【インタビュー】marina「洋楽とかの要素をアニソンに入れてジャンルの垣根を無くしていくのが私の一番の目標かもしれない」
テレビアニメ『Angel Beats!』の劇中バンド“Girls Dead Monster”のボーカル・岩沢役として2010年に歌手デビュー。以来、アニソン、ゲーソン、ボカロ曲と、様々な楽曲を披露してきたmarinaが、PS3ソフト「解放少女 SIN」のオープニングテーマ「キミはもう、ヒトリじゃない」を2013年12月にシングルリリース。妖しいファルセットからプリミティヴな低音と、ドラマティックに変幻するボーカルを聴けば、彼女のディープなルーツと高いポテンシャルが確認できるはず。アニソンに洋楽を取り込みたい──そんな野望を語る彼女のBARKS初インタビューをどうぞ。
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■自作詞のときは楽曲に沿わせつつ自分の気持ちも組み込んで
■アニメファン以外の方にも共感できるような歌詞を心がけています
──プロフィールによると、子供の頃から音楽に親しんでいたそうですね。
marina:はい。ピアノを3歳からやっていて、高校生のときはクラシック専攻の音楽科に通ってました。
──3歳から!? ずいぶん早いですね。
marina:親もお祖母ちゃんも歌が好きだったんです。家にカラオケがあって、親戚が集まると毎回カラオケ大会が始まっていました。母は私に体操か音楽をやらせたかったみたいなんですけど、体操のほうは全然できなくて。でも、一人でテレビを観ながら歌ったりしてたから……ってことでピアノを習わせたらしいです。で、中学から曲を書き始めたんですよ。
──そのキッカケは?
marina:たしか、夏休みの宿題で作詞/作曲をしなきゃいけなかったんです。それで曲を作ったときに、“音楽を使えば、人に言葉で伝えなくても気持ちを発散できる!”ってことに気づいたんです。私、昔から他人との間に壁を作る癖があったんです。学生時代はホントに目をつけられやすくて、でも、絶対に負けたくないから、どんなに嫌なことがあっても毎日学校に行き続けて。そんな経験から、人に不信感を抱いたまま生きてきたんです
──そんな気持ちの格好の捌け口になったのが、音楽だったんですね。
marina:そうなんです。私の場合は感情や物、人に対して和音が浮かぶので、そこから曲を作っていきました。それを家で歌っていたら、母に「せっかくだからオーディションでも受けてみたら?」と言われたんです。で、受けたオーディションの審査員に東京の音楽専門学校の先生がいらして、「特待生としてウチに来ないか?」とお誘いいただいたんです。本当は保母さんになるつもりだったけど、そのためには女子短大に進学しなきゃいけなくて、ちょっと抵抗を感じていたんです。しかも、いろんな人の価値観を知りたいと思っていたときだったから、お誘いを受けることにして高校卒業後に宮崎から上京したんです。
──他人の価値観を知りたかったということは、自分の中で“何かを変えたい”という想いがあったんでしょうね。
marina:あ、それは大きかったですね。でも、なかなか変えられなかった。東京に出て来て、いくつかオーディションを受けたんですが、審査員に「まず、君は壁を取り払いなさい」と言われたこともあって。その壁を取らなきゃ良い歌も歌えないよ……って核心を突かれて、すごくショックでした。それで専門学校を卒業してから、“これに落ちたら宮崎に帰ろう”とソニーのオーディションを受けたら受かって、その担当者が持ってきたのが“Girls Dead Monster”のオーディションだったんです。でも、それまで弾き語りばかりでロックなんて歌ったこともなかったし、おまけにオーディションの日に熱があったから、てっきり落ちたと思ってすぐに資料を捨てちゃったんですよね(笑)。
──そんな(笑)。ちなみに、アニソンというジャンルに馴染みはありました?
marina:いえ、まったく。アニメもゲームも触れてこなかったので。ただ、ラッキーなことに、歌わせてもらった岩沢まさみというキャラクターが、割と自分に似てたんですね。暗くて、悲観的で、他人に嫌悪感を抱いていて、でも、どこか信じたいっていうところも共感できたから、それこそ等身大の私で歌えました。私、割とそういうパターンが多くて、タイアップ曲でも特にシナリオも読まず、映像に自分の声が入ってから確認したりするんです。そもそも曲が訴えたいことは歌詞に大体詰め込まれているし、自分と同じようにアニメを観ない人にも伝えたい!っていう気持ちが強いから、そうなっちゃうんです。
──つまり、作品の世界観を忠実に歌うよりも、自分らしく表現することのほうに重きを置いていると。
marina:はい。私は物語の登場人物でもないし、聴き手に自分の感情をリンクさせてほしいという気持ちが強い、なので自作詞のときも、作品の世界観は尊重しつつ自分の気持ちも組み込んで、普遍的にも共感できるような歌詞になるように心がけています。特に前作の「キミ∽ツナグ」からは、制作陣と話し合いながら楽曲作りをしていて、そこは強く意識しています。
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