【インタビュー】SCOTLAND GIRL、2ndアルバムは「新しさも“らしさ”も込めた『As I am』」
SCOTLAND GIRLが2ndフルアルバム『As I am』をリリースした。同作はKen Yokoyama率いるKEN BANDのベーシストJun Grayが立ち上げたガールズボーカルバンド中心のPIZZA OF DEATH内レーベル“Jun Gray Records”第二弾所属アーティストとしてリリースされたものだ。
◆「Always with love」ミュージックビデオ
2008年に結成されたSCOTLAND GIRLは、滋賀出身の男女混合ツインボーカルによる3ピースバンド。これまでにアルバム1枚、ミニアルバム2枚、シングル1枚と着実な活動を展開してきた。その旋律は美しく、透き通るようなShioriと突進力の高いGORIの歌声が描くハーモニーはどこまでも凛々しい。サウンドはタイトだ。ぎりぎりまで贅肉を削ぎ落としたソリッドなアレンジが楽曲を限りなく疾走させる。切なく温かく、そして逞しいメロディックパンク。アルバム『As I am』には、コンピへの参加もドラムのRyoが敬愛して止まない10-FEET主催<京都大作戦>をはじめとする夏フェスや大舞台への出演で得た経験も、すべてが込められたという。BARKS初登場インタビューでは前ミニアルバムより2年ぶりとなる2ndフルアルバム『As I am』はもとより、バンドの歴史や音楽的方向性について、新境地からさらなる高みを目指す3人に訊いた。
◆ ◆ ◆
■「ドラムが替わったことで楽曲がタイトになったし、いいんじゃん」
■みたいな言葉をJunさんからいただきましたね──GORI(Vo&G)
──結成は2008年2月ということですが、そもそものバンドの成り立ちから教えてください。
GORI:以前組んでいた僕のバンドが解散したときに、Ryoの前任ドラマーと“SCOTLAND GIRL”というバンドを始動しようと。ベースはサポートとして男の先輩にお願いして、3ピースでスタートしました。
──SCOTLAND GIRLというバンド名が最初から決定していたということですか? さらには男の3ピースで“GIRL”が付くバンド名?
GORI:そうです(笑)。前任ドラマーがそれ以前にSCOTLAND GIRLというバンド名で活動していたんですけど、そのときのボーカルが女の子だったという。で、僕から「SCOTLAND GIRLっていうバンド名、ええやん。おもしろんやん」という話をして、バンド名だけ生かしたんです。なので、曲を受け継いだわけでもなく、まったく新しいバンドとして始めたんですが。
──その後、Shioriさんの加入によって、バンド名がますますしっくりくるものとなったわけですね。
GORI:ただ、もともと女性を入れようという考えもなかったんですよ。言葉の響きがよかっただけなので。サポートベーシストが3ヵ月くらいで抜けて、パッと頭に思う浮かんがのがShioriだったんです。Shioriは当時、3ピースギャルバンのギター&ボーカルで、作る楽曲センスに惹かれるものがあったから。
──結果、Shioriさんをギャルバンから引き抜いたカタチになるんですか?
Shiori:声をかけてもらったという感じですね。私たちが組んでいたギャルバンは、dustboxとかlocofrankのコピーからはじめて、オリジナル曲を作り出すようになったんですけど、男3人時代のSCOTLAND GIRLとも対バンをしていたので、仲もよかったんですね。GORIが「一緒にやらへん」って言ってくれたときに、私もいろいろと考えた末にSCOTLAND GIRL1本でやっていこうと思ったので、ギャルバンのほうは解散したんです。
──お互いにミュージシャンとして惹かれつつ、メロディックな部分でヴィジョンも一致していたわけですか?
GORI:直感的ですが、見ているところが一緒というか。作りたいものも近いところにあると思ってました。細かいところを言えば変化もあるんですが、根本は今も変わりません。当時から存在する曲もいまだにやってるので、音楽性の大きな変化もなく7年が経ってます。実は、今回のアルバム『As I am』収録曲の「Sunny day」はそのときからあるナンバーです。
──バンドはその後、2009年10月に1stミニアルバム『Make a story』をリリース、翌年6月に1stシングル「Reason there」、7月には1stフルアルバム『Meaning of Life』リリースと、ハイペースの活動ぶりがうかがい知れるリリース攻勢です。
Shiori:『Make a story』は私が加入して1年後くらいのリリースで、続けて『Meaning of Life』も出せましたから、結構トントン拍子だったよね。
GORI:ただその後、前任ドラマーが脱退しまして。何人かのサポートドラマーに叩いてもらいながら、月に1~2本くらいのペースでライブをしていた期間が1年間続いたんです。そのときがSCOTLAND GIRLの暗黒時代ですね(笑)。
──その暗闇を脱出すべく、新たなドラマーが現れたと。
GORI:まさに救世主でした(笑)。
Ryo:当時僕はスカバンドをやっていたんですけど、そのバンドを辞めようと思っていて。そのときふと、SCOTLAND GIRLってドラマー空いてるなと思ったんですよ。もともとSCOTLAND GIRLは地元の先輩バンドで、自分でCDを購入するくらい好きだったんです。だから、ダメ元くらいの気持ちで「一度叩かせてください」ってお願いしたら、「じゃあ、スタジオ入ろうか」と言ってくれて。
GORI:叩かせてくださいと言われたときには、ウソやろ?と思ったけどな(笑)。
Shiori:冗談だと思った(笑)。
Ryo:ホンマに信じてもらえなかったんですよ(笑)。
GORI:Ryoのことは高校生くらいから知ってたし、いいドラマーだと思ってたので、すでに人間的な信頼関係はあったんですけど、そういう展開は考えてなかったから。
Ryo:で、スタジオに入って合格をもらって(笑)。
──“合格をもらって”という言葉に地元の先輩後輩関係が滲み出ますね(笑)。ただ、スカもメロディックも2ビートが基軸とはいえ、スタイルは異なるものですよね。
Ryo:そうなんです。ホンマに強制されまくりました。それまでのリズムの捉え方は、前へ前へだったんですよ。ところがSCOTLAND GIRLはメロディ重視のバンドだから、2人に「速い速い」と言われ、そのビートをジャストに直すのが一番大変でしたね。
GORI:ドラマーが変わるとこんなに曲の聞こえ方が変わるんだっていうことは、サポートのドラマー時代にも感じたことですけど、びっくりしましたね。
──最小編成のトリオバンドってそれが如実に表れますけど、逆にそこが醍醐味でもあるという。
GORI:本当にそう思います。そこから現在の3人になったんですけど、まず目標をひとつ設定したんです。それまでのレーベルではなく自主制作で音源を作ろうと。Ryo加入から1年後にそれが叶えられて、2013年4月に『Landmark』という2ndミニアルバムを通販とライブ会場限定でリリースしました。
──同年12月には、「Don't be afraid」が収録されたJun Gray Records第一弾オムニバスアルバム『And Your Birds Can Sing』がリリースされましたが、そもそもJunさんとの出会いは?
GORI:1stフルアルバム『Meaning of Life』のリリースツアーで、2010年末に八王子でライブをやったんですけど。そのときに同行してくれてたバンドをJunさんが観に来ていたんです。で、ライブの後に挨拶をさせてもらって。その後もTwitterでやりとりを続けさせていただいたり、『Landmark』が完成したときも「送ってよ」って声をかけていただいたり。
──なにかと気にかけてくれる良き先輩だったという。そのやりとりはオムニバスアルバムリリースまでの2~3年続いていたわけですもんね。
GORI:本当に有難いです。その間も、KEN BANDが滋賀とか京都でライブをするときには、Junさんプッシュで僕らに対バンのオファをもらったりとかしてたので。
──その中で、Junさんからの印象的なアドバイスはありました?
GORI:『Landmark』を聴いていただいたときに、「ドラムが替わったことによって、楽曲がタイトになったし、いいんじゃん」みたいな言葉をいただきましたね。ただ、アドバイスというよりも本当に感想を言ってくれるみたいな。Junさんのレーベルからアルバムを出すという話になってからは、もっと深く話をするようになりましたけど。
◆インタビュー(2)へ
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