【連載】nano.RIPEきみコの「き」は季節の「季」第23回「いのちをまもること」
2月になりました。
今年の冬は東京でも雪が多くて、どこもかしこも大混乱。
雪自体は好きだけれど、ぼくらツアーバンドにとっての命綱、道路が通行止めになったり凍結したりしてしまうのは困る。電車のダイヤが乱れたりしてしまうのも困る。
みんなもお仕事や学校や毎日のサイクルが狂ってしまって、きっと大変だったと思います。
しんしんと静かに雪が積もっていく様や、夜が明けたら銀世界だった、なんていう光景はロマンチックで大好きなので、よく言う「コレがオトナになってしまったということ?」というものとは切り離して考えたいところですが、やっぱりそうなのかな…そういうことなのかな…
考え方を少しポジティブに「守るべきものが増えた」という言い方だとどうだろう。うん、なんだかしっくりくる。
そんな今月は「命を賭すということを考えさせられる作品」をご紹介。
映画編 -「レ・ミゼラブル」2012年/イギリス
1862年にヴィクトル・ユーゴー氏が執筆したフランス文学。
あまりにも有名な作品で、ミュージカルを中心に、映画、テレビドラマ、アニメ等、幅広く作品化されていますが、恥ずかしながらあたしが初めてこの作品に触れたのはトム・フーパー監督の、この「レ・ミゼラブル」でした。
こんなにも泣いた映画があるだろうか、というくらい序盤からエンドロールまでもう泣きっぱなし。
ミュージカルにおける「歌」というのは、「歌」というよりもむしろ「言葉」。
本来「歌」ってこういうものであるべきなんだろうというくらいに、メロディーや歌詞としてではなく、感情がそのままココロからココロへとズドンと送り込まれるようなものでした。
その上メロディーも歌詞もステキなんだから、そりゃあもう涙なしには観られないって話。
というか、この作品を涙なくして観られるという人がいたら小一時間問いただしたい!
個人的にはガブローシュ役のダニエル・ハトルストーンくんの歌声が大好きで、もうずっと聴いていたいと思うほど心地良かったです。
守るべきもののために己のすべてを捧げる人間の強さ、そして弱さ。登場人物それぞれが抱える信念や苦悩。
「死」や「命」について深く考えさせられる物語でした。
ご存知の方も多い作品かとは思いますが、もしもまだ触れたことがないという方がいましたら、今すぐにレンタルショップに走っていただきたいくらいです。
読書編 ―「憂国」三島由紀夫
本はもちろん好きですが、好きなジャンルが偏っているあたしは読んだことのない作者の作品に自分から手を付けることは多くありません。
三島由紀夫さんもお名前だけは知っていたもののなかなか読み始める機会がなく、この「憂国」があたしにとっての三島由紀夫さん処女作でした。
最初にこれを選んだのは果たして正解だったのか、それとも間違いだったのか。
短編小説なので、表題の「憂国」はとても短い作品なんですが、とにかくもう衝撃的な作品でした。
新婚の軍人が仲間を討伐しなければならなくなったことに苦悩し、妻とともに心中をするというストーリー。
二・二六事件の外伝的作品ということらしいのですが、当時の背景は授業で少し習った程度の知識しかないあたしですら、あの時代の空気感を少し肌で感じられた気になってしまいました。
言葉の選び方なのか文章の構成なのか、難しいことはよくわからないけれど、生々しいほどに情景が脳内に浮かび、読みながらずっとうなじのあたりがザワザワとしていました。
この作品を読んでから三島由紀夫さんの人となりも調べてみたのですが、とても影響力のある方だったみたいですね。
こういう生涯を遂げた方の言葉だからこそ、より一層刺さるものなのかもしれません。
命を賭す、というと大袈裟に聞こえるかもしれませんが、もしかしたらだれしもそれくらいの覚悟を持って守っているものがヒトツやフタツあるものなのかもしれません。無意識にだとしても。
あたしにとってのそれは、やっぱりバンドになるのかな。それとも愛猫イコだろうか。いや、結局のところ、巡り巡って自分自身なのかもしれないな。
大切なものは守りたいです。
弱くて、弱くて、イヤになるほど弱くても、出来る限りのあたしで。
そしてそんな風に思えるものに少しでも多く触れていられる人生でありたいです。
nano.RIPE きみコ
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