【速報レポート】<中津川 THE SOLAR BUDOKAN 2014>SUGIZO、太陽のレイヴパーティー
2日目のREDEMPTION STAGEの一発目はSUGIZOだ。長年のファンでなければ、もしかすると彼への印象はLUNA SEAやX JAPANでのギタリスト/ヴァイオリニストとしての姿をイメージするかもしれない。さらに、どちらかというと“陰”な世界観の中で音楽を表現するアーティストでもあるだろう。しかし、SUGIZO自身はジャンルの壁を一切作らず、多様な音楽を吸収し続け、新しい音楽を生み出すマルチクリエイターだ。そんな彼が午前中から、そして野外のステージでどんな音楽で観せてくれるのか。自他ともに認める晴れ男が、雲ひとつない快晴の下でライブをスタートした。
◆SUGIZO 拡大画像
1曲目の「FINAL OF THE MESSIAH」で高音域のギターサウンドが耳をつんざいた、かと思いきや重低音が効いたリズムが体を揺らす。ドラム(ex.tricotのkomaki)とギターのメロの一音一音がビシリとハマるだけで、あまりの快感に鳥肌が立ってしまう。続く「NEO COSMOSCAPE」では、ギターからパーカッションへとパートを変え、野性味溢れるサウンドをぶつけてきた。規則性のあるリズムに緻密で計算された美しいギターの音……、テクノやトランスをミックスし、ジャムセッションのように音を入り混じらせてオーディエンスを次々と酔わしていく。
3曲目の「FATIMA」では、ギターからヴァイオリンに持ちかえ、壮大でいて淫靡な世界観を作り上げていく。ヴァイオリンの心地よいピッチ、時折ギターのように音色を歪ませてリズムに混ぜ込ませる。そのサウンドのあまりの気持ちよさに、溶けるようにゆらゆらと体を揺らすオーディエンス。
太陽光で作られた音色はシンプルに体に浸透し続ける。雑味やえぐみのない純粋な音がこうも気持ちがいいのかと聴き惚れてしまうほど。SUGIZO自身も、佐藤タイジ同様に自然再生エネルギーに関する推奨活動を行うなど、自然のエネルギーで作られた音に魅了されたアーティストの1人だ。自然エネルギーなんていうと、ナチュラルな生音をイメージしがちだが、彼のサウンドは“電気”の良さ、自然再生エネルギーでエレクトロサウンドをどこまで磨き上げられるかに挑戦しているようにも感じる。それは曲中に掲げた“NO MORE NUKES, PLAY THE GUITAR”と描かれたフラッグを見ても分かることだ。
ステージも後半、緩急鋭いビートの連続にフィールドの多幸感がどんどん高まっていく。サイケデリックなサウンドの「TELL ME WHY NOT PSYCHEDELIA?」でオーディンエスをトロけさせると、一気にラストスパートへ。骨太でタイトなドラムのリズムに、軽快なギターサウンドがたまらなく気持ちがいい「DO-FUNK DANCE」で、まさに昇天という言葉がぴったりハマる極上のステージが終了した。ロック界の新たなレジェンドの1人が作り上げる最高の音楽から始まったREDEMPTION STAGE。ここからさらに興奮度の高いステージが続いていく。
取材・文◎黒田奈保子 撮影◎柴田恵理
■SUGIZO@REDEMPTION STAGE SETLIST
1.FINAL OF THE MESSIAH
2.NEO COSMOSCAPE
3.FATIMA
4.ENOLA GAY RELOADED
5.TELL ME WHY NOT PSYCHEDELIA?
6.DO-FUNK DANCE
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