映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』、音楽が秀逸
7月11日より公開となる映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』の音楽が秀逸だ。映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』はウディ・アレンが『ヴァージン・ハンド』以来14年ぶりに自分の作品以外に出演するという作品だが、出演のみならず脚本アドバイザーとして名乗りを上げていることもあり、全編で奏でられるGene AmmonsやTrombone Shortyといったジャズの名曲たちの登場も、ウディ・アレンらしさを感じさせるところだ。
◆映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』画像
本作で監督・脚本・主演を務めるのは、その独特な演技で観客を魅了する個性派俳優ジョン・タトゥーロだ。彼もジャズ音楽をよく聞くとのことで、今回映画に使用された曲は、タトゥーロが脚本を書いている時によく聴いていた音楽だったという。
「例えば、Gene Ammonsのサックスの音楽とかね。それは、僕が昔から聴いて育ったような曲でもあって、多くは、『Boss Tenor』というアルバムに収録されているんだ。それからフランス語で歌うDalida という女性アーティスト。彼女の曲も、脚本を書いている時にいつも聴いていたんだ。パリで彼女のCDを5ユーロくらいで買って、すごく気に入っていたからね。だから、言ってみれば、これらの曲は最初から映画に組み込まれていたって感じなんだ。それからヴァネッサ(・パラディ)が歌う「Tu si’ na Cosa Grande」という曲は、実は僕が作ったナポリについてのドキュメンタリー『Passione』で使いたいと思っていた曲でね。バネッサが勉強して歌ってくれたんだ。それからTrombone Shortyの音楽なんかは、わざとらしくなくて良いと思ったから使ったんだよね。ハシディック・コミュニティを描いているのに、ブラック・ミュージックを使うというのは、むしろ逆で面白いと思ったんだ。実際は、向き合っているようなコミュニティだからね。それで、全体としては、観ている人達を自然にシーンに引き込むような音楽でありながら、でも、そこで泣けとか、感動しろとかいうような、わざとらしい効果がない音楽を使う様に心がけたんだ」──ジョン・タトゥーロ
NYの代名詞ともいえるウディ・アレンが原案を気に入って出演から脚本まで手をかけることになったという話だが、タトゥーロとタッグを組んだ理由のひとつは、音楽のセンスが合ったからなのかもしれない。
大人のラブストーリーを心地よいテンポで彩るジャズ音楽に、是非ともご注目を。
映画『ジゴロ・イン・ニューヨーク』
ブルックリンの本屋店主(ウディ・アレン)は、つぶれそうな店をどうしたものかと苦悩の日々。そして思いついたのは、花屋のバイトの友人(ジョン・タトゥーロ)をジゴロにして、男娼ビジネスをスタートさせるという迷案?戸惑う友人を口説き、ジゴロビジネスを開業するやいなや、意外にもクールでダンディなジゴロは裕福な女性たちをたちまち夢中にさせていく。ところがある未亡人(ヴァネッサ・パラディ)と恋に落ちてしまい…。ウディ・アレンら曲者キャストがニューヨークを舞台に贈る、小粋な大人のラブストーリー。
[監督・脚本]:ジョン・タトゥーロ
[出演] ジョン・タトゥーロ、ウディ・アレン、ヴァネッサ・パラディ、リーヴ・シュレイバー、シャロン・ストーン、ソフィア・ベルガラ、
原題:Fading Gigolo/2013年/アメリカ/90分/カラー/ヴィスタ/5.1chデジタル/字幕翻訳:稲田嵯裕里/PG-12
(C) 2013 Zuzu Licensing, LLC. All rights reserved
配給:ギャガ
7月11日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国順次公開
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