【インタビュー】近藤晃央、1stアルバム『ゆえん』が紡ぐ“人と人”「YOU AND(あなたと一緒に)という想いも込めて」

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■人が気にならないようなこともちょっと気になったり考えちゃったり
■ハードルを飛び越えてコケるぐらいなら全然アリだと思う

──ちなみに、この幅広い楽曲の音楽的背景についてうかがいたいのですが、近藤さんはどんな音楽を聴いて育ったんですか?

近藤:音楽は小さい頃からよく聴いていたんですね。小学生の時は毎週CD屋さんに行って、一週間に15~20枚ぐらいCDを買ったり借りたりしてましたから。新譜を聴きあさるみたいなタイプだったんですよ、僕。

──小学生で新譜を聴きあさるって早熟ですね。

近藤:今思うと早熟でしたね。当時はパチンコの景品にCDがあった時代なので、父さんがパチンコに行った時に必ず景品をCDにしてもらったり。毎週毎週、新しいものを聴いてました。

──主にどんな曲を聴いてたんですか?

近藤:いやもう、バラバラです。洋楽邦楽問わず、ヒットしてるしてない関係なく。とにかくその時期に出たものを聴きまくるみたいな。

──歌謡曲もお好きだったとか。

近藤:はい。歌謡曲はリアルタイムじゃなくて、後追いなんですけどね。日本の楽曲のルーツを探っていた時に、昭和歌謡のあたりでピタッととまったんですよ。だから、そのへんは結構好きで聴きましたね。J-POPも好きでしたし、ニューミュージックやフォークも聴きました。

──バンドも経験したそうですね?

近藤:自分が音楽をやるという時に衝撃を受けたのはHi -STANDARDだったりもするんです。だから音楽的背景ということで言うなら、僕はすごい雑食だと思います。

──その雑食な音楽性が今、近藤晃央というフィルターを通して、こういう多彩な楽曲になっているんですね。そして、近藤さんの音楽の軸である“歌と言葉”ですが、どの曲にも独自の目線で切り取られた真理を突くフレーズが入っていて、ハッとさせられます。こういう歌詞はどんなふうに生まれてくるのでしょう?

近藤:そうですね……僕はどちらかというと普段から考え屋さんで。

──考え屋さん(笑)。

近藤:はは(笑)。で、人が見過ごすようなこととか、人が気にならないようなこともちょっと気になったり、いろいろ考えちゃったりするほうなんです。でもそれをノートに書き留めておくってことはほとんどなくて、“曲を作るぞ!”ってなった時に自然と出てくるというか。だから脳ミソのどこかには書き留められているんでしょうね?出てくるってことは(笑)。

──でも考え屋さんだと、単純な話、ストレスとかたまりません?

近藤:まぁ、たまりますけど。僕はストレスを何かで忘れるっていうタイプではないんです。放置しておけばおくほど、思い出した時に倍になって返ってくる、みたいな(笑)。だから、なるべく向き合って乗り越えるようにはしてます。

──真摯で、ある意味不器用なタイプというか。でも大変そうですね、そういう性分って。

近藤:そうですね(笑)。

──今回、どの曲にも“近藤哲学”とも言える自身の考えが投影されていますけど、最後に収録されている「幸福論」も聴いていて共感できたし、“なるほど”と思えるものでした。幸せのカタチってひとつじゃなくて、それぞれのカタチがあっていいんだなと。

近藤:そうなんですよね。歌の中にも“幸せの定義がどこかの誰かと違っていたら、その誰かは僕らを不幸と呼ぶかもしれない♪”っていう歌詞が出てくるんですけど。例えば駆け落ちとか、人から見たら不幸でかわいそうな2人に思えるかもしれない。でも当の2人は愛を貫いて幸せかもしれないわけで。人が見た場合と、当事者が思うことは明らかに違うし、違って当たり前で。じゃあどこを基準に考えればいいのかと言ったら、それはやっぱり自分だと思うんです。

──自分が幸せだと思えば、それが幸せなんだと。

近藤:そうですね。ただ僕は、それが自分にとってだけの幸福だったら、幸せとは書かないかもしれない。共有する人がいてこそだと思っているので。そういうことが今作の“人と人”“ゆえん”“YOU &”にも繋がっているんだと思います。

──なるほど。ところで、レコーディングはいかがでしたか?

近藤:4ヶ月ぐらいかかったんですけど、こんなに長期間スタジオにいることは今までなかったので楽しかったです。

──その楽しい感じは「わらうた」の空気感とかにも出てますね。

近藤:そうですね。「わらうた」は最後になぜか僕の笑い声が入ってたりもするんですけど(笑)。あの曲はライヴで楽しめる曲があるといいなと思って、最後に追加した曲なんです。フザケた視線で描くちょっと切ない曲、みたいな。

──15曲それぞれ、歌い方の表現が違いますけど、この「わらうた」はちょっと肩の力を抜いたような歌い方がいいな、と。

近藤:実は僕、花粉症がメチャメチャひどくて、「わらうた」の時は“ザ・鼻声!”で歌ったんですよ(笑)。でも「わらうた」だからこそ、花粉症でいいやという気持ちで録りました(笑)。この歌はむしろ、そういう温かみがほしいなと思っていたから。

──全15曲を収録した聴き応えのある内容になりましたね。

近藤:そうですね。最近のポップスで70分弱っていうアルバムはあんまり聞いたことがないので、単純に収録時間としても収録数としても、そしてもちろん内容としてもすごく濃いものになったなと思っています。僕の中では十分昇華できるボリュームだと思っているし、あとは聴き手の皆さんに委ねて、どう聴いてくださるか、何が残るか、楽しみです。

──“ハードルの高いものを作ろう”という当初の思いは、近藤さんの中で達成されましたか?

近藤:リリースはまだこれからなので、発売後に、よりいろんなものが見えてくるとは思うんですけど……。そうですね、ハードルの高いものはできたと思います。

──そうなると、次作がまた大変ですね。高いハードルを超えていかなきゃいけないから。

近藤:そうですね。まぁ次はハードルを飛び越えてコケるぐらいなら全然アリだと思うんですけど、ハードルの下をくぐるようなことだけはないようにしたいと思います(笑)。

取材・文◎赤木まみ


1stアルバム「ゆえん」
2013年6月26日(水)発売
【初回生産限定盤(CD+DVD)】DFCL-2017/8 \3,500(税込)
■初回生産限定盤 4大特典内容
・スペシャルBOX仕様
・ダブル 蛇腹ブックレット仕様
・スペシャルDVD
・封入特典(後日詳細発表) ※4のみ、通常盤にも封入
【通常盤(CD)】DFCL-2019 \3,000(税込)
1.ゆえん(instrumental)
2.フルール
3.テテ (TVアニメ「宇宙兄弟」エンディングテーマ)
4.つづる
5.らへん
6.反射光
7.しるべ
8.エーアイ
9.100年後
10.HONEY
11.運命共同体
12.仮面舞踏会
13.ハッピーエンドワールドエンド  (アサヒビール「福岡ソフトバンクホークス」応援プロジェクトCMソング)
14.わらうた
15.幸福論
<DVD>
1. フルール (Music Video)
2. テテ-Fingers Font Edition- (Music Video)
3. らへん (Music Video)
4. HONEY (Music Video)
5. らへん-Studio Live-

<ライブ情報>
■近藤晃央 ONEMAN TOUR「ゆえん~You&~」
9/16(月・祝)開場16:30開演17:30 ダイアモンドホール(愛知県)
9/20(金)開場18:30開演19:00 渋谷WWW(東京)
9/22(日)開場17:00開演17:30 ROOMS(福岡)
9/23(月・祝)開場17:00開演17:30(大阪)
価格¥3,000(税込)ドリンク代別
チケット一般発売日8/3(土)より各プレイガイドにて
※1stアルバム封入フライヤーにて先行予約あり。

■『ゆえん』発売記念スペシャルミニライヴ&サイン会
2013年6月26日(水)愛知・イオンモール東浦1Fセントラルコート(19:00~)
2013年6月29日(土)東京・タワーレコード渋谷店 3Fイベントスペース(13:00~)
2013年6月30日(日)大阪・阪急うめだ本店 13階 屋上ステージ(12:00~)
2013年6月30日(日)愛知・アスナル金山 あすなるステージ(18:00~)
2013年7月6日(土)宮城・タワーレコード仙台パルコ店 店内(12:00~)
2013年7月6日(土)宮城・新星堂カルチェ5仙台店前(16:00~)
2013年7月7日(日)北海道・札幌 パセオ センターB1F テルミヌス広場(14:00~)
2013年7月13日(土)広島・サンモール屋上 ブルーベリー園 特設ステージ(15:00~)※ラジオの公開収録も兼ねております。
2013年7月14日(日)福岡・キャナルシティ博多 B1F サンプラザステージ(12:00~)

■ALBUM「ゆえん」発売記念特番
近藤晃央「テテ」×TVアニメ『宇宙兄弟』SP座談会
放送日時:2013年6月25日(火)22:00-23:00
タイムシフト視聴期間:7日
番組URL:http://live.nicovideo.jp/watch/lv141894077

◆近藤晃央 オフィシャルサイト

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