【インタビュー】新山詩織、2ndシングルリリース「思っていることを素直に言えたら一番いいんですけど、そんなに簡単には言えない」
■一番最後の“それなのに 言えなくてゴメン♪”っていう一文は
■完全に素の声で歌いたいっていうのもこだわったところです
──学校生活を描いたお話でもあるから、現役高校生である新山さんだからこそ、いろいろと思うところがあったんだろうね。
新山:はい。主人公の女の子が、初めて幽霊の女の子と対面したとき、イジメのなかった頃の自分に戻りたいってことと、“誰よりも一番可愛くなりたい”って、本当の自分の欲を言葉にするんです。その場面を見たとき、なかなか自分の願望を素直に表に出せる人っていないと思うけど、絶対に誰の中にも欲はあって、自分もそうだなって、そこに現実を重ねたんです。自分も普通に生活している中で、場所とか環境とか関係なく、ふと言葉にした一言で、自分の立場みたいなものが、変に大きく嫌な方に一変しちゃうことってあるよな……って思ったんです。
──そこはまさに、 “たった一言 それだけで 世界変わってしまうから♪”っていうサビのフレーズでもあるね。そんなリアルな感情だからこそ、歌がすごく感情的でもあるんだろうね。本当に胸を打たれたよ。
新山:ありがとうございます。曲の一番最後の“それなのに 言えなくてゴメン♪”っていう、一文は、全部音を止めて言う部分だったので、リバーブとか、そういうものも一切かけずに、完全に素の声で歌いたいっていうのもこだわったところだったんです。
──最後にすごく突き刺さってくるよね。楽曲的に印象的だったのは、イントロの歪みのあるギター音ももちろん、流れるドラムのタム音だったり、動くベースのフレーズだったりっていう、低音の動きと、軽めなギターのピッキングとアコギの音色もすごく印象的だったなと。
新山:自分もアコギを弾いたんですけど、流れを感じさせつつも、どっしりとした重みを持たせたいと思ったので、低音の流れにはこだわったんです。聴いてくれた人が、この楽曲を聴いたとき、何かが動いてくれたらいいなと思ってます。
──カップリングには、前シングル同様にセッションカバーが収録されるけど、今回はTHEATRE BROOKの「ありったけの愛」だね。単なるカバーではなく、カバーセッションということにも、すごく意味があるよね。
新山:はい。前回のセッションカバー曲「現在地」(THE GROOVERSとのセッションカバー)もそうだったんですけど、もともとある楽曲を自分がカバーして歌わせてもらうというのは、原曲のイメージもあるので、すごく不安だったりしたんです。でも、一緒にやらせてもらって歌っている間に、いつの間にか入り込んでしまうんです。すごく音楽の力を感じる瞬間でもあります。
──この曲をセレクトしたのは?
新山:「ありったけの愛」を最初に聴いたとき、ファンクな感じに惹かれて。ただただカッコいいと思ったのがきっかけだったんです。歌詞は、まだ自分には理解できなくて、“どういう意味なんだろう?”って考えるところもあるけど、カッコいいって思う衝動に突き動かされたというか。それが正直な気持ちです。ギターの歪みももちろんなんですけど、リズムも今まで聴いたことのないリズムだったので、ノリも気持ち良かったし、明るく聞こえるんだけど、どこか切なさも含んでいる気がして、そんなところもすごい好きでした。
──「Don't Cry」とはまた違った歌い方に、新山詩織の新境地を感じたというか。
新山:はい。最初の日は、バンドの音録りだったんです。そのときもギターを弾きながら、思いっきり大きい声で、とにかく自分らしく歌おうと思って歌っていたんですけど、なんか自分の中でしっくりこなくて。その後、休憩を挟んで、タイジさん(佐藤タイジ=THEATRE BROOKのボーカル&ギター)とお話したときに、「人の曲でも自分の曲でも、どれだけの心を込めて歌えるかってことが大事だよね」って話をされていたんです。
──それがさりげないアドバイスになったわけだね。
新山:はい。その日は歌録りがなかったので、家に帰ってからいろいろとこの曲のことを考えていて。なかなか寝られないくらい考えたんです。どうしたらこの曲をこの曲らしく自分が歌えるんだろう? って、ずっと考えたんです。それで、歌録りの当日、大きな声で自分らしく歌おうとか、いろいろ考え過ぎていたものを全部捨てて、音を感じるままに歌ってみたらすごく気持ちよかったんです。
──うん。リズムの中に歌がいる感じがするよね。
新山:そうですね。自分の中ですごくいい経験になりました。初めてのリズムを歌ってみて、こういうリズムも歌える自分がいるんだ!っていう発見にもなりましたね。タイジさんのギターのフレーズとかを聴いて、こういうギターの弾き方もあるんだなっていう勉強にもなりました。いろんな歌をこれからも歌っていけたらなと思います。
取材・文◎武市尚子
2nd Single 『Don’t Cry』
2013年7月10日 Release
JBCZ-6002 ¥1,050(税込)
1.Don’t Cry
作詞作曲 / 新山詩織 Sound Produce / 笹路正徳
2.ありったけの愛
作詞作曲 / 佐藤泰司 Sound Produce / 佐藤タイジ
3.Don’t Cry -instrumental-
<JOIN ALIVE>
出演日程:7月21日(日)15:00~15:30
出演ステージ:NEW WALTZ
会場:いわみざわ公園(野外音楽堂キタオン&北海道グリーンランド遊園地)
http://www.joinalive.jp/2013/
<rockin'on presents ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2013>
出演日程:8月2日(金)12:20~12:50
出演ステージ:WING TENT
会場:国営ひたち海浜公園(住所:茨城県ひたちなか市馬渡字大沼605-4)
http://rijfes.jp/
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