【速報レポート】<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014>THE King ALL STARS、「幸せだな~」に沸いた若大将コール
イベントも中盤へ差しかかる頃、RESPECT STAGEに登場したのは本イベント初出演のTHE King ALL STARSだ。
◆THE King ALL STARS 画像
THE King ALL STARSは、東北のロックフェス<ARABAKI ROCK FEST.2013>をキッカケに結成し、「東北を元気に!」のメッセージを掲げて2014年、様々なフェスに出演を果たしたデビューしたばかりのバンドだ。だが、メンバーがすごい。そうそうたるレジェンドアーティストたちが集まる本イベントの中でも最年長、御年77歳(喜寿)の加山雄三、さらに彼を囲むバンドメンバーも佐藤タイジをはじめ、ロック界を支える名だたるアーティストばかりが集結している。
メンバーは佐藤タイジ(G)、名越由貴夫(G)、ウエノコウジ(B)、武藤昭平(Dr)、高野勲(Key)、山本健太(Key)、タブゾンビ(Tp)、古市コータロー(G)。バンド名におこすと、シアターブルック、the HIATUS、勝手にしやがれ、SOIL&”PIMP”SESSION、THE COLLECTORS。もう名前を連ねるだけで、そのメンツの豪華さがわかるだろう。年代も音楽ジャンルも問わず集まったアーティストたちの共演にして伝説のステージをひと目見ようと、続々とオーディエンスが集まった。
メンバーがステージに登場するだけで拍手が沸き起こる。さらに加山がフィールド後方でのんびりと見ているオーディエンスに、「もっと来いよ!」とあおるとライブがスタートした。1曲目は「SEE SEE RIDER」。加山が敬愛するエルビス・プレスリーの名曲を皮切りに、最高のグルーヴが打ち出された。
「新人バンドのTHE King ALL STARSです」と洒落た挨拶もそこそこに、加山自身が別名義で作詞作曲した「Sweetest Of All」、ベンチャーズスタイルのギターに思わずツイストをかましたくなる「夜空の星」と続けて披露。ソングライターとしての実力の高さに驚かされるだけでなく、2014年の今聴いても古さを感じさせないサウンドに乗せられて、オーディエンスは拳を上げ、踊り騒ぐ。バンドメンバーによるコーラスも実に豪華だ。加山が誰か1人のメンバーの名を叫ぶと、他のメンバーも負けじとそれぞれのパートで最高のグルーヴで応える。ギタリストが加山含め4人もいるステージから発されるサウンドは屈強で圧巻だ。
この日のステージで彼らのステージを初体験するオーディエンスがほとんどであろうなか、会場からは加山の愛称でもある「若大将~!」の呼び声がそこかしこから沸き起こる。もう年代なんて関係ない、音楽だけで繋がったこの空間のハッピーさといたら、言葉に形容しがたいものがある。ギターをかき鳴らし、リズムを刻み、メロディーを奏で、ホーンを鳴り響かすたびに見せる少年のように屈託のない表情は、聴く側にも満面の笑顔をもたらしてくれるのだ。
そしてエルビス・プレスリーのカバーや、映画『パルプフィクション』のテーマ曲「ミザルー」など、誰もが知る名曲をアレンジたっぷりに聴かせながらステージは進んでいく。
「ロックがやりたくてギターを始めた。志と違うことをやりだしていたけど、THE King ALL STARSを始めて、“オレは戻るべきだ”、原点に戻るべきだと気付いた」と話す77歳のロックスターの言葉に大きな拍手が。メンバーの山本健太(Key)とは48歳も離れていても、そんな年齢差なんて音楽の下では全く関係のないことだ。
ステージ後半には、佐藤タイジが作詞作曲を担当したデビューシングル「未来の水平線」を披露。“みんなの夢を叶えるため”に作られたという楽曲は、タイトルのままに遠く果てまで鳴り響く。そして武藤昭平が作詞作曲した「ブレイブリー・ハーツ」では、強く芯のあるメッセージと壮大な楽曲を、オーディエンス1人1人に手渡すように大切に歌い上げた。「くよくよするなよ! 強い心を持てよ! 前に進むんだよ!」、若大将の温かな言葉が胸に染みる。
そして最後はやはりこの曲「君といつまでも」。1965年に発表された言わずと知れた名曲だ。フィールドいっぱいに広がる愛溢れる楽曲。「幸せだな~」。若大将のこの言葉どおりの全13曲のステージが終了した。“若大将コール”とともに、メンバー全員を讃える大きな大きな拍手が会場に鳴り響いていた。
取材・文◎黒田奈保子 撮影◎平野大輔
■THE King ALL STARS@REVOLUTION STAGE SETLIST
1.SEE SEE RIDER
2.Sweetest Of All
3.夜空の星
4.Boomerang Baby
5.Cool Cool Night
6.Blue Suede Shoes
7.Rip It Up
8.Hound Dog
9.CRAZY DRIVING
10.ミザルー
11.未来の水平線
12.ブレイブリー・ハーツ
13.君といつまでも
◆<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014>オフィシャルサイト
◆佐藤タイジプロジェクト オフィシャルTwitter
◆佐藤タイジプロジェクト オフィシャルFacebook
◆WTV [WISDOM TELEVISION] オフィシャルYouTubeチャンネル
◆THE King ALL STARS オフィシャルサイト
この記事の関連情報
【舞台裏インタビュー】<山人音楽祭2024>佐藤タイジ、「ここはオレが伝えたいことの真意がわかってくれそうな人が多そう」
G-FREAK FACTORY主宰<山人音楽祭2024>、第一弾発表にHAWAIIAN6、Dragon Ash、ROTTENGRAFFTY、佐藤タイジなど14組
<中津川 THE SOLAR BUDOKAN>、2024年の開催を断念「1年休ませてください」
【速レポ】<中津川ソーラー>奥田民生 Solar Session、レアでグダグダな充実共演「毎年、入口でやりましょう」
【速レポ】<中津川ソーラー>ストレイテナー、2DAYSの大トリは祝祭「ありがとう、待ってるよ。それまで元気で」
【速レポ】<中津川ソーラー>Original Love、愛とソウルで高みへ上り詰めたRESPECT STAGEクライマックス
【速レポ】<中津川ソーラー>シアターブルック w/ 河村隆一、「このフェスがやれて良かった!」
【速レポ】<中津川ソーラー>吉川晃司、強靱なバンドサウンドと最強のセットリストに大喝采「またね!」
【photo gallery】<中津川ソーラー>NONA REEVES