【インタビュー】IKUO「俺についてこいっていうのは自分にはないんで誰かに必要とされることが僕は一番幸せなんです」

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■「V系っぽくない曲」はtatsuoくんに曲を依頼して完全に狙って入れました
■とんでもないベーシストをバトルさせようというのをコンセプトにして


──では作品の内容に関して触れていきましょう。本作は1曲目「N.S.R」からIKUOさんが歌ってる訳ですが。久々の歌入れはどうでしたか?

IKUO:ほとんど2回ぐらいしか歌ってないですけど、どれもわりとすんなりいきましたね。この曲、変な声が入ってるなって思いませんでしたか? あれはウチの猫の声です。“DJみーくん”というのはウチの猫のこと。猫も僕の大事なファミリーなので。

──ここではMASAKIさんとIKUOさんのベースバトルも楽しめる訳ですが。

IKUO:MASAKIさんもまさか猫と共演するとは思ってなかったと思います(笑)。タイトルは“NO STANDARD RACER”という意味で。僕はベースの速弾きが好きなんで、そんな自分とMASAKIさんのプレイを規格外のレーサーに例えた歌です。ちなみにウチの猫も足が異常に速いんで、そこも規格外かなと。

──猫以外に超身近にいる人たちといえば、「OVERLAP」(アニメ『遊☆戯☆王デュエルモンスターズ』主題歌)のセルフカバーにはブルゼッケン88が総出演!!

IKUO:みんなが知ってる歌だからこそあえて面白くしたいなということで、ブルゼッケン88の「LOVELY」をやってもらった僕の大好きなFEAR FROM THE HATEの河原(耕一)君にEDMにアレンジしてもらい、ブルゼッケン88を出すならここしかないなと思ってみんなに出てもらいました。間奏に僕と淳士コーナーまでわざと作りましたからね(笑)。あそこでニヤッとして欲しい。

──T.M.Revolutionの「THUNDERBIRD」のカバーはニヤッどころじゃない衝撃が!

IKUO:あえてこのメジャー曲を選び、とてもじゃないけど西川君の歌は歌えないので、僕なりにフレットレスベースで歌わせていだたきました。有名曲のカバーはそういう意外性が面白いかなと思ったんで。

──それで、このムーディーな仕上がり具合。予想を遥かに越えた驚きがありました。

IKUO:これはチョパレボで一緒にやってる村田隆行くんにアレンジをお願いしました。彼はR&Bアレンジに長けてる人なんで。エンジニアもそっちに長けてる人にお願いして。一番面白かったのは、僕が10年前にソロでやろうと思ってセッションを始めた頃からずっと六本木PIT INNで一緒にやらせていただいてた山口真文さんというものすごい大御所のジャズ&フュージョン系のサックスプレーヤーがいらっしゃるんですけど、ここではそんな方にT.M.Rを吹いてもらいたいというのがこの曲の一番のにやけポイントです。

──なるほど。

IKUO:山口さんと出会ったことで、僕のジャズサイドを引っぱり出してもらったんです。これ以外に僕のジャズ、フュージョンサイドを出した「PIT INN GROVE」という曲がありまして。この曲はなぜこんなタイトルかといいますと、トランペットの小野研二さんという方が六本木PIT INNの店長だったんです。もう閉店したんですが、僕がある人の紹介でここに出るようになったら小野さんが気にってくれて。そこからいろんなスタジオミュージシャンを紹介してもらって僕の第二の人生がスタートしたんです。

──それで、このタイトルに?

IKUO:はい。ここでドラム叩いてるT-SQUAREの坂東(慧)君は19歳の頃、僕とここでセッションして。それがきっかけでT-SQUAREに入った。六本木PIT INNがあったお陰でいまがあるというのは僕と同じなので、この曲でドラムを叩いてもらったんです。

──ニヤッとどころじゃなくて、笑えたのが「V系っぽくない曲」。これはゴールデンボンバーの「†ザ・V系っぽい曲†」を作ったtatsuoさんに曲を依頼。ゴールデンボンバーの歌広場淳さんまで参加してて、にやけポイントありまくりで大爆笑でしたよ!

IKUO:これは完全に狙って入れましたから。MASAKIさんのアルバムもそうでしたが、ベーシストに参加してもらう曲を入れてるんですね。今回はMASAKIさん、そしてヴィジュアルバンドやってるとんでもないベーシストをバトルさせようというのをコンセプトにして。V系ベース……じゃあ歌広場君も声かけようと。彼らの「†ザ・V系っぽい曲†」は僕がベースを弾いてるので、tatsuo君に曲を発注しようと。でも、歌広場君はどうしようと考えたときに、じゃあMCでミュージシャンを紹介してもらおうというプランを立てたんです。紹介文は一応参考になるようなことを伝えたんですけど、まったく採用されず(笑)。

──えっ、じゃああの“お姫様抱っこ”っていうような紹介フレーズは歌広場さんが考えたんですか?

IKUO:そうなんですよ! あれには驚かされました。さすがだなと。あれだけだと彼の声が突然聞こえてくるんで、その前に掛け声を入れてさらにチャラくしようと思い。そこはTeam IKUOのローディーにやらせました! 僕がいままでお世話になったのはミュージシャンだけじゃなくてローディーもですからね。彼らにも表に出て欲しいなと思って。

──そして、ラストに入ってる「prestissimo」。これ、ベース1本で弾いてるんですか?

IKUO:そうですよ。ノーダビングです。

──パーカッションみたいな音もベースで?

IKUO:あれはですね、スラップ奏法で実音を出さずにやるとパーカッションみたいな音が出るんです。ベースソロの独奏って、だいたいはタッピングやライトハンド奏法を使ってベースをギターのように使ってテクニカルなアルペジオで構成するインストが多いんですが、僕はその発想を変えて。ベースをギターに寄せるんじゃなく、ドラム、パーカッションに寄せてリズム押しで作ったんです。タイトルは音楽用語で“最速”という意味です。

──アルバム発売後にはソロライブツアー<IKUO Solo Live Tour “R.E.D. ZONE”>開催も決まってますが。もちろん、ここでは。

IKUO:アルバム全曲やります! はたして歌いながらベース弾けるのか。“自信がないです”と必ず書いておいてください(笑)。

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