【インタビュー】藍井エイル、『AUBE』アルバム曲にも流れるこだわり。「新しい私を見ていただきたいなと思って」
1月29日にニューアルバム『AUBE』をリリースしたばかりの藍井エイル。「藍井エイルの新しい一面を知っていただきたい」という思いのもと、ニューアルバムには彼女が新しく様々な取り組みを行った楽曲が余すところなく詰め込まれている。
◆藍井エイル 画像
今回はそんな藍井エイルに、『AUBE』全編を貫くコンセプトとアルバム曲へのこだわり、そして3月から始まる<“AUBE”TOUR 2014>への現在の状況などを聞いた。
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──『AUBE』を一通り聴かせていただいたんですが、全曲通じて「夜明け」や「陽だまり」など、一日の流れを思わせるフレーズが必ず含まれていますね。アルバムを編成する前からこの「一日の流れ」というコンセプトは決まっていたんでしょうか?
藍井エイル(以下、藍井):コンセプトとしては実は最初迷っていて、1stアルバム『BLAU』の続編のようなゴリゴリした楽曲メインでより進化したものを収録するか、それとも藍井エイルの新しい表情を見せる、様々なタイプの楽曲を収録するかということがあったんです。最終的には2013年に色々な新しいことに挑戦したことも踏まえて、新しい私を見ていただきたいなと思って色々なタイプの楽曲を選曲しました。
そこからの選曲の最中に、一日の流れを感じるようなワードや楽曲の曲調に気づいて、一日のいつ聞いてもビビッと来るような、そんなアルバムを作れたらいいなと思ったんですね。藍井エイルの大きなテーマに「光を歌っていく」というものがあって、なので一日の中でも夜明けから始まって夜明けで終わっていくという流れにして、そして終わったらまた繰り返して聞いていただけるような、そんなアルバムを作りたいなと思いました。
──なるほど。ではM2の「サンビカ」とラストの「A New Day」のポジションは最初に決まっていたわけですね。「サンビカ」はニコニコチャンネルで配信されている『キルラキル』内でも流れていますね。
藍井:こちらも本当に素敵な作品と携わらせていただいて、あんなにパンチ力のある面白いアニメに出会えたことにもまず感謝ですね。いつか流子ちゃん(※『キルラキル』主人公)のコスプレもしてみたいなと思ってます。今はまだちょっと照れがありますが(笑)。
──アルバムを通じて、今回はM12の「Daydream」など、昼をモチーフにした歌が曲ごとに表情豊かだなと思いました。
藍井:ありがとうございます。「Daydream」ほど明るい楽曲に挑戦したことがなかったので、私も新たな自分に出会えた感じがすごくあって。本当に明るくてポップな楽曲で、歌詞も「光に会いに行く」という楽曲になっているので、声色も、私自身声色が憂いのある声色をしているなってのは思ってるんですけど、「Daydream」はほんとに明るい気持ちで、「スキップするような気持ちで歌って下さい」ってディレクションもしてくださって。
──雨モチーフだと今までだとシリアスな印象の曲が多かったですが、全然違ってましたね。
藍井:雨さえもプラスに変えていくという明るい楽曲になっているので、ライブで歌うとどういう変化を遂げるんだろうって思っています。いつもライブでは「いくぞ!」とか煽りを入れたりするんですが、「Daydream」ではどうなるんだろうという。そういった意味でもツアーも楽しみだなと思っています。
──『AUBE』リード曲としてM13の「KASUMI」が選ばれていますが、こちらの曲をリード曲に選んだ理由を教えていただけますか。
藍井:そうですね。「KASUMI」のメロディラインがかなりキャッチーなものになっていますし、本当にメロディが藍井エイルのちょっとゴリゴリした感じってものの代表になるんじゃないかなって思っていて。今まで私自身何かと闘っている楽曲を歌うことが多かったんですけれども、「KASUMI」は二人で居て感じる孤独っていうものを表現していて、二人でいるのに一人で居るような寂しい感じだったり、相手に合わせすぎて自分のアイデンティティがなくなっていってしまうような感じとか、二人に対しての壁、二人の関係が霞んでいくという意味でもタイトルが「KASUMI」になっています。
どの楽曲でもそうなんですけど、作家さんにどういう楽曲ですかって全て聞いているんですよ。「KASUMI」の歌詞の主人公は女の方なんですけど、その女性像としての「KASUMI」にしたり、タイトル表記もアルファベットの「KASUMI」と結構こだわったりとかしてて。それと、今回初めてバンド構成でミュージックビデオも撮りました。廃墟スタジオで撮影をして、実は北海道のベーシストの友人に友情出演してもらったりして。いろいろとカッコいい感じで撮ったんですよね。
──この「KASUMI」はアニメタイアップではない楽曲ですが、アニメタイアップが決まっている時とそうでない時とでは、心構えの違いはありますか?
藍井:何よりも楽曲を楽しんでもらうことを大事にしたいので、楽曲に対する思いをどう整理つけるかってことは基本的には同じで、歌詞がどうやったらより伝わりやすくなるか、例えばアニメのタイアップだったとしてもアニメの方に寄り過ぎるわけではなく、ちゃんと自分のアイデンティティをエッセンスとして取り入れていくっていう感じはすごい大事にしているので、自分の伝えたいことが何なのかっていうのは変わらないです。歌詞を書いたりする時も、感情からまずインプットしていくというか似たような感覚がいつあったかということを思い返したりします。
──なるほど。そしてアルバムラストのM13「A New Day」へ繋がっていくと。「A New Day」では歌詞を共作されていますが、こちらはひときわ穏やかな曲ですね。
藍井:まさに夜明けの歌。“AUBE(夜明け)”に最も近いというか、繋がっていく楽曲なんですけれども、タイトルも「New Day」ではなく、「A New Day」にこだわった理由も一日一日の大切さというものを歌いたくて、“A”をつけたほうが“ある一日”という感じがあるんじゃないかなと。タイトルは結構ワンワードが個人的に好きなんですけれども、ここはあえての「A New Day」にしました。
あと、アコースティックギターとボーカル、コーラスだけの本当にシンプルな楽曲になっているので、レコーディングで緊張するのもすごく久しぶりだなって思っていました。アウトロイントロって普通レコーディングしないんですが、この曲は本当に繊細なシンプルな曲なので、マイクをOFFにしてしまうとイヤホンやヘッドホンで聞いた時に空気感がガラッと変わってしまうみたいなんですよ。なので、アウトロイントロも実はレコーディングしていて、ちゃんと居ます。なので最後まで聞いてみてください。
──ありがとうございます。ちなみに、BD/DVD収録の「クロイウタ」のミュージックビデオの話も聞こうと思っていました。藍井さんが赤いペンキで挑戦されたというシーンに期待して先にショートバージョンを見たら……いいところでおあずけ!という。
藍井:そうなんですよ。ショートバージョンだと見れないんですよ。早くみなさんにフルを見て欲しくて。私も自分自身ショートバージョンを見て、「ここで終わるんかっ!」と一人で言ってしまう自分が居たんですけど(笑)。2011年から本当にずっとやりたいって思っていて、夢がかなったミュージックビデオになっていて、頭からペンキをかぶるっていうのが誕生日を迎えて一番最初にやった仕事だったので(笑)。
──楽曲面でもウィスパーボイスが新鮮でしたね。
藍井:ほんとに2013年は新しい体験をたくさんさせて頂いて、声色、という面でも新しいことに挑戦できたなと思っておりまして。ぜひ黒いエイルをご覧頂きたいと思います。
──そんな『AUBE』をひっさげて、3月から<“AUBE”TOUR 2014>が始まりますが、こちらはもうセットリストも考え始めている?
藍井:そうですね。選曲もいろいろ考えているんですけども。でも、曲数的に私はもっと行きたいんですけれども、大体ワンマンライブの曲数って決まっているじゃないですか。もっと超えたいけど……という葛藤もありますね。
──あのハイトーンで最後まで歌いきるわけですもんね。
藍井:喉は強い自信がありますのであとは集中力の問題かなと思うんですけれど、毎回ライブやる時は全力でやっているので、打ち上げとかはほぼ無言ですね。バンドメンバーがビールとか飲んでる中で、私は飲み物もあまり飲まず放心しているという状態が30分ぐらい続くんですけれども(笑)。
──ライブといえば、ラッピングタクシーの“エイルタクシー” も走りだしましたね。
藍井:本当にありがたいですね。2回目です。前回はINNOCENCEタクシーだったんですけど、その時も長栄タクシーさんが作ってくださって。私が歌いに行くツアー会場や雪まつり会場でエイルタクシーを停めてくださってたりしてたんですよ。今回はまだ実物を見れていないので、ツアーの時に見られるのかなと思って楽しみにしています。関東の方とかにも実際にお見せしたいんですけど、北海道限定なので、ぜひ北海道にもみなさん遊びに来て欲しいなと思います。
──最後にBARKSユーザーの方にコメントをお願いいたします。
藍井:今回のニューアルバム、ジャケット写真も女性的で、新たな挑戦がたくさん詰まったアルバムとなっています。さまざまなタイプの楽曲が詰まっていて、初回盤には6本もMVが入っているというボリューミーな内容になっていますので、楽しんでいただけるんじゃないかと思います。あと、『AUBE』を掲げてのツアーも決定しているのでぜひ皆さんと楽しい時間を共有できたらと思っています。皆さんに楽しい時間を提供できるように、音楽って凄く楽しいって思える時間を提供できるように頑張りたいなと思っています。よろしくお願いいたします。
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ニューアルバム『AUBE』
2014年1月29日発売
[初回生産限定盤A(CD+Blu-ray)]SECL-1450~1/¥3,900(税込)
[初回生産限定盤B(CD+DVD)]SECL-1452~3/¥3,600(税込)
[通常盤(CD)]SECL-1454/¥3,000(税込)
☆初回生産限定盤(A・B)には48pフォトブックレット付+スリーブ仕様
☆初回仕様限定盤(初回盤A・B/通常盤初回分)は、各3種オリジナル・フォトカード封入
<収録曲>
1. dawning 作曲・編曲: 安田 貴広
2. サンビカ 作詞・作曲・編曲: 安田 貴広 (TVアニメ『キルラキル』挿入歌)
3. 近未来交響曲 作詞・作曲・編曲: 新井 弘毅
4. シリウス 作詞: meg rock/作曲・編曲: 重永 亮介 (TVアニメ『キルラキル』オープニングテーマ)
5. アストラル 作詞・作曲・編曲: 黒須 克彦(BSアニマックス「ゲーム★マニアックス」エンディングテーマ)
6. SAILING 作詞: コツキミヤ/作曲・編曲: 流歌
7. コバルト・スカイ 作詞: Eir, rino/作曲: Tomo./編曲: 黒須 克彦 (TBS系テレビ『CDTV』7月度オープニングテーマ)
8. nayuta gride 作詞・作曲・編曲: 安田 貴広
9. 惑星の唄 作詞・作曲・編曲: Heart's Cry
10. 翼の行方 作詞・作曲: 安田史生/編曲: 森 空青
11. 虹の音 作詞: Eir/作曲: 重永 亮介/編曲: 新井 弘毅, 重永 亮介 (TVアニメ『ソードアート・オンライン Extra Edition』テーマソング)
12. Daydream 作詞: 大塚 利恵/作曲・編曲: 津波 幸平
13. KASUMI 作詞・作曲・編曲: 新井 弘毅 (日本テレビ系『フットンダ』1月エンディングテーマ/日本テレビ系『ミュージック・ドラゴン』パワープレイ)
14. A New Day 作詞:Eir/作曲・編曲: 安田 貴広
[BD/DVD]
コバルト・スカイ (Music Video)
シリウス (Music Video)
クロイウタ (Music Video)
虹の音 (Music Video)
KASUMI (Music Video)
サンビカ (Music Video -Live ver.-)
<藍井エイル 番組出演情報>
■STUDIO MUSIX
2月2日(日) 21:00より放送
(リピート放送:2月9日(日)11:00~12:00、2月10日(月)5:00~6:00)
http://www.animax.co.jp/special/studiomusix/
藍井エイル<"AUBE" TOUR 2014>
○3月14日(金)@東京 TSUTAYA O-EAST[Open/18:00 Start/19:00]
問合せ:HOT STUFF PROMOTION(03-5720-9999)http://www.red-hot.ne.jp
○3月16日(日)@札幌 cube garden[Open/17:00 Start/18:00]
問合せ:WESS(011-614-9999)http://www.wess.jp/
○3月28日(金)@福岡 DRUM Be-1[Open/18:00 Start/19:00]
問合せ:キョードー西日本(092-714-0159)http://www.kyodo-west.co.jp/
○4月4日(金)@大阪 なんば Hatch[Open/18:00 Start/19:00]
問合せ:キョードーインフォメーション(06-7732-8888)http://www.kyodo-osaka.co.jp/
○4月11日(金)@名古屋 Electric Lady Land[Open/18:00 Start/19:00]
問合せ:サンデーフォークプロモーション(052-320-9100)http://www.sundayfolk.com/
○4月18日(金)@東京 渋谷公会堂[Open/18:00 Start/19:00]
問合せ:HOT STUFF PROMOTION(03-5720-9999)http://www.red-hot.ne.jp
☆チケット前売:¥4,500(税込)
☆more info.:www.aoieir.com
◆STUDIO MUSIX(藍井エイル出演 2月9日(日)11:00~12:00、2月10日(月)5:00~6:00)
◆チケット詳細&購入ページ
◆藍井エイルオフィシャルサイト
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