「ベーシストの1stエフェクターとしてオススメ」、FLiPのSayakaがBOSS「BB-1X」を 徹底試奏
この春、ベーシストの熱い視線を集めている新製品がある。BOSSのコンパクトエフェクター「BB-1X」がそれだ。「BB-1X」は、存在感あるベース・サウンドを生み出せるベース用コンパクトエフェクターで、多くのベーシストの要求に応えるべく、サウンド、仕様ともに細部まで突き詰めたという。その実際のサウンドや使い勝手はどうなのだろうか。今回は、人気上昇中の沖縄出身ガールズ・バンドFLiPがリハーサルを行なっているスタジオを訪ね、ベースのSayakaに「BB-1X」を実際に使ってもらった。この様子をビビッドにレポートしよう。
■存在感あるベースサウンドを生み出せる「BB-1X」
初めに今回試奏してもらった製品について簡単に説明しておこう。ベースのSayakaに試奏してもらったのがBOSSブランドのベース用コンパクトエフェクター「BB-1X」だ。
プリアンプと同様にベースの基本的な音色を作ることができるエフェクターで、パンチのある太いベースサウンドを作れるのが特徴だ。よくあるベース用エフェクターでは、レンジが狭くなって自然なサウンドが損なわれたり、歪ませると音ヤセしてとくに低音が出なくなり、ダイナミクスが乏しい平板なサウンドになってしまうことがあるが、「BB-1X」は同社独自の最新テクノロジーMDP(Multi-Dimensional Processing)によりこういった問題点を解決している。
音作りの操作はシンプルに5つのつまみで行なえる。このうち歪みをコントロールするのがDRIVEのつまみ。これを右に回していくとナチュラルに歪ませることができるが、音ヤセすることがないのが大きな特徴だ。常に締まった低域をしっかりと鳴らすことができる。
出力レベル調整を行なえるLEVELのつまみは2軸になっていて、周囲のリング状の部分がBLEND。このBLENDでダイレクト音とエフェクト音のバランスを調整できる。そしてトーンを調整するLOWとHIGHのつまみは超ワイドレンジのコントロールが可能。これらによって、幅広い音作りが可能だ。
そして特筆すべきは、ベースアンプに接続するOUTPUTのほかにLINE OUT端子も装備していること。これはPAなどに直接バランス出力できる端子で、ダイレクトボックスのような使い方ができる。そしてこの端子から出力される信号は、ベーシストとエンジニアの両者にとって最適と考えられる音色にチューニングされている。
つまり、ベーシストはOUTPUTから自分のアンプで心地よいサウンドを鳴らしながら演奏でき、同時にPAにはLINE OUTからミックスに適したサウンドを送ることができるのだ。まさに画期的なベース用コンパクトエフェクターといえる。
■元気いっぱいのロックサウンドのFLiP、そのボトムを支えるSayaka
▲FLiP。一番右がSayaka。
今回「BB-1X」を試奏してもらったSayakaが所属するFLiPは、2005年に沖縄で結成されたガールズバンド。ポップで弾けるような元気いっぱいのロックサウンドは当初から各所で注目を集めていて、インディーズ時代にはすでにアメリカの複数都市での公演を経験するなど、海外でも評価されている実力派バンドだ。結成10周年を記念するワンマン・ツアーも無事終えたばかりのFLiPだが、5月にはミニアルバム「BIRTH」もリリースする予定、エネルギッシュに活動中だ。そのベーシストのSayakaは、ナチュラルに歪んだパワフルなベースが持ち味。幅の広さを感じさせる多彩なプレイで、FLiPサウンドのボトムをへヴィに支えている。
■試奏したSayaka“太い歪みが気に入った”
そんなSayaka、スタジオで「BB-1X」を受け取ると、“これ、カッコいいですね”と、まずはそのルックスの良さに目を輝かせ、いつも使っているエフェクトボードに「BB-1X」をさっそく組み込んだ。「BB-1X」について簡単な説明を受けると、ベースを少し弾いてはDRIVE、LEVEL、そしてBLENDのつまみを操作する、という動作の繰り返しで音を作っていく。
▲エフェクトボードに「BB-1X」を組み込みつまみを操作するSayaka。太い音が気に入った様子。
まずはDRIVEを控え目にして弾きながら“いい音ですね。音が太いのがいい”と言ってしばらくプレイ。その後DRIVEを上げ、サウンドが少しずつ歪んでいくと、“うん、これいいですね!”と言って、さらにDRIVEを微調整。粗っぽく歪ませたサウンドに、“このほうがもっといい。この歪み好きです”と、「BB-1X」の歪みサウンドにかなり惹かれたようだ。
“DRIVEを抑えたときはあまり歪まないけど、低音にハリが出ていい感じ。このままでも十分カッコいい音ですね。ただ私は歪ませたほうが好きです。DRIVEのつまみが12時の位置くらいから一気に歪み始めるんだけど、これがパワフルな感じですごくいいです。”
「BB-1X」の特徴は、幅広い音作りができ、しかもどんな音を作っても太くコシのあるベースサウンドが得られること。それは、前述の同社独自のMDP技術により、入力された信号を解析して、フレーズや奏法のニュアンス、楽器の個性まで反映して音作りを行なう緻密な処理を行なっているからなのだが、そのあたり、指とピックの両方で弾きながら、トーンの設定も試していたSayakaはどう感じたのだろうか。
▲「DRIVEのつまみが12時の位置くらいから一気に歪み始めるんだけど、これがパワフルな感じですごくいいです」
“音作りの幅はホントに広いと思います。HIGHとLOWのトーンは設定できる幅が広くて、すごく色々な音が作れますね。それでいて、両方ともいっぱいに上げてドンシャリの音を作っても、中域がなくなってヤセる、みたいなことがないんです。それに、指でもピックでもニュアンスがちゃんと出るし、このベースアンプの音の特徴はそのままで、基本的なキャラクターが変わってしまわないのもいいですね”
色々と設定を試していたSayakaだが、わずか数分でバッチリ気に入った音が作れたようだ。初めてでもスムースに音を決められるのも「BB-1X」の特徴だろう。「BB-1X」を使ってSayakaがプレイするナチュラルに歪んだベースサウンドは、きめ細かいが粗っぽさもある。指でもピックでもパンチの効いた迫力ある低音が出ているし、なにより太くて力強く、存在感がある。そして弾き方やフレーズによる表情も豊かに表現されていた。その音に、Sayakaはすっかり納得した様子。「BB-1X」はSayakaのエフェクトボードにも違和感なくなじんだようだ。
■ベーシストの最初のエフェクターとしてオススメ!
試奏が終わったSayakaに、改めて話を訊いてみた。
――いつもどんな音を作っているんですか?
Sayaka:私は歪んだ音が好きなので、アンプで軽く歪ませて、さらに曲によって歪み系のエフェクターを使うことが多いです。今の音にはそこそこ満足しているんですが、バンド全体としてもさらにブラッシュアップしていかないといけないので、私の音ももっと作り込んでいきたいと思っています。
――今回使った「BB-1X」の印象はどうですか?
Sayaka:まず見た目がカッコいいと思いました。ネイビーにラメが光っているこの色、すごく好きです。つまみのところのシルバーも高級感があっていいと思います。音については、まず音ヤセしないのが第一印象。DRIVEつまみで強く歪ませられるのがいいし、高音で弾いても低音で弾いてもヤセない。粒立ちもよくてパンチのある音がすごくよかったです。指弾きでもピックのようなドライブ感を出したいときには、これがあるとすごくいいと思います。色々な音が作れるから「BB-1X」単体でも十分使えると思います。
――他のエフェクターとの相性はどうでしたか?
Sayaka:他のものとの組み合わせで色合いが変わってくるようなところも面白かったですね。今のエフェクターに追加する形もよさそうです。他のエフェクターの背中を押すような感じで、うまく共存してくれると思います。というかぜひ追加して使いたいですね。さっき弾いていて、「ライラ」という曲の指弾きのところでこれを使えば、あの曲の世界観がバッチリ出せそうだと思ってました。
――他のベーシストにもオススメできそうですか?
Sayaka:最初にどんなエフェクターを使おうか迷っているような若いベーシストにはとくにオススメですね。エフェクターを使うのは冒険だと思うかもしれないけど、使ってみれば自分の作りたい音がわかってくると思います。「BB-1X」は操作もシンプルで使いやすいし、初めてでもすぐに自分の音作りができる。ベーシストの1stエフェクターとしてオススメです!
製品情報
規定入力レベル:-20dBu
入力インピーダンス:1MΩ
規定出力レベル:OUTPUT端子-20dBu、LINE OUT端子-20dBu
出力インピーダンス:OUTPUT端子1kΩ、LINE OUT端子600Ω
推奨負荷インピーダンス:OUTPUT端子10kΩ以上、LINE OUT端子600Ω以上
コントロール:ペダル・スイッチ、LEVELつまみ、BLENDつまみ、LOWつまみ、HIGHつまみ、DRIVEつまみ
インジケーター:CHECKインジケーター(バッテリー・チェック兼用)
接続端子:INPUT端子、OUTPUT端子、LINE OUT端子(TRS標準タイプ)、ACアダプター端子(DC9V)
電源:アルカリ電池(9V形)またはマンガン電池(9V形)、ACアダプター(別売)
消費電流:54mA
連続使用時の電池の寿命(使用状態によって異なります):アルカリ電池:約6時間
付属品:保証書、取扱説明書、チラシ(安全上のご注意、使用上のご注意、サービスの窓口)、アルカリ電池(9V形)本体に接続済み
別売品:ACアダプター(PSA-100)
外形寸法 / 質量:幅 (W)73 mm奥行き (D)129 mm高さ (H)59 mm、質量 450 g
FLiPリリース情報
2015年5月6日発売
<初回盤>CD+DVD
品番:UPCH-29184
POS:4988005887733
税込価格:2,300円(税抜:2,130)
<通常盤>CD
品番:UPCH-20388
POS:4988005887740
税込価格:1,800円(税抜:1,667)
※CD (初回・通常共通) 全6曲収録予定
ライブ・イベント情報
「Dear Ms.&Mr. ep.3~FLiPヒストリーADULT編~」
[開催日程]2015年4月12日(日)
[会場]Shibuya 7thFLOOR
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