【連載】アヲイ執筆レポ第七回、慎視点の福岡は“最後の地方公演ドキュメント”

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アヲイが、5月30日の新宿RUIDO K4公演を皮切りに<ONEMAN TOUR 2014 「フテキゴウな林檎」>を開催中だ。このツアーは8月8日の渋谷WWWまで、仙台、松山、吹田、渋谷、岡山、福岡、名古屋、大阪を2DAYSずつ廻るもの。足掛け3ヵ月間全19公演のロングスケールな規模で行われる。

◆アヲイ 画像

2014年10月22日の結成10周年をもって解散することが決定している彼らだが、その活動ぶりは現在も活発だ。前述のツアーファイナルを迎える8月にベストアルバムのリリース、8月下旬から9月頭にかけて東名阪ラスト公演、9月に最後の主催イベント開催、同じく9月にラストシングルリリース、10月に最後のワンマンツアーを行うなど、息をもつかせぬスケジュールが発表となっている。

そして開催中の<ONEMAN TOUR 2014 「フテキゴウな林檎」>は、潔いまでに豪快なステージを繰り広げる5人の姿が印象的。そこには湿っぽさなど微塵もない。最後の時まで全力でひた走るメンバーの弾き出すサウンドが揺るぎない決意を示すようで、彼らにしか成し得ない空間を築き上げることに成功している。

全身全霊のステージを余すところなくお伝えするべく、【連載レポ】として同ツアーの模様をメンバー自身が、自らの視点で執筆したライブレポートをお届けする。七ヵ所目は7月12日および13日の福岡DRUM SON、執筆者はギターの慎だ。二巡目の執筆は、地方最後の公演をドキュメントタッチで描いたもの。バンドマンのリアルと慎の人柄が滲むレポートをお届けしたい。

   ◆   ◆   ◆

【07月12日(土)~07月13日(日) 福岡DRUM SON(before and after) 文◎慎】

最後の瞬間は、それと気付かずに過ぎていってしまう。

2014年7月12日、13日、福岡博多DRUM SON。アヲイのミニアルバム『フテキゴウな林檎』発売に伴うワンマンツアー最南端の地。そして、東名阪を除く、アヲイ最後の地方公演。

■7/11 21:00
インストアイベントを終え、食事に出た。博多と言えばラーメン。何度か訪れたことのある「だるま」という店に向かう。鼻にまとわりつくような豚骨の匂い。これが博多ラーメンの醍醐味である。店に着く前にお菓子を食べてしまったことを後悔しつつ、替え玉を注文。ラーメンは替え玉をしてからが本番である。

■7/11 22:00
晩御飯を済ませ、満腹状態。まだこんな時間である。1日の中で、移動してライブをして移動して……そんなツアーをずっと回ってきた我々にとって、こんなに時間に余裕のある滞在ができるツアーは初めてに近いかもしれない。ライブだけでなく、その土地自体を楽しむのも大切なことである。腹ごなしも兼ねて歩いてみる(アイスを食べながら)。目指すは博多随一の繁華街、中洲。

■7/11 23:00
中洲を歩いていた。有名な川沿いの屋台は満腹のためスルー。豚骨の匂いが苦しい。土地勘のない我々はただ明るい方へ明るい方へと歩いていく。山笠の季節らしく、山笠が展示されている場所で立ち止まる。椅子が置いてあったりテレビのリポーターらしき人がいたり、何かのイベントが始まる予感しかしなかったのでしばらく待機。数分後、何の変化もないので不安になり、人に聞いてみたら特に何も起こらないとのこと。これもまた旅の醍醐味である。その場を離れ、近くのゲームセンターで突発的にプリクラを撮る。初プリである。

■7/11 23:30
復路に差し掛かろうとした時、橋の上でギターを奏でている人と出会う。ニューオーリンズ仕込みのアコースティックブルースが、川上から吹くひんやりした風と混ざり合って心地好い。しばらく演奏に耳を傾けた後、どちらからともなく会話を始める。年齢も境遇も全く違うが、お互い音楽と共に生きてきた。音楽は全てを乗り越える。

■7/11 24:00
道に迷う。

■7/11 25:00
無事宿泊地に帰り着き、一服などした後、就寝。

■7/12 10:00
宿泊地を発つ。会場入りの時間にはまだ余裕がある。カーナビを見てみると、遊園地のようなマークを発見。そこに何があるのかは分からないが、夢やロマンが広がっている可能性があるならば行ってみるのが男というもの。

■7/12 10:30
目的地に到着。どうやらフェリー乗り場だったようである。お土産屋やちょっとした市場のような施設も併設されていて、何だかんだで楽しんだ。ここでまさかの出会い。市場直営の寿司屋だ。1貫97円均一で新鮮な海の幸が楽しめるのである。中トロも97円。大トロも97円。財布と相談しながら迷いに迷った結果、こんな機会はなかなかないと、決行。そう、ライブ前に寿司を食べるという至極贅沢な行動をとったのである。とろけた。

■7/12 13:00
会場入り。階段で機材を上げるのは大変である。

■7/12 14:00
リハーサル。

■7/12 17:30
開場。

■7/12 18:00
開演。

■7/12 20:00
終演。汗だくである。

■7/12 22:00
一旦宿泊地に戻った後、反省会も兼ねて食事へ。餃子が有名だという(オトギ情報)、中華料理屋へ。卓上に並ぶ大量の餃子。その日のライブの感想や反省点を話すも、時間が経ってくると過去のライブの思い出話や取り留めのない話に花が咲く。暗い話よりも、全員で笑顔を共有できる。そんな時間こそがアヲイというバンドをより強くするのである。

■7/12 24:00
2軒目に移動。程よく酒がまわってくる者もおり、賑やかに夜は更けていく。

■7/13 10:00
宿泊地を発つ。楽器屋に行ったりと、その日のライブに向けての準備を行う。このツアー、弦の消費量が半端じゃない。道中、山笠の祭りの格好をした人を何人も見た。褌に法被。いくつものお尻を見た。

■7/13 11:30
まさかの2日連続、寿司。売れっ子かとお叱りを受けそうなものではあるが、我々のような者にも優しい値段設定であるからこそ成せる業である。コンビニで弁当を買うのとほぼ変わらないくらいの値段で済むのだから。

■7/13 13:00
再び会場入り。この日は機材を搬入しなくても済む。2DAYSワンマンの利点である。

■7/13 13:30
リハーサル。

■7/13 15:30
開場。

■7/13 16:00
開演。

■7/13 18:00
終演。前日以上の汗に濡れたまま会場の片付けをし、機材搬出。やはり階段は辛い。まだ空が明るかった。

■7/13 20:00
会場スタッフさんお勧めのラーメン屋に行ってみる。DRUM SON入り口の向かい側。今まで博多で食べたラーメンの中で1番美味しかった。やはりここでも替え玉を注文(半玉)。ラーメンは替え玉をしてからが本番である。

■7/13 22:00
大阪へ向けて、福岡を発つ。沢山の思い出を胸に抱えながら。

そう、ライブも勿論ではあるが、これらの1分1秒、一瞬一瞬がアヲイにとって最後の瞬間の連続だったのである。言わずもがな、ライブは最高の出来であった。

最後の瞬間は、それと気付かずに過ぎていってしまう。しかし、確実に、その瞬間の1つ1つを心から楽しめた。心に刻めた。

アヲイのライブは残すところ、東京、愛知、大阪の3ヵ所でしか見ることができない。全国各地を飛び回ることは、もう、ない。

だから何だというのだ。悲しさや寂しさはもちろんある。ただ、アヲイは、君を待っている。


■<アヲイ ONEMAN TOUR 2014 「フテキゴウな林檎」 >
2014年05月30日(金) 新宿RUIDO K4
2014年05月31日(土) 新宿RUIDO K4
2014年06月06日(金) 仙台パークスクエア
2014年06月07日(土) 仙台パークスクエア
2014年06月14日(土) 松山Double-u Studio one
2014年06月15日(日) 松山Double-u Studio one
2014年06月20日(金) ESAKA MUSE
2014年06月21日(土) ESAKA MUSE
2014年06月28日(土) 渋谷チェルシーホテル
2014年06月29日(日) 渋谷チェルシーホテル
2014年07月05日(土) 岡山IMAGE
2014年07月06日(日) 岡山IMAGE
2014年07月12日(土) 福岡DRUM SON
2014年07月13日(日) 福岡DRUM SON
2014年07月18日(金) 名古屋ミュージックファーム
2014年07月19日(土) 名古屋ミュージックファーム
2014年08月01日(金) OSAKA MUSE
2014年08月02日(土) OSAKA MUSE
2014年08月08日(金) 渋谷WWW

■<アヲイPRESENTSファンの集い『雨天決行 名古屋ラスト編』>
2014年08月23日(土) HOLIDAY NEXT NAGOYA
■<アヲイPRESENTSファンの集い『雨天決行 大阪ラスト編』>
2014年08月30日(土) OSAKA BRAND NEW
■<アヲイPRESENTSファンの集い『雨天決行 東京ラスト編』>
2014年09月07日(日) 高田馬場CLUB PHASE
■<アヲイ LAST PRESENTS「BLACK SHOW CASE」FINAL>
2014年09月22日(月) OSAKA MUSE
[問]FACE MUSIC 06-6543-3338

◆アヲイ オフィシャルサイト
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