【インタビュー】ゆず×JUJU、「守ってあげたい」にまつわる不思議な縁
クリスマスの東京駅を舞台に男女10人のそれぞれの“愛”を描いた映画『すべては君に逢えたから』が11月22日に公開となるが、主題歌「守ってあげたい」を歌うゆずと、劇中歌「守ってあげたい」を歌うJUJUの対談が行われた。
◆ゆず×JUJU画像
同名タイトル「守ってあげたい」の作詞・作曲を務めた北川悠仁が、何故JUJUを指名したのか、そのコラボが決定した際の秘話が明かされている。下記オフィシャル・インタビューの全文をそのまま紹介しよう。
◆ ◆ ◆
──今回、『すべては君に逢えたから』の主題歌・劇中歌をお三方で提供されるということの経緯を教えてください。
北川:去年9月にゆずは15周年の節目の年だったんです。それでドームツアーをやらせていただいて、それが終わったあとに少しオフを頂いたんです。そのオフの時に、自由に曲作りをしていて、その時に今の「守ってあげたい」の原型が出来上がったんです。そしてお休みが明けて2人でセッションをして曲を作りました。当初は、アルバムに入れようと思っていたんですが、出来がすごくよかったので、この曲はもっと違う形で発表したほうが良いんじゃないかなと思い始めて、曲はほとんど完成していたのですがアルバムには入れずにとっておいたんです。色々な発表の仕方を考えたときに自分たちが歌うものは完成していたんですけど、男性目線だけじゃなくて女性目線で作って歌ったら面白いんじゃないかな、というアイディアが湧いてきて。「じゃあ、誰かに歌ってもらおう!」と思ったんです。その時にJUJUさんに歌ってもらったらすごく良いんじゃないかなとピンときて、お願いしました。
──JUJUさん、最初このお話を聞いたときはどう思われましたか?
JUJU:本当なのかな、というのが一番最初で…びっくりしすぎて「ゆずさんがこの曲を歌いませんかとおっしゃってますけど」と言われたことに「わたし?!わたしで良いんですか?」というのが最初の印象です。とても嬉しかったです。
──女性目線でJUJUさんは歌い上げていますけど、どうやって進めていかれてたんですか?
北川:僕たちが作った「守ってあげたい」はほとんど完成していたので、JUJUさんにお任せしたというか。根本は同じテーマなんですけど、好きなようにやってみてください、とJUJUチームで作り上げてもらう形でやりました。
──JUJUさんにとってその作業はいかがでしたか?
JUJU:元々が素晴らしい曲なので非常に緊張する作業でした。男性的な「守ってあげたい」ではなく、女性目線での「守ってあげたい」というのは、この曲に対してどう答えるのが一番正解なのか、というのにとても心を砕く作業だったんですけど、緊張しながらもとても楽しかったです。
──映画の主題歌と劇中歌が決まった経緯をお聞かせください。
北川:本当に縁で運ばれていったというか、僕らが一緒にできて、JUJUさんにお願いをして。そちらの曲(JUJUの曲)を完成していって、そしたらこう映画の話がどこからともなくやってきて結ばれていくという嘘みたいな縁でつながれていきましたね。
──それはすごくびっくりされたんじゃないんですか?
北川:そうですね。お互いいろんなタイアップはやってきていると思うんですが、何か珍しい形というか本当に縁が結んでいって出来上がっていったのかなあと。
──予告編を拝見してゆずさん、JUJUさんの曲をそれぞれ少しずつ聴かせていただき、すごく映画とリンクしているなあと感じたんですが、曲や歌詞に込めた想いを聞かせてください。
北川:確かにラブソングという側面はありつつ、パートナーシップや、愛情の種類を限定したくないなあと思っていたんです。色々な方とリンクできるように、ということは歌詞を書きながら心がけていました。今回この映画を観たときにいろんな種類の関係性があって、その関係性の中でも響き方がそれぞれ違うなあと思ったので、それは作者としてとても嬉しくて。元々色々な響き方をして欲しいと思って作った曲だったので、映画の中でそういう形で活きたのはすごく嬉しいです。
──“どんな試練があっても守ってあげたい”という力強い歌詞と曲だと思いました。女性としては「守ってほしい」という強い思いが伝わってきました。JUJUさんの「守ってあげたい」は、男性をふわっと包み込むような優しさに包まれた曲だな感じました。
JUJU:強い男性に「守ってあげたい」と言われるからこそ持てる感情というものを、こちら側(JUJUの劇中歌)の「守ってあげたい」で出せたらいいなあと思いました。
──すごく古風な女性像が浮かびがったんですけどいかがでしょうか。
JUJU:そうですね。多分男性の強さがあるからそういう風にちょっと引いたところから包みたいなっていう気持ちになるんじゃないかなと思って。本来多分強い男性の前では女性はそうなると思うんですよね、普段どんなに強気であったとしても。女性としては「守ってあげたい」とあんな風に言われたいし、そう言われたときは素直になれるんじゃないかなという気持ちで歌いました。
──ゆずのお二人はレコーディングのときは、やっぱりそういうお気持ちで歌われたんですか?
北川:そうですね。なんとなくすごく恥ずかしいですね。守ってあげたい感じを心をこめて歌いました。JUJUさんの歌ったものを聴いて、実は最後歌えるようにしたんですよね。JUJUさんから出来上がったものを聴かせてもらった時に、本当に女性は港というか大きな存在で。我々男性は何とか女性を守りたいと思っているんですが、結局は女性に吸い込まれているのかなと思いつつ、それでも「守りたい」と踏み込んだ感じで歌いました。
──結構新たな発見もあったんじゃないんですか?JUJUさんの曲で新たに女性の想いを改めて知ったというか。そういう面はいかがでしたか?
北川:すっごくありましたね。やはり自分たちは男性なので自分たちの目線でしか今まで曲を書いてこなかったんですけど、同じテーマで女性が書いて歌うとこんなにも違う曲になるんだなというのはびっくりしたし、逆に自分たちが持っている個性みたいなものを再認識できました。
──映画は完成前なんですけれども楽しみにしているシーンってありますか?
岩沢:すべて楽しみですが、やっぱり曲を作った者としては、どんな名シーンと曲が重なるのかなというのが特に楽しみですね。
──JUJUさんはいかがですか?
JUJU:6つのストーリーで全部違う感じなんだけど、すべての曲、全てのストーリーにきっとどちらかの曲が当てはまるんだろうなと勝手に考えていてすごく楽しみにしています。「あ、ここできた!」と映像と歌が自然と絡んでくれたらいいなと思ってます。
──毎回映画やドラマで曲を提供するときにそういう楽しみがあるんじゃないですか?自分の曲がこのシーンに当てはまって感動が盛り上がってくるんだろうとか。
北川:すごくありますね。やはり映像の力ってすごくあると思うので。映像と音が合わさった時に、それぞれの相乗効果があるので毎回それが楽しみです。
──岩沢さんにお伺いしたいんですけど楽曲の中での「守ってあげたい」という気持ちをどう思われましたか?
岩沢:男性には必ずあるんじゃないんですかね。「おれについて来い!」や「守ってあげよう」という力強いところはあると思います。まあ「守ってほしい!」という時もあるでしょうし。それはお互い様というか。
──「守ってほしい」という気持ちはありますか?
岩沢:はい。今、すごく守ってほしいですね、今です(笑)
──北川さんが作られた曲の第一印象はいかがでしたか?
岩沢:まず譜面を見たときにえらい難しいなあと思ったのが第一印象で。やたら転調しているんですよ。結構骨が折れる曲だなあと思いました(笑)。音楽的な話を抜きにして、男の叫びというか、これは真剣に取り組まなければ完成までに至らないぞという気合が入った曲で、音から気合が伝わってきました。
──JUJUさん、音の部分ではいかがでしたか?
JUJU:非常に歌いがいのある曲だなあと思いました。元々ゆずのお二人が歌ってらっしゃるのを聴いて、自分のキーにして歌ってみたときにすごく難しい曲だったんですよ。一筋縄ではいかない曲で、勉強になりました、とても(一同爆笑)。負けられないなあっていう気持ちがすごくあって。あのお二人はあのファルセットがあんなに出ているのに、私はなんてか細い声しか出ないんだろうとか考えました。
──お互い「守ってあげたい」と歌いながらも…
JUJU:守ってほしかったです(一同爆笑)。
──元々交流があったとのことですがどういうお付き合いをされていたんですか。
北川:6年くらい前にJUJUさんが僕らのライブに来てくれたことがあって、そこで初めてお会いしたんです。その後イベントとかでお会いしたりテレビ番組で一緒に共演したこともありました。
──今回は北川さんの中でぱっと、JUJUさんの姿が浮かんだのですか。
北川:そうですね。歌に説得力と重みがある人が良いなと思ったときに、JUJUさんが出てきてお願いしました。
──それぞれのファンにとっては嬉しいコラボレーションだと思うんですけれども、メッセージを最後にお願いします。
北川:今回は「守ってあげたい」という曲が完成して、その表現の仕方を普通の形ではなく男性目線と女性目線で表現しました。そうしたことによって色々見えてくる音楽の面白さだったり、メッセージだったりが色んな方に届くのではないのかなと思っております。映画にも間違いなくぴったりと合うと思うので、この2組の曲を楽しんでください。
岩沢:タイトルが同じこの2曲で是非映画を盛り上げたいなと思っていますので、是非劇場でご覧ください。
JUJU:今回本当に本当に素敵な曲を歌わせていただきました。ゆずさんの男性バージョンもすごく力強くて素敵なんですけれども、そんな男性に巡り逢った方はきっとこんな気持ちなんだろうなと思いながら歌っております。女性ならではの「守ってあげたい」という気持ちを歌っておりますので是非、男性バージョンと女性バージョンの両方を楽しんでいただきたいです。そして映画も是非楽しんでください。
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