【インタビュー】Dragon Ash「俺達しかできないこと言えないこと説得力があること無いことを研ぎ澄まして考えて作ったアルバム」

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■SHIBUYA AXの楽屋の壁にサインして怒られました
■誰も書いてない所に書くっていうのはこけら落としの醍醐味

――桜井さんの中に無い世界だとか、ドラマーとして難しいなと思う曲もありましたか?

桜井:基本的には全部そうですけど。比較的馴染みやすいのは、「Trigger」とか、「The LIVE feat.kenken」もそうですけど、割と早く答えが出た曲ですね。

Kj:「Today’s the Day」とかね。跳ね物が得意ですよね、桜井さん。

桜井:流れるような曲は自分の得意分野なんですが、建志の独特な間の取り方とか拍の取り方とかには慣れるまで時間がかかります。そこの真意がわからないと、ただなぞってるだけじゃその音は出せないので。「なんでこういうリズムにしてきたのかな?」とか理解しないと。

――ひとつのフレーズについてディスカッションすることもあったんですか?

桜井:ありますね。録りの当日に「やっぱそこはそうじゃないんだよね」とか「このルールだけは守ってくれないか」とか、ちゃんとひとつのシーンとして考えられているので、そこをブレないようにアレンジを重ねる作業ですよね。

――このアルバムを携えて2月1日からツアーが始まります。初日の会場であるSHIBUYA AXは2014年5月31日をもって営業を終了してしまいますが、Dragon AshはAXのこけら落としのライヴをやっているんですよね。やはり思い入れがあるんじゃないですか?

Kj:あるある。楽屋の壁にサインして怒られましたね(笑)。

桜井:怒られたね~!

Kj:まっさらなとこにかなりデカくみんなでサインを書いたら「あ、そういう文化終わりにしたいんで!」って怒られた(笑)。そういうもんだと思ってたんで。こけら落としの醍醐味ですよね。誰も書いてない所に書くっていう。ドラゴンって昔の赤坂BLITZで世界一くらいライヴやってるバンドなんですよ。俺、赤坂BLITZがなくなった時(2003年に一旦閉鎖)はだいぶ嫌だった。聖地中の聖地だし、そこで育ったし、一個のカルチャーが終わったっていう寂しさが一番デカかったんですよね。AXができた時は「なんか新しいのできた。まあ呼ばれたからやっとくか」みたいな感じだったけど、結局今になったら寂しいと思うんだよね。そこで過ごしてるからさ。だからAXが無くなるのは人一倍寂しいけど、でも「EX THEATER ROPPONGI」ができて、凄い独特な小屋だし独特な場所だけど(笑)、またあそこがヘッズとバンドによって聖地になっていくというのがシーンだし、カルチャーだからね。

――EX THEATER ROPPONGIは実際ライヴをしてみていかがでしたか?

Kj:音が凄いのよ。超近未来というか。レコーディングしてるみたいで。いくら観客が盛り上がってても声一切聴こえないの、俺イヤモニしてないんだけど。「え?大丈夫?盛り上がってんのかな?」みたいな(笑)。だからだいぶ近未来型の音響施設なんだよね。それが良いか悪いかじゃないんだけど、ライヴハウスが新しいところに来てるのは感じたね。

――ツアーに関してはどんなところを観てほしいですか?

Kj:まあ、「待たせたな」っていうことと、アルバムの世界を体感してもらうという。「やっぱり生で聴くとバンドの曲って痺れるよね」っていうのがロック・バンドの生命線なんで。机上で作って編集してるわけじゃないから。“血沸き肉踊る”ってライヴのことだからさ。今の時代はそこで本物かそうでないかというのは決まるから。“本物感”出したいですね。

――BARKSをご覧の音楽ファンに、アルバムについて改めて一言お願いします。

Kj:こういうサイトを通してアルバムの概要を窺い知るとか、ライヴ・レポートを見る機会がだいぶ増えてると思うんですが、やっぱりあくまでこういうものって敷居を低くするためにやっているから。行けそうだと思ったらライヴに来てほしいし、CDを聴いてほしいです。CDで聴く音とダウンロードして聴く音って全然違うから。CDで聴く音、PCで聴く音、ライヴで聴く音も全然違うから。…本当はそれを“ロック”と呼ぶんだと俺は思うんだよね。“奥にあるもの”をね。だから、これを読んでちょっとでも引っかかって、奥まで来る人が、ライヴに足を運ぶ人が1人でも増えたら、俺らにもここに載る価値があると思うし、このサイトをやってる人達もやってる価値があるわけじゃん? ヘッズが増えればさ。だからそうなっていけば良いなと思いますね。

取材・文●岡本貴之


『THE FACES』
【初回限定CD+DVD】 VIZL-621/税抜¥3,400
【通常盤CD】 VICL- 64098/税抜¥2,800
1.Introduction
2.The Show Must Go On
3.TriggerDownload
4.Run to the Sun
5.Neverland
6.Today's the Day
7.Here I AmDownload
8.Blow Your Mind
9.Still Goin' On feat. 50Caliber, Haku the Anubiz, WEZ from YALLA FAMILY
10.Golden Life
11.Walk with Dreams
12.The Live feat.KenKen
13.Lily
14.Curtain Call
【DVD収録内容】
・メンバーへのインタビューやレコーディング&ビデオメイキング映像などにより3年ぶりのフルアルバムを読み解く60分超のスペシャルビデオ『THE SHOW MUST GO ON』収録。
・ミュージックビデオ「Lily」「Here I Am」「Trigger」「Run to the Sun 」「Walk with Dreams」を収録。
・DVD特別企画では、Kjの作曲制作過程を詳細に解説したスペシャルな映像も収録。
●Dragon Ash Tour 『THE SHOW MUST GO ON』バックステージ招待キャンペーン応募専用ハガキ封入
●日本武道館公演のチケット抽選予約シリアルナンバー封入

<Dragon Ash Tour THE SHOW MUST GO ON>
2014/2/1(土)SHIBUYA-AX
2014/2/7(金)Zepp Tokyo
2014/2/9(日)京都KBSホール
2014/2/10(月)なんばHatch
2014/3/1(土)Zepp Fukuoka
2014/3/2(日)T.O.P.S Bitts HALL
2014/3/7(金)Zepp Nagoya
2014/3/9(日)CLUB CITTA'
2014/3/14(金)岡山オルガホール
2014/3/15(土)BLUE LIVE 広島
2014/3/23(日)キッセイ文化ホール 中ホール
2014/4/5(土)富山・南砺市福野文化創造センターヘリオス
2014/4/6(日)福井県県民ホール
2014/4/12(土)桐生市市民文化会館 小ホール
2014/4/13(日)新潟LOTS
2014/4/18(金)いわきアリオス中劇場
2014/4/20(日 石巻Onepark
2014/5/31 (土) 日本武道館


◆Dragon Ash オフィシャルサイト
◆Dragon Ash Official Labelsite 「MOBSQUAD」

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