【対談】逹瑯(MUCC) × GRANRODEO、異種格闘技対談-Ring 番外編「田舎のパワーってすごいですね」

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■全国から集まってきた同級生を見たら、あまりにも下手で
■あれ? 俺、ひょっとしたらイケルんじゃないかな?って──e-ZUKA

逹瑯: KISHOWさんはご出身どちらなんですか?

KISHOW:僕は山口です。本州の一番端っこです。

逹瑯:この前テレビで、山口は一軒家がめちゃめちゃ安いって言ってて。

KISHOW:そうそう、すっごい安いらしい。僕、つい2、3日前まで同窓会で地元に帰ってたんですよ。そしたら、ウチの親戚が、最近一戸建て買ったって言ってましたもん。逹瑯さんはご出身どちらですか?

逹瑯:僕、茨城です。

e-ZUKA:あ、近い!東京と。

KISHOW:あ、あぁ……そ、そうだね、近いね、わりかし。でもなんでいきなり東京基準になったんだ!?

e-ZUKA:ん~。わかんない(笑)。茨城のどこですか?

逹瑯:水戸です。

KISHOW:お~っ。水戸といえば、水戸ホーリーホック。

逹瑯:サッカー好きなんですか?

KISHOW:結構好きですね。でも、バスケの方がもっと好きですけど。

逹瑯:バスケも今、プロリーグですよね?

KISHOW:ですね。日本のも一応いろいろとあるんですけどね。僕自身はバスケやったことないんですけど、WOWOWで海外のNBAの解説したりしたこともあるんですよ。

逹瑯:へぇ~。KISHOWさん『SLAM DUNK』世代ですか?

KISHOW:そうですね。高校時代はみんな、「俺が流川だ!」「俺が桜木だ!」って言い合ってましたからね。

逹瑯:でしょうね。絶対に憧れますよね。『SLAM DUNK』がきっかけでバスケ始めたってヤツ、いっぱいいたと思う。

KISHOW:そうなんですよ! でもね、日本のバスケ協会は、そこを認めなかったんですよ。だから、根付かなかったんです。サッカーって、『キャプつば』があったでしょ?

──あ。そこ略すんですね……。

KISHOW:あははは。『キャプテン翼』ね(笑)。日本のJリーグって、『キャプテン翼』の人気におもいっきり便乗してプロ化に成功しているんですよ。でもね、日本のバスケ協会は、アニメと本物のバスケは同じじゃない!っていうんで、そこを認めようとしなかったんだよね。

逹瑯:いやいや、『SLAM DUNK』は良く出来てますよね。日本ではまだバスケの認知度が高くないからっていうのもわかって、ちゃんとバスケ初心者が成長していくさまが事細かに描かれていたからね。あれは素晴しい物語だったと思う。

KISHOW:そうなんですよね。ホント。

逹瑯:ところで。KISHOWさんがバンドじゃなく、声優になろうと思ったきっかけって何だったんですか?

KISHOW:とにかく東京に出たかったんですよ。山口県なんて本州の端っこだから、まず、東京に縁がないんですよ。行って大阪止まりというかね。だから、まさに“花の都大東京”っていう、テレビの中の世界だったから。僕の高校は進学校でもなかったし、大学に行くつもりもなかったし。それに、僕みたいなモラトリアム人間が就職するのもねぇ~なんて思ってたときに、ふと、“よし。東京に出よう!”って思ったんです。でも、東京に出るにも理由がいるなぁって思って。そこで何か東京に出る理由を作ろうと思ったんですよ。そんなときに、声優っていう存在に目が行ったというか。当時、イベントやったり、アニメの歌を歌ったり、なんなら顔も出してタレントみたいな活動してる人もいたからね。それで、あ、これかなと。そんで調べたら、『代々木アニメーション学院・声優科』っていうわかりやすいのがあって。よし、ここだ!って。1年制だったから、無知だった僕は、そこに1年通えば声優になれるんだって思ってたんだよね。で、そこから、歌とか歌えちゃったらいいなぁとか思っちゃって。甘~い考えでね(笑)。最初から音楽で食っていけるなんて思いもしなかったからね。

逹瑯:なるほど、そういう経緯だったんですね。e-ZUKAさんは? 最初からギタリストとして東京に出てこられたんですか?

e-ZUKA:いや。俺は地元が田舎過ぎちゃって、プロという存在を見たことがなかったんですよ。今みたいにネットとかもなかったしね。一番近くで見たことがあるのが、寺内タケシさんだったっていう。だから、まず、プロでギターを弾くっていう仕事があるってことすら知らなかったし、プロなんてなれるわけないって思ってたからね。そもそもボーッとした性格でもあるから、高校3年の頃に、“あ、卒業したらどうしよう? 大学でも行こうかな”って思って、そこから勉強し始めたんですけど、もう遅かったんですよね。

逹瑯:あははは。それはもう遅いですね(笑)。

e-ZUKA:そうなのそうなの(笑)。で、じゃぁどうしよう? と思ったときに、音楽の専門学校っていうのを見つけたんです。そのとき、『ミューズ音楽学院』ってとこしか見当たらなくて。あとは、各種学校みたいな感じだったんで、親を説得するのにわかりにくいなぁと思って。それで、専門学校を選んで、親に頼んで行かせてもらったんですよ。

逹瑯:入学試験ってどんなんなんですか?

e-ZUKA:課題曲と自由曲と初見で弾く実技。あと、理論の筆記みたいな。まぁなんとか頑張って進学することになったんですが、そこからでしたね。全国から集まってきた同級生を見たら、あまりにも下手で。あれ? 俺、ひょっとしたらイケルんじゃないかな?って。

逹瑯:へぇ! それすごい! それって、スリップノットのドラム状態ってことですよね! スリップノットのドラマーも、すごく田舎育ちだったから、ただただドラムが好きで毎日ドラムを叩いていたらしいんですけど、あるとき都会に出て周りをみてみたら、自分がめちゃめちゃ上手いことに気付いたっていう。

e-ZUKA:あ、そうなんですね。たしかに、田舎に居た時、周りのレベルが高かったんだと思うんですよ。僕、3つ上に兄貴が居て、兄貴もギターをやっていたんですけど、その兄貴の友達にMR.JIMMYっていうレッド・ツェッペリンのトリビュートバンドのJimmy SAKURAIさんがいたんですよ。その人とか本当にギター上手くて。この前、ジミー・ペイジが来日したときに、MR.JIMMYのライヴを御大が観に来たっていうくらいすごいんですよ。

逹瑯:本家が!? それすごいですね!

e-ZUKA:そうそう。遂には、イギリスのレッド・ツェッペリンのトリビュートバンドに加入して、今現在アメリカツアーやってるっていう(笑)。

逹瑯:へぇ! すっげぇ!

e-ZUKA:どんどん本物に近づいてってるっていう(笑)。

KISHOW:すごいよね、それ。

逹瑯:やっぱ田舎のパワーってすごいですね!

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