【インタビュー】SCOTLAND GIRL、2ndアルバムは「新しさも“らしさ”も込めた『As I am』」

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■これまでドラムレコーディングをしてきた中で
■一番やっていることがシンプルなんじゃないかな──Ryo(Dr&Cho)

──アルバム『As I am』のドラムはアタッキーなヌケの良さと豊かな鳴りの温かさが共存していますが、レコーディングはどのような?

Ryo:プレイの部分では、できるだけシンプルにすることができたと思います。SCOTLAND GIRL以前のバンドも含めて、これまでドラムレコーディングをしてきた中で、一番やっていることがシンプルなんじゃないかな。

──手数を抑えているぶん、楽曲の芯を際立たせるようなドラムフレーズアレンジを心がけたという。それはバンドアレンジ全体に言えますよね。

Shiori:あえてですね、それは。

Ryo:そう。

Shiori:歌をメインに押し出したいというのもあって、今までは手数を多めにしていたところを今回はシンプルにしたほうが楽曲のこの部分が活きるっていうことは、結構みんなで考えましたね。だからドラムは引き算の部分を増やしたというか。ムダな部分は入れずに削ぎ落としているんです。

Ryo:そこが難しいところでね。僕が結構入れたがりなんですよ(笑)。でも、結果、いい案配に仕上がったと思います。

──サウンド的にはどうでした? リズムアプローチは様々ですが、サウンド的なバラツキはないですよね。

Ryo:録り音はエンジニアとリーダーに任せているんですけど、スネアは全曲、自分がいつも使っているメインで録ったんで、音の方向性は変えてないですね。シェルに穴が空いているタイプで、音の抜けも大きさもいいんです。

──ギターはエッジの効いた太いサウンドが特徴的で。基本的にベーシックのバッキングをダブルで録りつつだと思うんですが、新たなレコーディング方法なども試されましたか?

GORI:マニアックなことで言えば、ギターの録り方は今までやったことのない方法でしたね。前作まではギターアンプ1台でそれにマイクを当てて録っていたんです。でも今回はエンジニアさんの提案で、マーシャルのJCM800とJCM2000を2台鳴らして、それを2本のマイクで録りつつ、最終的にはそれを1本のラインで出力しているんです。その音で2回録ってダブルで鳴らしているという。

──ということは、JCM800とJCM2000のギターサウンドがブレンドされた音が、LRに1本ずつ?

GORI:そう。バッキングの時点で、もう音がこれまでとは違うんですよ。この方法によってギターのレンジが確実に広がりましたね。

──プレイ的にはギターリフ主体の曲もありつつ、ソロではベースのオブリとの絡みがあったりと、練り上げられたアンサンブルも聴きどころだと思いました。

Shiori:今回はフルアルバムとしても全国流通としても5年ぶりだし、曲作りの段階から絶対に妥協したくなかったんですね。

──Shioriさんとしてはレコーディング以前の意気込みからして並々ならぬものがあったと。

Shiori:そうなんです。だからメンバー間でケンカしまくって(笑)。メロディの付け方ひとつにしても。ぶつかったのはほとんどGORIと私ですけどね(笑)。

GORI:100%そうやったな(笑)。この曲のこの部分はこう行きたいとかで、ぶつかったりしたよね。生粋の作曲者がバンドの中に2人いることの難しさってあるんでしょうね。1人の作曲者がほとんどの曲を作っていて、ほかの人がたまに作ってきますっていうカタチだったら、上手いことまとまるんでしょうけど。超作曲者なので、2人とも(笑)。

Shiori:お互いにこだわりがあるから意見が衝突したり、上手くまとまらない日もあったんですけど。最終的には全曲がこれだ!っていう良い着地点に揃えることができて。それは自信になりましたね。

──アルバムには、先ほどGORIがおっしゃっていたように1stミニアルバム『Make a story』収録曲でありライブの定番曲「Sunny day」や、ShioriさんとGORIさんの共作曲にしてRyoさん加入後に初めて完成したという「Faith」も収録されています。そういう意味でも過去から現在までの集大成的な様相を呈したアルバムとなったわけですが、エンディングナンバーに初の日本語詞によるバラード「Life is Beautiful」を入れたのは?

GORI:作詞作曲は僕なんですけど、曲自体は2~3年前からあったものなんです。歌詞は、SCOTLAND GIRLの初代サポートベースの先輩と僕が、震災から1年半くらい経ったときに滋賀のみんなに協力してもらって、物資を被災地へ届けに行った直後に書いたもので。そこに行って見たことや、集合仮設住宅に住まわれている方々と触れ合ったことで、自分の考え方がそれまでとは変わったんです。その体験を経て、命について考えたときの歌詞がこの曲。決して震災について直接的に書いた歌詞ではないんですが、生きるということを考えた時期にできました。

──それを日本語詞にしたということは、メッセージをより多くの人にわかりやすいカタチで伝えたかったということでもあるんでしょうか?

GORI:そうですね。それプラス、SCOTLAND GIRLは100%英語で行きたいバンドだとは思ってないんです。ちょくちょく歌詞に日本語も挟めていくことができたらなということは以前から考えていて。このタイミングで、日本語が合いそうなメロディーとアレンジができたから、やってみようかという感じ。でも、この曲は英語にするっていう選択肢はなかったですね。

Shiori:私も日本語詞の曲というのは今後もやっていきたいと思っていたので、初めて日本語詞でGORIが作ってきたこの曲を聴いて、単純にいいなと。ただ、今までオリジナルでは全く日本語詞をやったことながいので、ちょっと言い方は悪いですけど、ダサくならないようにというか。しっかりアレンジをすればもっと良い曲になるやろうなと思ったので、全然賛成でしたね。

Ryo:最高です。ゴリポンが原曲を持ってきたときから全く違和感がなかったから。

──こういう曲をアルバムの最後に持ってくるあたりに、SCOTLAND GIRLの今後の広がりや新しい未来を感じさせられて。曲順的にもベストですね。

GORI:ああ、嬉しいですね。この曲順はJunさん案です。結構前から言ってましたね。SCOTLAND GIRLってこういう曲もできるんだ!?みたいな印象を残したいって。

Shiori:まさに、この先もお楽しみに!っていう意味も含めて。

──という、バンドの過去も未来も新たな挑戦も、すべてを注ぎ込んだアルバムに、『As I am』というタイトルを付けたのは?

Shiori:“自分らしく”とか“あるがままに”という意味なんですが、日頃から自分らしさということを私はすごく大切にしているんです。このアルバムに収録した曲たちにも、全部SCOTLAND GIRLらしさがあって。新しいジャンルっていうか、これまでの私たちになかった曲調もSCOTLAND GIRLの色だよって提示できる。そういうあるがままのSCOTLAND GIRLをふんだんに込めることができたアルバムに、『As I am』というタイトルを付けました。

──3月21日(土)の地元・滋賀BLUE公演を皮切りに全34公演の<SCOTLAND GIRL "As I am Tour 2015">が開催されます。足掛け5ヵ月間のロングツアーとなりますが、新しい楽曲が中心となるであろうステージ、期待しています。

GORI+Shiori+Ryo:ありがとうございます!

取材・文◎梶原靖夫(BARKS)



■2ndアルバム『As I am』

2015年3月4日発売
PZCJ-3
1.On a new note
2.Change or Nothing
3.Refrain
4.Dream of you and me
5.Always with love
6.Faith 7.Selfish
8.Eyes on Me
9.Sunny day
10.I’m greedy
11.Within ourselves
12.I’ll be seeing you
13.Life is Beautiful

■<SCOTLAND GIRL "As I am Tour 2015">

3月21日(土) 滋賀BLUE
3月28日(土) 京都GROWLY
4月04日(土) 福井CHOP
4月05日(日) 大阪新神楽
4月19日(日) 名古屋Party's
4月25日(土) 磐田FM-STAGE
4月26日(日) 静岡UMBER
4月28日(火) 米子laughs
4月29日(祝水) 尾道BxB
5月03日(日) 金沢VanVanV4
5月04日(祝月) 富山Soul Power
5月05日(祝火) 長野JUNK BOX
5月06日(祝水) 熊谷HEAVEN'S ROCK
5月09日(土) 出雲APOLLO
5月10日(日) 小倉FUSE
5月14日(木) 横浜F.A.D
5月15日(金) 千葉LOOK
5月16日(土) 八王子RIPS
5月22日(金) 神戸太陽と虎
5月23日(土) 岡山CRAZY MAMA 2nd room
5月24日(日) 伊勢QUESTION
5月30日(土) 札幌COUNTER ACTION
5月31日(日) 苫小牧ELLCUBE
6月05日(金) 新潟GOLDEN PIGS
6月06日(土) 高崎SUNBURST
6月07日(日) 新宿ACB
6月12日(金) 宮古COUNTER ACTION
6月13日(土) 八戸ROXX
6月20日(土) 京都Gattaca
6月27日(土) 徳島CROWBER
“-FINAL SERIES-”
7月10日(金) 名古屋HUCK FINN
7月12日(日) 大阪Pangea
7月17日(金) 下北沢SHELTER
7月19日(日) 滋賀B-FLAT
※対バン、チケット等詳細はオフィシャルHPにて随時更新

◆SCOTLAND GIRL オフィシャルサイト
◆SCOTLAND GIRL レーベルサイト

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