【インタビュー】『テラスハウス』でも使われているRobert de Boron、「今作は決意になっている気がします」
◆目の前でギター持って。「ダメだ、ヴァイブスが」とか言い出して(笑)
結構そういうところはアーティスティックなんだよね(笑)
――『Shine A Light feat. AWA』というタイトルを見た時に、最初は「Shine A Light」というシリーズ曲に焦点をあてたコンピレーション・アルバムなのかなと思ったんですが、実際に聴いてみるとアルバムを通してストーリー性、メッセージ性が明確ですね。
Boron:そんな風に受け取ってもらえると嬉しいですね。一貫性があるよね、すごく。ジャケットも成長してるんですよ。『ON THE RAINBOW』の時はもっと子供だったんですけど。
――『ON THE RAINBOW』と全く同じ構図のジャケットですよね。これは前作の2人が成長しているということなんですね。
Boron:そうです、イメージはね。今回は楽器も持って、相手が太陽でも戦おうよっていう決意みたいになってますね、前回よりは。
――前作は日が沈む様子が描かれていたんでしょうか?
Boron:いや、あれも日が昇る方で、初めて見た太陽に驚いてる2人っていうイメージですね。今回は驚かされたものに対しても、歩んで行こうよっていうイメージで作ってもらったんですけど。
――今作はギターを使った楽曲が増えていますが、これは全部Boronさんが弾いているんですか?
Boron:そうです。ギター、ウクレレ、ベース、もちろんピアノもそうですし。全部自分でやってます。
――最近はツイッターやフェイスブックで、Gibson J-200 Montana Goldを弾いてる姿がアップされていることが多いですよね。
Boron:もう、ギター熱がアツいです。毎日持ってるもんね。どんどん増えてるし。
――いつも外でギターを弾いてるんですか?
Boron:お台場とか豊洲周辺ですね。埼玉の三郷にも好きな場所があります。良い所あるんですよ、誰も来なくて車も通らなくてシーンとしてる所で。基本的には曲作りに行ってるんですけど。行くとやらざるを得ない環境になるんで。家にいると色々検索しちゃったりするじゃないですか(笑)。あとは壁があるのが嫌で(笑)。
――空気感と言うか、風通しの良い所で作りたいという?
Boron:そうそう。ギターってすごく雑な楽器なんですけど、良いですよね。ギターをやり出して2年になるのかな?でも全然熱が冷めなくて、最近はピアノよりギターで作る方が面白いですね。
――「Hapani Girl」は特にアコースティック・ギターを中心とした曲ですが、これはオープン・チューニングで弾いているんですか?
Boron:いや、カポをつけてるだけですね。
――前作では楽器のチューニングをレギュラーの440HZではやってなかったんですよね。
Boron:ああ、今回もやってないですよ。440HZでやってるの一曲もないんじゃないかな?だからベースもギターも変えてます。
――それは曲によってそれぞれ変えてるんですか?
Boron:曲によってちょっと違いますね。声のテンションが足りない曲はチューニングを高くしたりとか。「Hapani Girl」は448HZとかかな?相当高いですよ、たぶん。下げて作ったのも1曲ありますよ、438HZっていうのが。それは逆にテンションがありすぎた音を下げた感じです。それと心地良さですね。
――それはボーカルのメロディに合わせてるってことなんですか?
Boron:う~ん、なんかむずかしいですね、そこらへんは。例えば、ギターでCのコードを440HZでバーンって鳴らして気持ち良くないやつが、450HZにするとズドーンと入ってきちゃったりするのもあるんですよね。だから曲によりますね。
――今作は『Shine A Light feat. AWA』というタイトルの通り、AWAさんとのコラボ・アルバムということなんですが、AWAさんとは最初はどんなきっかけでつながったんですか?
Boron:もともとAWAがNesian Mystikっていうニュージーランドのラップ・グループにいたんです。そこでサビを歌うのがAWAだったんですよ。それをYouTubeかなにかで見て、一緒にできないかと声を掛けて1stの時に2曲録ったんです。それが「Shine A Light (Let's Love) feat. Awa & Junz」と「Shine A Light Pt.2 feat. Awa and Oldwun」になってるんです。そしたら「Shine A Light Pt.2」が大ヒットしまして。
――なるほど。そこから「Shine A Light」のシリーズが始まったんですね。今回はもとからある「Shine A Light」1~4を軸にアルバム全体のストーリーを組み立てていったんですか?
Boron:曲は10曲以上「こんなのどう?」ってAWAに投げて、ある程度色は揃ってたと思うんですよ。でもそれが気に入らなかったみたいで。しかも来日した時にリリックを書いてきたのが2曲だけで。でも7曲録るって言ってたのに、2曲しか書いて来てないし「どうしよう!?」って。来日した次の日から4日間連続でレコーディングだったんですよ。
――AWAとは曲作りの分担ってどうなってたんですか?
Boron:7割くらいのオケを先に投げて、気に入ったのを選んでもらってリリックを書いてもらう感じですかね。そこから来日して一緒に「ここのコーラスが足りない」とか「そこは裏からじゃなくて表から入れてくれ」とか指示しながらレコーディングしていった感じなんですけど。2曲はセッションで作ったんですよ。オケが気に入らないってAWAが言うから。
――そうなんですか?
Boron:そうなんですよ。目の前でギター持って。「ダメだ、ヴァイブスが」とか言い出して(笑)。結構そういうところはアーティスティックなんだよね(笑)。
――へぇ~、AWAはポリネシアンだからもっとざっくり適当なのかと(笑)。
Boron:あのね、スピリチュアルな部分で「魂と合わねえ」みたいな感じになると駄目なんですよ。実際に7曲中5曲を嫌だって言ってたんですけど、俺とかスタッフに会って、そのうち2曲は書いたんですよ。だから合計4曲は録ったんだけど(Outroを除いて)あと2曲足りないから、結局セッションして(笑)。だから「Hapani Girl」は日本語とマオリ語と英語って3つの国の言葉が入っていて、AWAも超気に入ってるんですよ。それと2曲目の「Let Go feat. Imani」もセッションして作りました。
――AWAさんとぶつかり合って出来た感じですか?
Boron:いや、AWAとは結構近い感じなんで楽しくやれたし、ガチャガチャになるようなことはなかったですけどね。最初にスタジオで声が出た瞬間に「yeah!」とか言っちゃったから。「これはもらったな」と。それが1曲目の「It’s Never Too Late」で、AWAが日本に来て最初にレコーディングした曲なんだけど「ヤバいなコレは!」って感じで絶対良いものになると思いましたね。
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