【2015年グラミー特集】女性の力強さ、いよいよ極まれり
「年間最優秀レコード」ノミネートの女性達が皆一様にハツラツとしている。
◆イギー・アゼリア、テイラー・スウィフ画像
女性は強い。
本年のグラミー賞のノミニーをつらつらと眺めると、そんな感想が口から零れる。「年間最優秀レコード」のラインナップはイギー・アゼリア、シーア、サム・スミス、テイラー・スウィフト、メーガン・トレイナー。女性四人に対して男性はサム・スミス一人である。更にその女性達が皆一様にハツラツとしている。
▲イギー・アゼリア
イギー・アゼリアはYoutubeから叩き上げた筋金入りのフィメールラッパーで(彼女のデビューまでの経緯は素晴らしいので是非調べて頂きたい)、その彼女がチャーリーXCXと共に作り上げた「ファンシー feat.チャーリーXCX」。ファーストヴァースで“とにかく私が本物なのよ”といきなり言い切ってしまっているあたり流石である。
ビヨンセやケイティ・ペリーなどに楽曲提供をする大ヒット作家ではあったものの、あくまで裏方であったはずのシーアが自ら表舞台に立って「シャンデリア」を発表した。“シャンデリア”は綺羅星の如きスター達のアナロジーで、自身の苦悩をそのまま曝け出した様な歌詞になっている。
2015年は女性の力強さいよいよ極まれり。
▲テイラー・スウィフト
「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!」を歌ったテイラー・スウィフトはタイトルそのままに、オプティミスティックな世界観を前面に打ち出したパフォーマンスで今グラミーにノミネートされた。彼女はこの曲で自身への批判や中傷を正に”Shake It Off”してしまっているのだ。その後に”Saying, It's gonna be alright.”と添えながら。
そして、メーガン・トレイナー。「オール・アバウト・ザット・ベース」では自分を“低音域”に例えて(しかも“トレブル(高音域)”じゃないと付け加えてまで)、サイズなんて気にすることない、フォトショップなんて嘘っぱち!と高らかに歌っている。
対して、男性1人のサム・スミスは「ステイ・ウィズ・ミー~そばにいてほしい」の中で”I'll be there for you.Girl, Remember when we met”などと湿っぽく歌っているではないか。(彼はゲイをカミングアウトしているので少々問題は複雑になってくるが)。
2014年にしても、ケイティ・ペリーが「ロアー ~最強ガール宣言!」で叫んだり、ロードが「Royals」で”You can call me queen bee”と真っ直ぐな瞳で告げたりとその兆候はあったのだが、今年は女性の力強さいよいよ極まれりという印象である。
かつてルキノ・ヴィスコンティの盟友であったパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレは、1967年に「女性上位時代」というタイトルのコメディ映画を公開したが、そんな時代が訪れる日が近いかも知れない。
まったく、女性は強い。そして清々しい。男性諸氏よ、覚悟の程は如何なものだろうか。
Text:岩崎 太整
Photo:WireImage / FilmMagic, Inc
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