【ライブレポート】Derailers、遂に姿を現した3人のツワモノによるゴキゲン初ライブ「今日は始まりの日です」

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1stミニアルバム『Track“0”』をリリースし、突如音楽シーンに現れたDerailers。彼らにとって初となるライブ<=Ready to Derail?= ~Convention Live>が3月13日、東京・TSUTAYA O-nestで行なわれた。

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15歳にそのキャリアをスタートさせ、真夜中のクラブからビッグフェスまでレゲエ界では幅広い人気を誇るボーカル&ラガマフィンディージェイのRueed、元THE MAD CAPSULE MARKETSのギターAi Ishigaki、現在VAMPSでも活躍中のベースJu-kenからなるバンドが、Derailersだ。iTunesで先行配信された『Track“0”』は、J-POPランキングで10位を獲得。その注目度の高さを証明した。そんなDerailersにとっての初ライブ、さらに、この日のステージは音楽関係者にお披露目となるコンベンションということもあって、開演前には入り口の外まで人が溢れるほどの盛況ぶりとなった。

Derailersの登場を今か今かと待ちわびるオーディエンス。会場が暗転すると、フロアからはメンバーの名を呼ぶ声や、「YEAH!」というゴキゲンな歓声が飛び交う。オープニングナンバーは、アルバムの1曲目でもある「裏側」。軽快なリズムはフロアの空気をハッピーな空間へと塗り替え、会場は一気に熱気を帯びていく。Rueedのボーカルは、ラガマフィンディージェイとして名を広めているだけあって、メッセージの込められた言葉の一つひとつがはっきりと耳と心に届き、続く「トレイン」では、心地よいリズムに誘われて、フロアからも自然とクラップハンドが起こる。オーディエンスは楽しそうに体を揺らし、フロアはさらに一体感を増していった。

「みなさん楽しんでますか? 今日は始まりの日です。ここに立ち会ってくれて、ありがとう」

と、Rueedがオーディエンスに一言。そして、フロアの空気は一変して、「MARY JANE」へ。ミラーボールの光が煌めく中、ゆったりとした音の波に身を委ねると、そこはまるでダンスフロア。レゲエとかロックとかポップスとか、そんなものをすべて飲み込んだような、唯一無二のDerailersの世界へと引きこまれていく。「YORU-NANTE」では、寂しい夜におびえる少年のようなRueedの声が切なく響き、その歌声に、胸の奥がくすぐられる感触をおぼえる。

そして、ラストのロック・ナンバー「重い空気に羽」で、フロアのテンションは一気に沸点へ。Aiの激しいカッティング、Ju-kenは軽やかにリズムを刻みながらも、所狭しと暴れ回る。すべての音の凸凹が見事に絡み合い、その強固なサウンドの波の上を、心地よく跳ねるRueedの声。ステージから身を乗り出すように唄いながらオーディエンスを煽り、フロアの熱気はぐんぐん上昇して、この日のクライマックスを迎えた。

嬉しそうな表情でステージをあとにする3人。するとフロアからは、まだまだ聴き足りないとばかりにアンコールの声が。ずっとこの心地よいリズムに乗っていたい。そんな気持ちは、ここにいた誰もが同じ気持だったに違いない。

“脱線する者たち”という想いを込められて付けられたというバンド名“Derailers”。3人が生み出す音が絡まって、溶け込んで、ひとつの音楽ジャンルからどんどん脱線していき、彼らはまだ誰も足を踏み入れていない、新しい場所へと辿り着くに違いない。これから一体どんなゴキゲンな音楽を聴かせてくれるのか。その行き先をずっと見届けていたいと思わせてくれる夜だった。

取材・文◎矢隈和恵

■<=Ready to Derail?= ~Convention Live>
2014年3月13日 @ TSUTAYA O-nestセットリスト
01.裏側
02.トレイン
03.MARY JANE
04.SATISFXON
05.Coolin’
06.NEW WORD,NEW WORLD
07.YORU-NANTE
08.重い空気に羽

■1stミニアルバム『Track“0”』
2014.03.05(WED) リリース
XQMJ-1002 \1,343(税抜)
1.裏側
2.重い空気に羽
3.MARY JANE
4.Coolin'
5.トレイン
6.YORU-NANTE


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