【インタビュー】Robert de Boron「輝いている人間というのはみんな熱い」
「Shine A Light」を総括した前作『Shine A Light feat. AWA』から約1年、オリジナル・アルバムとしては『ON THE RAINBOW』以来2年振りとなる4枚目のアルバム『Dreams in Static』をリリースしたトラックメーカー、Robert de Boron。ダイナミックかつ緻密なアレンジに美しいメロディー、ラップ・ボーカルが乗るメロウHip Hopの第一人者として以前と比較しても認知度が確実にアップしている彼の新作だ。これまでの世界観は継承しつつ、よりポジティヴさと力強さを増した曲たち。そして何より音量を上げても耳に心地よいサウンドメイキングの妙が味わえる今作について、そして今後の活動について。このインタビューから、彼の作品の根底にある音楽家としての情熱を感じ取ってほしい。
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── オリジナル・アルバムとしては2年振りとなる4枚目アルバム『Dreams in Static』がリリースされましたが、先行配信のiTunes ではHIP HOPチャート2位と大変好評ですね。
Robert de Boron(以下・Boron):そうですね、反応はすごく良いみたいで嬉しいですね。
── 2014年に発売された『Shine A Light feat. AWA』に収録されていた「It's Never Too Late」がアルバム・バージョンとして収録されているので聴き比べてみたんですけど、『Dreams in Static』の方が音が柔らかくて聴きやすいですね。音量を大きくしても耳が気持ち良いというか。
Boron:あ、そう言ってもらえて嬉しいです。Hi-Fiにし過ぎたんだろうね、たぶん前の作品(笑)。でもアナライザーで見てるとほぼ同じくらい出てるんですよ。高音域もシャリシャリ出てるはずなんだけど、そんなにえげつなく刺さってこないですよね。
── 前作の「It's Never Too Late」は迫力があるんだけど、結構「うっ」っていう感じもあって。
Boron:圧される感じというか、刺さる感じがありましたよね。
── それが今作全体にはないですよね。
Boron:嬉しいなあ。たぶん機材に耳が慣れてきたというのもあるんじゃないですかね。前作あたりからちょこちょこ変えだして、今回もモニターを変えたりインターフェイスを変えたりとかしたんですけど、そこらへんにようやく自分の耳が馴染んできて「これだと出過ぎてるな」とかいうのがしっかり見えてきたというか。マスタリングとか外に出しちゃえばある程度やってくれるんですけど、僕は基本的に全部やってるから。最終調整のところで耳が慣れて良い音で出せたのかなと思いますね。