【インタビュー】少年記、4thシングルで「R&Bテイストのメルヘンを」

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前作「ガゼルバベル」で鮮烈な印象を残したV系バンド少年記が10月22日、4thシングル「BANG ME」をリリースする。恋を失くした女性の目線で描かれたタイトルナンバーは、疾走感と多彩な要素が絡み合う中、彼らの神髄である美しいメロディが際立つ仕上がりをみせた。そこからはバンドの進化も色濃く感じられる。

◆「BANG ME」SPOT 映像

“メロディの儚さだけは忘れさせない、ヘヴィなサウンドを軸に、美しい旋律が織り成す世界観”を楽曲コンセプトに持つ彼らのニューシングルは、これに加えて綿密なツインギター・アレンジも聴きどころだ。彼らの楽曲構築法に迫りつつ、“もしも恋を失くした時、メンバーだったらどうする?”……そんな恋バナも交えながら、充実の最新作について語ってもらった。

■少年記の世界観を最大限に引き出せるような楽曲を目指して
■メルヘンな感じを出しつつデジタルサウンドも織り交ぜつつ

──前シングル「ガゼルバベル」から5ヶ月。この間に何か気持ち的な変化はありましたか?

コウ:9月7日に高田馬場AREAでワンマンライヴをやったんですけど、この半年間はそれを1つの目標として走ってきたんです。で、ワンマンの前に毎日のようにあったイベントライヴも、そこでただガムシャラに頑張るんじゃなく、個々が何のために頑張るのか、何を伝えたいのか、少年記の一番の魅力は何なのか、とか、ワンマンを見据えながらより焦点を定めるようになって。そういう面ではバンドがすごく成長できたんじゃないかなと思いますね。

──その高田馬場AREAでは会場限定CDも発売されたんですよね。その作品も作り、イベントライヴも重ね、ワンマンライヴに向けて突っ走り、さらに今作も制作……って、相当タイトな日々だったんじゃないですか?

コウ:そうですね。ただ、それが普通だと思うし、時間があろうがなかろうが、産みの苦しみは必ずつきものだと思うので。

怜:でもコウちゃんはいまだに追い込むクセが治らないよね。いつもギリギリまで“どうしよう、どうしよう”って言ってる印象がある(笑)。

eiki:曲決めとかもコウは納期ギリギリまで考えて決めたいほうだから、ほんとに最後の最後まで悩んでるんですよ。でもアレンジする側としては少しでも時間的余裕があるほうが嬉しいんで、「どう? どんな感じ?」って探り探り(笑)。

Nao:(コウに)合わせるのは結構大変です(笑)。

コウ:ははは。別に粘ろうと思って粘ってるわけじゃないんですけどね。やっぱりいい作品を届けたいので。

──少しの妥協もしたくはないと。少年記は楽曲って、普段から書きためたりしてるんですか?

コウ:みんなそれぞれ書きためてます。

Nao:全員のストック曲を合わせたら500~600曲はあるんじゃないですかね。曲の破片みたいなのを合わせたらもっと多くなると思います。

──じゃあ今回の「BANG ME」も、その書きためた楽曲の中から?

コウ:いや、曲は書きためつつ、過去のストックを使おうっていう発想はほぼなく(笑)。次のリリースの曲をってなると、またそれぞれが書き出して、そこから選ぶっていうスタンスなんです。だから今回の「BANG ME」もゼロから作った感じですね。

──前作「ガゼルバベル」もそうでしたけど、この「BANG ME」もいろんな要素が詰まってて、表情豊かに展開していく曲になってますね。

eiki:これは原曲をコウが持ってきて、それを僕がアレンジして、またコウに投げてっていう、その繰り返しで作っていったんです。最初にコウに言われたのが、「イントロをぶっ飛んだ感じにしたい」と。

コウ:「ガゼルバベル」もぶっ飛んでたじゃないですか。それをさらに進化させた形で、なおかつ少年記の世界観を最大限に引き出せるような楽曲を目指したかったんです。

eiki:それで何パターンも作って。メルヘンな感じを出しつつ、デジタルサウンドも織り交ぜつつ。

コウ:R&Bテイストのメルヘンみたいな、絶妙なところを行きたかったんですよね。でも頭ではそう思ってても、なかなかそれを形にするのが難しくて。

eiki:2人で「これはどう?」「ちょっとデジタルが強すぎるかな」とか、ああでもないこうでもないって、すごい時間がかかりました(笑)。

コウ:イントロのアイデアを一番最初に言って。でも、できたのはイントロが一番最後だったもんね(笑)。

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