【インタビュー】Derailers、デビュー作『A.R.T』リリース。Ai Ishigaki、Ju-ken、Rueedが起こす化学反応

◆もちろんレゲエの節回しは入ってくるんですけど
基本的には自分のソロとは違う切り口で書きましたね

──ライヴだと、このアルバムはずいぶん変化しませんか？ エディットの妙で世界観が広がっていたり、デジタライズされた構築美もあるので、ステージでのアプローチはまた違ってくるのではないか、と。

Ju-ken：そうですね。音源よりもざっくり、ワイルドな感じになると思います。アルバムで僕らが向いている方向としては、ひとつの楽器をフィーチャーするのではなく、全体の空気感で良しとするか否かでジャッジしているので、ステージではギターサウンドがまず変わってくるんじゃないかな、と。Ishigakiはもともとゴリッとしたギターで有名なので、ライブではやっぱりIshigakiが弾いてるんだなっていうアレンジをしていきたいと思います。

Rueed：俺はもっとリリックを自分に染み込ませて、ライヴで広げていきたいなと思ってますね。もちろんCD聴いて欲しいですけど、作り終えた達成感よりはこれからだぞっていう気持ちのほうが強いかな。

──リリックを書く上で、ディレイラーズとして何を伝えるべきかを意識したんですか？

Rueed：ちょっと切り口変えたりとか、ものの見方を変えたりとか、もちろんレゲエの節回しは入ってくるんですけど、基本的には自分のソロとは違う切り口で書きましたね。まぁ、でも、基本は自分の内側から素直に出てくるものでしかないです。“これがRueed”だったり、“これがディレイラーズ”と思ってもらえるもののほうがカッコいいかなって思うし。だから、聴く人それぞれが自分の体験や思いにだぶらせて聴いてくれたらいいなと思ってます。俺自身がそういうものが好きだしね。

──実際、この3人がタッグを組むとなれば、クオリティが高いに決まっているし、それぞれのキャリアを思えば敷居も高そうなんだけれど、でも実際に聴くとすごく身近に感じます。

Ishigaki：音楽って本来はそうあるべきなんですよね。自分の中にわき上がるものを表現して、それを相手がどう自身に投影して消化するか。そういう意味で音楽はアートだし、今回のアルバムで表現しているのもまさにそれなんですよ。自分たちの存在意義、価値みたいなものが大切だったんです。今、音楽業界を見渡して、やっぱりサービスとアートのバランスが崩れてきている中で、自分たちはこうであるっていう“絶対”を表現したかったというのもあるんですよね。だから、タイトルを『A.R.T』にしたんですけど。

◆人生の中でこうして切り替えてやれることってなかなかない
新人であれることは、ちょっといいなと思いますよね

──そして、このバンドを作ったそもそもの原動力であるとも思うんですけど、音を出すことへの無邪気な喜びも感じられますよね。

Ishigaki：そこはもうね、Ju-kenの顔がパッと明るくなりますから（笑）。

Ju-ken：レコーディングも楽しかったですしね。まぁ、新人バンドなんで、限られた中でやらなきゃいけなかったのはあるんですけど。

──ずいぶんとベテラン風情の新人がいたもんですね（笑）。

Ju-ken：嬉しいやら、恥ずかしいやら（笑）。まぁでも、人生の中でこうして切り替えてやれることってなかなかないじゃないですか。新人であれることは、ちょっといいなと思いますよね。

◆2015年夏にはフェスにいっぱい出させてもらいたいです
1年後には、ちょっと大きな会場でライヴができるぐらいになっていたい

──じゃあ、まずはツアーで各地を回って、3人で毎晩ビールを飲みましょうか。

Ju-ken：是非やりたいですね、ツアー。今日まさにスタッフとその話をしていたところなんですよ。予算がないんだったら別に機材車で全国行くよって。ほら、新人だしね。

Ishigaki：あー、俺、ビール飲めないんだ、ごめんなさい。

Ju-ken：いや、そういう話じゃないだろ!?

──何かわいいこと言ってるんですか（笑）。

Ishigaki：かわいいんですよ、俺？

Ju-ken：こう見えてもリーダーです、かわいいリーダーです（笑）。

Ishigaki：太字にはしないで下さい。

Rueed：じゃあ、見出しにして下さい（笑）。

──では最後に、そうそうたるメンツの新人バンド、ディレイラーズの今後の目標を聞かせて下さい。

Ju-ken：2015年夏にはフェスにいっぱい出させてもらいたいです。1年後には、ちょっと大きな会場でライヴができるぐらいになっていたいですね。

Rueed：そこまでステージを重ねて行けたら。やっぱりライヴが好きなんで、そこを見せていけたらいいなと。

Ishigaki：俺がよく言うのは、お金を払う価値のあるバンドでありミュージシャンでありたい、と。そういう存在でいなきゃいけないなと思っています。聴いてくれる、観てくれる人にとって、価値のある音楽を作っていきたいと思います。

インタビュー＆文◎斉藤ユカ






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