなんて、私は本当に幸運だと思うね。
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